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【エタってないんだからね!筆力向上修行中】屑星だって生きている~誰か教えて!ユニークスキル【editor】の使い方~  作者: Darjack


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79話 長い夜

 

「……」


 突然の告白に驚いたのか返事は無い。こんなとき面頬(ふぇいすがぁど)は互いに表情が見えなくてなんとももどかしい。


「お兄様の【火球(ふぁいぁぼぅる)】とお母さまの【治癒(ひぃる)】をあなたも使えるのは判ったわ、複雑な心境だけどいまは心強い。


 麗芙鄭(れふてぃ)に相談すれば決して悪いことにはならないと思う。今はあのデタラメな魔物を何とかしましょう、期待しているわ!」


 ボクの手を両手で握りしめ指先に軽く口を付ける、面頬(ふぇいすがぁど)の上からだけど。


 ええと、指先へのキスは、「敬愛と称賛」の意(!)だったはず。


 うおおおぉぉお!やる気百倍、諏訪久(すぽぅく)マン!


莉夢(りむ)!アレを!」アレでわかってしまう所が悲しい。


 莉夢(りむ)は胸元を開き、玻璃珠(ぺんだんと)――――“魔力の守り(まなちゃぁじゃぁ)”を胸間から引っ張り出し美都莉愛(びっとりあ)に手渡した。


 アレは、できれば使わせたくはない。


 背負った矢筒から矢を抜き取り再び弓手と引手の()()()()()美都莉愛(びっとりあ)


 え!実物の矢も撃てるの?“女神の弩(ごってすごぉがん)


 イナヅマか羽生さんが居れば解説してくれたとは思うけど今はそういうものだと思っておこう。


 繝√ャ

「チッ」


 こちらの隙を伺っていた人狼は美都莉愛(びっとりあ)莉夢(りむ)が臨戦態勢であることを確認し舌打ちをした。


 莉夢(りむ)はボクの首に腕を巻き付け、寄り添い、こつりとヘッドギアをぶつけ


「ありがとう諏訪久(すぽぅく)、これで思い切り()()る」


 仮面の下はニヤリと笑っているのだろう。


「死んだり、モゲたりしら多分無理だから、あまりあてにし過ぎないで」

 ホントどこまで有効かわからないんだから無茶しないでよ莉夢(りむ)


莉夢(りむ)、前衛で防御(たんく)、アタシが中衛でケズる(あたっかぁ)諏訪久(すぽぅく)後ろで援護(ばっふぁ)回復役(ひぃらぁ)で行くわ、隙を見て()()()()のをもう一発かます、それで無理だったら逃げましょう!」


 賽は投げられた。


 ボク達の火力を理解したのか、護衛の忍者さん達は少し離れた周囲から牽制に徹してくれている。


 莉夢(りむ)から本気の気合いが感じ取れた。背後(うしろ)は任せたと語る背中。


 お嬢様を守るための動きはもうない、お嬢様も莉夢(りむ)の背を守りながら合わせて攻める。


 更に大外からボクが二人の背中を守る。いざとなったら割り込んで盾にでもなんでもなってやる。


 覚悟完了!ボク達の戦いはまだ始まったばかりだっ!


 ◇


 数合の攻防が何刻程にも感じられる。


 互いに相手の守りを切り崩せない。


 【人狼(うぇあうるふ)】の攻めも煮え切らないモノを感じる、時間でも稼いでいるのだろうか?


 にらみ合いの時間が続く、こちらは息がつけて助かるけど、向こうは何を考えているんだ。



 窶ヲ諤昴▲縺溘h繧顔。ャ縺上※繧√s縺ゥ縺上○縺?↑窶ヲ―――――。


(…思ったより硬くてめんどくせぇな…売りモンにするならなるべく無傷でと思ったが、どっちかは魔物のふ卵器専用にしちまっても構わねぇかな?

 そろそろ兄貴が出勤してくる頃だし、な…)



 【人狼(うぇあうるふ)】がべろりと長い舌で口周りをなめる。ゾクリ。背中に悪寒が走る。


 何故だか【人狼こいつ】は今ここで倒しておかなきゃいけない気がする。絶対に、だ。


 ボクの手持ちでこの状況を変えるにはどうしたらいい?


(あれすと)】は魔力枯渇が怖い。一発で倒し切れなければ即詰みだ。


 少なくとも今の手持ち魔法をそのまま使ったんじゃ無理だ。


 組み合わせるか、強化、変化できるか?


 美都莉愛(びっとりあ)が矢を放つ。胴体に当たってもあまり意味は無いと判ったので足元に向けあわよくば足止めを狙っていく。


光矢(らいとあろぅ)】はタメが長い、近距離乱戦状態では躱される。”飛ぶ光の矢”をボクが撃てれば……でも、なんで”飛ぶ光の矢”は覚えていないんだろう?美都莉愛(びっとりあ)の窓が開くのは見ているのに。


 でもあれは、あの時の窓は普通の【光矢(らいとあろぅ)】とどこが違ったんだろう?


 起動窓(ぷろんぷた)(ぺぇじ)を捲り【光矢(らいとあろぅ)】の紋様を起動準備(せっと)してみる。これを起動(えんたぁ)しても手元に【光矢(らいとあろぅ)】が出現するだけで人狼に射ることが出来ない。お嬢様に渡せば射れるのか?第一、魔法で具現化したものを他人に手渡せるものなのか?


