表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王の仮面  作者: らんた
第二章 魔王ライフってもしかして快適?
19/84

第七話

 ――水晶玉を箱に埋め込んで


 鳥人族ホークマンがなにやら指示する。


 ――で……人間の皆様、演奏して


 人間らは馬頭琴などを奏でる。


 「「なんて美しい音色なんだ」」


 その音は遠くまで聞こえている。魔王城に居る者は驚愕する。別室に居るものまで同じ音が聞こえる。


 ――魔王城にちゃんと聞こえてるか?


 「聞こえてるぞ。すげえ」


 ――俺たち鳥人族ホークマンは仲間とのやり取りで小さい水晶玉を使うからな


 ――このようにペンダントにして


 ――で、この水晶を片方向ににしか音声を流さないようにすれば


 ――こんな娯楽の出来上がり


 「すごいよ」


 ――空に住む者の知恵さ


 「何やってるのかね、騒がしい」


 「シュクラ様、これを聞いてください」


 衛兵が音楽をシュクラに聞かせる。


 「なんと美しい」


 「はるか遠くの魔王別邸から音楽を流してるんです。一斉に……同じ音を」


 「これが人間の音楽か。そうだったな」


 音楽が終わった。拍手で沸いた。


 ――いかがですか? 聴衆のみなさん!


 「あいつの名前は何というんだ?」


 「鳥人族ホークマンのカラロと言うそうです」


 「じゃあ後日、サロと一緒に別邸に行こうかな」


◆◇◆◇


 翌日……別邸の謁見室で驚愕の声が響く。


 「ええ!? おいらが四天王!?」


 羽をばさばさ鳴らしなら騒ぐカラロ。


 「騒ぐなって。で、この片方水晶、なんて名前付けよう?」


 サロは少し呆れた。


 「おいらたちはラジオと呼んでます」


 「じゃそう呼ぶか」


 「で、人間の雇用の受け皿にするにはいいが、どうやって運営を維持しようか」


 シュクラはやはり財政を気にしていた。


 「有料放送じゃ人間の困窮度を考えると」


 シュクラは高級品になると考えてるようだ。


 「宿屋とか鍛冶屋の宣伝に使えないかな? 宣伝費をもらう。本体価格は魔法と魔石だからそれほど高くはないはずだ。問題は放送価格だ。放送時間も朝-昼と昼-夜に分ける」


 「それはいいですね」


シュクラも納得した。放送料無料。これだ!


 「じゃあ、放送局は魔王城でやってもらうね。で、今日から四天王としてよろしくね」


 (俺でいいの!?)


 こうしてカラロは四天王になった。


 放送局は四階に置かれた。時折鳥人は空を飛ぶのでなるべく高い階を希望したからだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