84話 はじめての合体
二体のパワードアーマーの連携は大したものだ、装甲の厚くデカい方が盾兼囮になり、脆いが素早く小回りが利く方が攪乱しまたは削りに来る。
アバターがこのスーパーオーガボディじゃなかったら確実に仕留められていただろう。シンクロ率も90%を超えた、絶好調だ!
互角の攻防が続き膠着状態…に見えるがデカい方の動きが明らかに悪くなってきている。
やはりさっきのかかと落としダブルが効いていたか?
もう暫くの持久戦でデカブツは確実にヤレる、その後すばしこいヤツが逃げるか、玉砕するか。
そうしたら…このボディの回復を待ち、今いるモンスター軍団を町へ動かし、…モンスターの王国でも作るか?
勝ち筋が見え始めたと思ったその時。
縺ゅ§縺?>縺」縺、!
(あじいいっつ!)
左腕に激熱が走った。
これは…アノときの…。つい最近ダークオークのアバターで全身を焼き尽くされたアノときと同じ…。
二体のパワードアーマーとの攻防を続けながら痛みの来た方角へ瞬間視線を向ける。
そこに見えたのは…
(魔法小僧!弓女!)
スーツやヘルメットはできそこないの特撮ヒーロー…色遣いから言えば悪役側だが、それは視認阻害のためだろう。
二人はこちらを見ながら立っている、片腕を突き出した弓女を小僧が後ろからピタリと体を合わせ抱きしめている。
乳繰り合ってんじゃねぇぇぇぇ!ガキ共。
◆◇
美都莉愛が引く“女神の弩”。背中に張り付いたボクは両掌を彼女の両手の甲に重ね合わせ軽く握りしめる。
【光矢】属性可変域 光→炎 ⇒New!【炎矢】具現化!装填。
美都莉愛は何やらブツブツ呟いている。
「アタ、アタシ、【炎矢】撃っちゃってりゅうぅ…」
数百年もの間使い手の現れていなかった(技能珠が発掘できなかったともいう?)矢系最強と歌われた失われたはずの魔法が今ここに!復活の日。
「「いっけぇぇえええええ!」」
ぎゅん!と唸りを立てて放たれる【炎矢】。着矢点では【王牙】に躱されそうになるけど。
「ふんっ!」少しくらいなら美都莉愛が軌道を捻じ曲げる!
命中!
縺ァ繧√∞縺医∞繧峨=縺√=縺√=!莉雁コヲ縺薙◎縺カ縺」縺薙m縺峨♂縺」
(でめぇえぇらぁぁぁぁぁ!今度こそぶっころぉぉっ)
あ、何か吠えてる。
今ここに!美都莉愛とボク、初めての合体魔法、爆誕!
「有手倉卿、正武先生、援護します!」
今、イナヅマの力を借りて御二人の魔導騎間通信に割り込む。
「あなや!」
「後で鎧の入手方法も聞きたいものだ」
よしよし、勝ち筋が見えて来た感。
「スマンがワシは長くは持たん、奥の手を使う。皆、頼むぞ」
袰瓦様…。
「承知!」正武先生が裸単騎で突出する。
即席連携だけど合わせて行くしかない。
正武先生が牽制に行った【闇王牙】の逃げ道を削る。奴から見て次善三善の転進先に事前に【炎矢】を置きに行く。
袰瓦様が自由に動けるように。
【闇王牙】の後ろに周り込んだ袰瓦様は二本の巨爪と四脚を器用に交差させながら間を詰めていった。
縺ゅ⊇縺!縺輔▲縺阪?辟シ縺咲峩縺励h
(あほか!さっきの焼き直しよ)
一瞬の隙に再び 五六八〇様の内懐に滑り込み近距離での打撃体勢に入る。
謌第オ-蛹苓セー髢?邨カ諡迢ら劫蟄千。ャ遐エ螻ア
(我流北辰門絶招、狂獅子硬破山)
踏み込みの震脚に足元の地面が沈む。
大地を支えに足から脚、腰、背筋、上腕筋と螺旋に巻き上がる気功の終着点は肘。
超至近距離から全身の破壊力を一点に集中させる。
(ぐはぁあっ!)
