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魔王の仮面  作者: らんた
第四章 俺は勇者をも救う!
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第一話

 数日かかった。光の使者が最も強くなる白夜の時期に入ったからだ。もちろん今は昼間だが、夜になっても太陽は沈まない。


 森林の中に、突如として現れた畑。そして畑の中心部に広がる荒れ地。


 間違いない、ここだ。


 近所の農家のばあちゃんに話をうかがい、魔王城への入場許可をもらう。


 「入場目的は?」


 ばあちゃんの声はおだやかだった。警戒心ゼロである。


 「観光です」


 「はい、これ結界石」


 そう、事実上の「入場チケット」は近隣の農家から受け取る。ちなみに、ここで変な回答をすると通報されるそうだ。


 「この結界石は、この入り口からしか入れない観光者用だから。許可証は携帯してくださいね」


 入場許可は、すんなり下りた。


 今度は城というだけあって、街も大きかった。


 極寒の地でも町が機能するよう、町全体に暖房が行きわたる仕組みになっている。


 そのうえ一階には、宿屋も薬屋もよろず屋も鍛冶屋も、店という店が揃っていた。


 三人は一斉に宿屋へ殺到した。まずはシャワーを浴びて、体をきれいにする。


 「ああ~、幸せ……」


 三人はそのまま、ベッドへ直行した。



 翌日……。


 「行くぞ」


 ――勇者の証明って、あるんだよな?


 ――力を解放すると光り輝く。それが証明だ。一瞬だけな


 さすが呪術師だ。証明方法まで分かっている。


 ――それを門番の前で見せるんだな


 ――失敗したら、ここの城下町の住民全員が敵だぞ


 ――それだけは避けないと


 「いくぞ」


 戦士が合図する。


 「すみません。僕、勇者なんですけど、魔王に謁見を願います。これが勇者の証明です」


 カラが力を解放すると、周囲に突風が起き、カラの体が一瞬、輝いた。


 周囲の住民はどよめき、悲鳴が上がった。


 門番の一人は腰を抜かし、「本丸へどうぞ」と言った。


 カラは力を解く。


 もう一人の人間の門番は、慌てて二階の魔王の執務室へ向かった。


 「大変です、勇者が……勇者が来ました!!」


 「そうか」


 「四天王を謁見室に呼んで来い。シュクラもだ」


 慌てて正装を着込むサロ。鎧も兜も装着する。


 「間違いないのだな」


 「はい。全身が、一瞬だけ輝きました」


 「来たか……」


 深緑の甲殻類は、覚悟を決めた。

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