第二話
闇の大地以上に闇に染まった地域を進軍する。籠もカラロが運ぶこととなった。
「あれが、ソラの故郷」
キラの村からさらに南東に進んで半日かかった。大河が見える。キラの替わりにオロがパーティーに入っている。キラは今はそっとすべきとの判断でそうなった。
カラロによって運ばれる籠のなかで四人が見たもの。
遠方に巨大な城があったことだ。
「あんな建物、あったか?」
サロが聞く。
「あるわけない。あんな巨大な城があったら買い物とかに行く」
(間違いねえな)
サロは確信した。
「あれが敵の根城なのかね」
カラロがよく目を凝らす。
「そういえば屍鬼兵も骸骨兵も身内のボスの名前言わねえな」
カラロの言うとおりだ。なんで気が付かないんだろう。
「早く片付けないと極寒の季節が来るぞ」
ここまで南に移動したはずなのに……すでに雪が舞っていた。カラロは冴えてるなあ。
「ここがソラの故郷、オキミ村で間違いねえな?」
「はい」
城の向こうに見えるのは……。
「塔だ……割と近い」
ソラは塔を恐ろしげに見る。
「塔から結界を張っている。雷魔法だ」
それは城内に居る人間は自由に出る事が出来ないという意味だ。どこまで残酷なんだ。
「ともかく、ここは重要拠点になるぞ。みんな籠から降りるぞ!!」
◇◆◇◆
こうして、ソラの故郷も奪還に成功した。
「丁重に葬るぞ」
サロは死者を尊ぶ。
「うん」
「電気と水道は出来たけど、ガスが無い。電気も弱弱しい。それどころか冬は薪を取りに行きづらい。最悪、停電生活になる。ここから先は、攻略は難しい」
ここまで来るとまずガス田を探すことになるだろう。パイプラインを建設する余力はない。なんせ敵の根城の目の前なのだ。
「カラロ。そうだな。じゃー頭数増やすか」
サロは魔妖族を作り出し、ここを拠点とする。
「一旦、魔王城に帰るぞ」