五六八〇様の脇腹から飛び出した二本の小爪が死角から【闇王牙】の背中を抱きしめるように挟み込む。
力の最大点に達する前に引き付けられ距離をゼロにされてしまっては流石の絶招も威力は半分以下。
身体を固定され逃げられなくなった【闇王牙】に
「五六八〇!慈英有突き!」
自分の腹部への破壊を厭わず横殴りに入る
唸るぅ!唸る!右腕が唸ぁるぅ!
横殴りに伸びた右腕の突きは自らの”隠し”小爪を破壊しながらも左側へと真っ直ぐと撃ち抜かれた。
縺後=縺ゅ≠縺」縺、
(がぁああっつ!)
流石の【闇王牙】も身体を固定されての超至近距離横突き、五六八〇様の場合構造上直線突きと同等の破壊力を持つソレを食らわせられればただではいられない。顔面と急所を守りに行った両の腕は折れ曲がっていた。
「まだまだぁああっつ!もう一本!」
当たるぅ!当たる!左腕がああ当・た・るぅ!
折れ飛んだ小爪と一緒に浮き上がった【闇王牙】の身体は。
交差する左の直線横突きに術もなく蹂躪された。
先の往路で折れた両腕は使えず、まさに防御なしでの復路。
往復一対、五六八〇の最終技!慈英有突き右腕と左腕。恐るべし。
風に舞い散る木の葉のように二度三度跳ねた【闇王牙】の身体は未だ立ち上る炎の柱の中へ突っ込み。轟々と燃え盛る火炎の中に倒れ伏した。
「……」
炎の中の【闇王牙】に三発【炎矢】を叩き込んだ。ピクリとも動かない。
ボクの膝は今頃ガクガクと震えだし、腰が砕けたように膝を着いた美都莉愛と抱き合い、支えあった。
「祝着至極にございます、有手倉卿」
息も絶え絶えに、正武先生の声が響く。
「…有手倉卿?」
返事がない、
「袰瓦様っ!」「伯父様!」
僕と美都莉愛は無理矢理に立ち上がり、五六八〇様に駆け寄った。
「御爺!御爺!」
五六八〇様の幼女な声が袰瓦様を呼ぶ。
「五六八〇様っ天蓋を」
ボクらの呼びかけに開いた天蓋。五六八〇様の御本体に飛び付き這い登る。
口の端から血を流し蒼い顔で操作席に横たわる袰瓦様。
「伯父様ぁあ!」
半身を五六八〇様の操作席にずりこませた美都莉愛が袰瓦様に縋り付いた。
「…」
薄っすらと目を開ける袰瓦様
「…美都莉愛…久しぶりよのう…」
「…伯父様?」
一時的な記憶の混乱か?
「奴等は…魔物共はどうなったか」
目線は美都莉愛ではなく中空を見つめていた。
「伯父様…目が…」美都莉愛の瞳からハラハラと涙が溢れ落ちる。
「五六八〇様の一撃で殲滅してございます、袰瓦様」
ボクの回答も鼻声で締まらない。
「…婿殿か?…婿殿、美都莉愛を頼みますぞ…」
「…命に代えて…」そう応えるのが精一杯だった。
「御爺、古傷開いてる、内臓も出血してる早く施療院いこ」幼女が祖父を労る様に囁いた。
「左様か、ナァに、歳よ、許せ」力無く微笑む口元に今直ぐの別れは回避出来そうか。
「…皆、下がられよ」
重々しく響く正武先生の声が響いた。
ガサリ
勢いの収まり始めた炎の中【王牙】は立ち上がっていた。
島本先生版でお願いします(何が?!)
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うおおおおおおおおおおおおおお!ギリ間に合ったぁあああああ!
今回の公開はここで一区切りです。
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来週は週末までに書き溜めた話数分だけ更新します
頑張りますので今後もよろしくお願いします




