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【エタってないんだからね!筆力向上修行中】屑星だって生きている~誰か教えて!ユニークスキル【editor】の使い方~  作者: Darjack


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ありがとうPV7000記念閑話 続、斎藤さんだぞ

正月特需か7000PV突破してました。

記念閑話 斎藤さんの続きです。


なお、この小説はフィクションであり実在の個人、団体とは一切関係がない事を明記しておきます。

 高校2年の公式戦県大会での出来事ことだった。


 三年の先輩は既に引退、一年もまだ十分に育ってはいなかった為斎藤は久しぶりに組手にも選手として参加していた。


 斎藤の学校は、決勝迄進出、相手はもう一方の地域の雄、いわゆるライバル高だった。

 副将であった斎藤は判定負け。試合の結果は大将戦まで縺れた。


 大将戦後半、判定は相手校優位。このままでは優勝はおぼつかない。


 激しい攻防の最中、斎藤のチームの大将が倒れた。


 !


 会場は騒然となった。


 口元を押さえて転げ回る大将。


 相手側の大将は困惑顔で開始線待機となった。


 審判鑑定の結果顔面打撃によるライバル校大将の反則負け。


 斎藤の目は、担架で運び出される自校大将の顔にかけられた濡タオルの端から除く口の端の笑いの形と付き添う指導員の口元が『よくやった』と言う形に動いたのを捉えてしまった。


 斎藤の所属部はその年の県大会を制し広域大会への出場を決めた。



 ◆



 真相は斎藤には分からない、指導員からも大将本人からも聞くことはできなかった。

 聞くことで自分の空手道がかわってしまう事が怖かった。


 退部迄はしなかったがその時を境に部活動の空手に身が入らなくなった。


 基礎体力維持の為の練習はきっちりやる、でも部活の空手はその後の自主練の為に軽く流す。


 自主練で自分の為の自分だけの空手を磨く。


 剣道の後の先の考え方や柔道の重心コントロールを取り入れた我流空手だ。


 自宅のネットワークからVRの格闘コミュニティにアクセスしたのはそんな自分の空手にさらなる磨きをかけられないかと考えたからだ。


 望みは果たされた、世界は格闘技で溢れていた。格闘コミュニティから格闘メタバースへの参入は既定路線とも言えた。


 もちろん手や足が伸びたり火を吹いたりするイロモノ路線ではなくリアル格闘技対戦メタバースの方に斎藤は強くひかれた。


 アタリ判定は全てVR空間内で処理される、甘いも辛いも全て相手と同じ条件だ、少なくとも納得はできる。


 斎藤と対戦したVR格闘家の中には対戦後「北辰門の方ですか?対戦できて光栄です」と息を弾ませ握手を求めてくる者がいた。


 主に東洋拳法を修めている連中だ。


 極東区域ニッポンでは北辰拳と呼ぶらしいが本場東洋区域では北辰門又は北辰拳北辰門と呼ぶのが一般的な様だ。

 ネットで検索してみたが残念ながらニッポンには北辰門の道場は無かった、本場大陸の門外不出のローカル拳法の様だった。


 北辰門を知っている格闘家と出会うとその情報を貪欲に求めた。話を聞けば聞くほどにこの北辰門という東洋拳法に惹かれた。


 武術に対する考え方やネット上に紹介される門派の技の在り様が斎藤の自己流空手と重なった。


(何千年も前に自分と同じ思想に辿り着き一つの流派を創り出した人物が居た)


 これだけで感動を覚えた。


 どうしても本物の北辰門を見てみたい。


 強く思うようになった。


 この時代にネットで画像も映像も十分に確認できない武術だというのだいやが応にも興味は深まる。


 まさに北辰門に恋い焦がれたといってもよかった。



 悩んた末に斎藤が思いついた方法は暴挙と言ってもよかった。



 それまでアバタープロフィールの流派欄を空手・我流としていたものを我流北辰門と変えた。


 アバターの胴着の胸と背にに大きく“北辰”の文字を入れ、旭日旗のハチマキを付けた。


 そしてリアル対戦・イロモノ関係なく格闘メタバース内で試合をしまくった。


 経験を積むごとに自分の立会いに改良を加え、できる範囲でVR空間への接続環境を整えラグ死を減らすなど工夫を重ね、じわじわとメタバース内でのランキングを上げていった。


 登録者二百万人の格闘メタバース・ネオトキオサーバ内で、打撃部門ランキング300位を越えたあたりで爆発的に対戦依頼が増えた。


 部門別300位から上位はランキングでその存在を公表される。同程度の実力者内での自動マッチングだけでなくランキングから直接対戦を申し込める様になるのだ。


 しかも斎藤…そのときのメタバース内でのハンドルネームは北辰門ST(笑)は打撃系のみならずリアル・イロモノ問わず、ジャンル問わずのなんでもあり(ヴァーリートード)対戦可能に設定していた。


