第十一話
こうして城下町の規模はさらに大きくなった。
極寒の地である。冬の極寒に耐えるために町と城は一体化してるのである。したがって城下町の規模拡大は城の規模拡大と同義であった。
学校に警察署に裁判所……。気が付けば必要というものはすべてできていた。
住民は一五〇名を超えた。
そんなシベリアに短い夏が訪れようとしている。
まもなく呪いの仮面をかぶって半年が経とうとしていた。
そんな時シュクラから提案が来た。
「せっかく別邸があるんだから休暇もかねて別邸にいかないか」
そう、旧第二魔王城つまり別邸のことである。
「ここはどうするの?」
「そんなときのための四天王だろう。もちろん、水晶で連絡は取り会いますが」
長期休暇……かあ。
「いっそのこと、プールでも作りますか」
「プール? 出来るの?」
「建設が必要ですが」
「それって働いてるのと変わらないんじゃね?」
「一度出来たら温水プールだから入場料も取れるし冬場は体がなまるからいい運動場になります。健康は大事です」
「そっかー。まぁいいや。じゃあ行くか、別邸に!」
こうして二人は数か月ぶりに別邸に行った。
プールは町の魔族が総出で建設した。
数日で出来たプールは町民の感謝の意味も込めて1か月タダとなった。
もちろん更衣室も完備だ。
五ゼニー硬貨を一枚を入れると鍵がしまり鍵を開けると五ゼニ―硬貨が戻って来る。
「すばらしい」
サロは感激した。
元々ここは服の工場もあるところである。水着も当然作れた。
水が苦手な魔族はともかくみんな大はしゃぎであった。
ほかには魔族の間で大好きな板玉返し、乗馬などを楽しんだ。
もちろん浴場も楽しんだ。
「ここではもう仕事の事は忘れてくださいね。日報の時以外」
「うん!」