 勝ったり負けたりを繰り返しなんとか部門250位近辺を維持できる頃になるとしばしば総合ランキングにも顔を出すようにもなっていた。


 ランキングに乗るためには対戦数はもちろん戦いの傾向も加味される。

 なんでもあり対戦可にしておき異種格闘戦の対戦数が増えれば総合ランキングにも乗りやすいのだ。

 打撃系と歌いながらも柔道の受け身や絞め・投げ技も使い捌ける斎藤の我流空手は比較的総合向けだったということもあるかもしれない。


 そのあたりになると“本当に北辰門か?”との問い合わせが増えたがそのすべてを無視した。


 音声チャットで質問されても黙って微笑むだけにとどめた。


 ランキングも250位以上になると一日中メタバース内にいて試合ばかりしているリアルでどうやって生活しているのか疑問な“廃人”連中ばかりになるので順位の更新は難しくなったが“廃人”のなかでも「パンピー(一般ピープル)の中にイキのいいのが居る」と話題になり始め、ネオトキオサーバ外の世界サーバからの対戦依頼も増えた。

 国サーバを越えるとセキュリティ・ファイヤーウォールが厚くなるためラグが大きく判定もザルになりがちだが国サーバごとのラグの傾向を研究し対策を練ったため対外国サーバ戦ではそこそこの勝率を納めた。

 負けた相手は全員ラグの所為にしていたが。


 月刊・格闘MVのランカー特集でインタビューを受け、総合300位近辺のユニークなランカーの一人として紙面に小さく“北辰門ST”の名前とアバターの顔写真が掲載されることもあった。


 謎の流派、北辰門の使い手が格闘メタバースに居る。


 これは格闘コミュニティの中でもそこそこの話題となった。


 三木が斎藤に絡んで来たのもそのころだった。


 最初は良くいるケンカ殺法とヤクザキックの使い手に絡まれた程度の話で、斎藤に投げられ極められあしらわれているうちに体感的に他の格闘技と違うと感じたのか、教えを乞うてくる様になったのだ。


 まともに格闘技はやっていない様だったがセンスはあった。

 むしろセンスだけでバーチャル対戦をやっているような輩だった。町道場も部活も肌に合わないと感じていたんだそうだ。

 生身の体の方の鍛え方も無理にならない程度にレクチャーしてやった。


 話すうちに身長190センチ超の筋肉ムキムキなレスラーアバターの使い手が自分より年下であったことが判り驚いた。


 斎藤はむしろ相手がこちらを舐め、力技で雑に攻めてきたところを後の先で仕留めることが多かったので、自分の素のスペックでアバターを組んでいた、顔髪型だけはアバターの標準イケメン顔に変えていたが。

 この方が実の自分の体とネット上でのアバターの体感に違和感が生じず素直な感覚で対戦できると感じていた。


 斎藤の話を聞き同じようにアバターを自分の実体と同じスペックに作り直した三木がスパーリングパートナーを務めてくれるようになって技の研究も進みますます“我流北辰門”は進化していった。

 三木の実身長が斎藤より10センチ近くも小柄だったことにも驚いたが。


 流れるように日々は過ぎ、斎藤はラグを減らすため必死で調べたVR接続技術に興味を持ちVRの技術系に強い中堅の大学へ進学した。


 件の試合の後部活動に疑問を持っていた斎藤だがたまたま斎藤の気真面目さを見ていたクラス担任が自分が顧問をしている生徒会の平役員をやらないかと勧誘してきたのだ。

 空手部には在籍したまま生徒会の活動ができるというのも魅力だった。

 渡りに船と生徒会へ編入した斎藤は生徒会の雑用を終えてから道場へ行き汗を流し自分の技を磨く様になった。

 練習時間が空手部員とは合わなくなってしまったので組手も型も斎藤の代わりに後輩が入ったがその後輩は指導員と同じ道場の門下生だったので全く問題にならなかった。むしろ丸く収まった感じだ。


 空手強豪校の空手部を三年勤め、生徒会活動もこなし、成績もクラス中堅を保っていた斎藤は内申も良かったのだろう。

 運よく志望大学の推薦枠に引っかかった。

 推薦を受けられる大学の中で興味のある学科の大学を志望したという方が正しいかもしれない。


 大学でも一応空手部へ入部した、斎藤の学んだ道場とも高校ともまた違う流派だった、こちらは高校とは違い経験者が少なく大学へ入って初めて空手を始めたという連中が多かった。正直、自分の空手を練習出来る場所が欲しかっただけで何かを期待して入部した訳ではなかったが。


 大学へ通いVR技術を学びながら部活をし、夜はVRセンターのバイトを始めた。


 個人の家庭に設置できるVR端末より大型でさらに細かい情報制御能力と強力な高速回線によりよりリアルにバーチャル世界を体感できる機器に初めて触れる機会だった。


 全身を覆うVRユニットに入りバーチャルサーバにアクセスしたときにはあまりの体感リアルさとラグの無さに斎藤もびっくりしたものだ。

 格闘メガバースの上位ランカー共は総じて動きが早く正確だ、この商業向けユニットを使ってアクセスしていたに違いない。

 何のことはない、使用するハードの性能で斎藤が負けていた場面も多々あったのだ。


 VRセンターと商業用ユニットの存在は知識としては知っていたが家庭用と商業用の筐体でここまで体感性能に差があるとは思わなかった。


 そして、このVRセンターにあったのだ。


 斎藤のいるこの世界に隣り合わせに存在しているというニアーワールド、ニッポン。ナーロッポンへの扉を開く。異世界潜行ユニットが。

予想以上に深く長いお話になってしまいました。

8000PVまでに続きかけるかな…。

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