 案ずるより産むが易し!やってみよう!無事に帰れたら色々試してみる事にする、宿題だ。


 起動準備(せっと)光矢(らいとあろぅ)】!起動(えんたぁ)


 ポロリと現れたのは漆黒の闇の矢の方だった。


 あんれぇ?


 (ぺぇじ)を間違えた?一(ぺぇじ)前を開く、同じ矢を出す紋様だけあってよく似ている。…?

 違う、【光矢(らいとあろぅ)】と【闇矢(だぁくねすあろぅ)】は同じ(ぺぇじ)で、紋様の一部が変化しているだけだ。


 …思い出せ、イナヅマが口走っていたことを。


 “ぱらめた”ってなんだったっけ?“座標“を変えるとか言ってなかったっけ。


 …【editor(えでぃたぁ)】よ、ボクの技能(すきる)よ、教えてくれ、“ぱらめた”ってなんだ!


 紋様の一部の色が反転点滅を始めた。


 …光と闇の紋様の相違箇所だ、他にも反転している所もあるけれど。


 光と闇の反転個所に意識をむける。


(パラメーターを変更しますか?)


 !頭の中で女の人がささやいた!なんだこれは!でも、どこかで聞いたことが…ある、声?


『変更します』イナヅマとの心の会話と同じように伝えてみる。


 新たに選択窓(ぷるだうんりすと)が開いた。


 あ、あああああ?


 どの紋様も見たことがある、魔法の紋様の一部として。


 そのうちの一つを見たボクは。



 ◇


美都莉愛(びっとりあ)莉夢(りむ)!これから一つ仕掛けてみる!少し奴から離れて!もしかしたら行けるかもしれない!」


「「りっ!」」(了解)


 魔法(こまんど)起動窓(ぷろんぷた)(おぉぷん)

 起動準備(せっと)(すとぅむ)】!変更(ちぇんじ)可変域(ぱらめぇた)



 起動すいっちおん(わん)(つう)(すりぃ)



 ◇◆



 繧上*縺ィ髫吶r隕九○縺ヲ蠕後m縺ョ蠑灘・ウ縺ォ莠檎匱逶ョ繧呈茶縺溘○繧九°―――――。

(わざと隙を見せて後ろの弓女に二発目を撃たせるか?あの光る矢はタメは長いし事後の隙もでかい、撃った直後に人質に取れば他の奴らは手を出せなくなるはずだ。

 これだけの人数で大切に守ってるんだ、そういうお嬢ちゃんなんだろ?弓女はさぁ。魔核(コア)はもう一つっきゃないがこのままじゃ埒が開かねぇ、勝負どきか)


 杖女の自在に変化する突きを何度目か捌きながら【人狼(うぇあうるふ)】は仕掛けの間を探っていた。


 ん?


 何やら女二人の後ろに隠れた魔法小僧がこそこそやっている。さっきのドスを持った特攻は驚いたがそれ以降何も有効な手は打ててはいない。手品のタネ切れで引っ込んだんじゃないのか?


(兄貴は面白がっていたが、ありゃあ一か八かのびっくり箱だぁ、アニィは出会いがしらの一発ラッキーパンチ食っちまっただけじゃねぇのか?)



 と考えた途端。



 突然に周囲が明るく輝き始めた。


 縺薙▲?

(こっ!)



 【人狼(うぇあうるふ)】の周りを囲み天にに立ち昇る三本の炎柱。


 灼熱の炎風が渦を巻き枯れ葉や朽ち木の枝を巻き上げ加給された燃料によりまたその火力を上げる。


 縺ェ繧薙§繧?%繧翫c縺√=縺√=?

(なんじゃこりゃぁぁぁぁ!)



 ◆◇



 な!なんなんだこりゃぁぁぁぁ!


 ()()可変域(ぱらめた)変更 風→火  【(すとぅむ)】 → New!【炎嵐(ふぁいやぁとるねぇど)】×三本⇒New!【竜巻炎たつまきふぁいやぁぁぁ】!だれっだっ!だれっだっ!だれっだあぁぁ!


 発動したはいいけれど、何というか…言う事を聞かない!


 洞窟内で大活躍した【(すとぅむ)】の可変域(ぱらめた)を風から火に変えたら強いんじゃないか?程度の発想で人狼の周りに三本の New!【炎嵐(ふぁいやぁとるねぇど)】×三本⇒New!【竜巻炎たつまきふぁいやぁぁぁ】を起動したけれど、勝手に周囲に散乱する枯葉や朽木の枝を巻き上げて追加燃料マシマシに、円筒状に形成した炎が回転しながら周囲の空気や魔素を勝手に取り込み始めて…次第に熱く、太く、高く、激しくぅ。


 はい、ボクの制御を離れました!手が付けられませんゴメンナサイ!もうしません!


 最初感嘆の視線で【竜巻炎たつまきふぁいやぁぁぁ】を見上げていた美都莉愛(びっとりあ)お嬢様、莉夢(りむ)始め忍者の皆様も


「みぃんなぁああ!にーげーてー!」と外部音声使って叫んだら顔が蒼くなった。


 唯一の救いと言えるのか【炎嵐(ふぁいやぁとるねぇど)】起動時に指定した目標座標、【人狼(うぇあうるふ)】。の命令が生きているのか無条件には散らばらず…炎柱が【人狼(うぇあうるふ)】を中心に集結し紅蓮の渦を巻き【竜巻炎たつまきふぁいやぁぁぁ】の様相を呈し始めた。



 巻き上げる炎の轟音に混ざって【人狼(うぇあうるふ)】の遠吠え?悲鳴?が聞こえている、効いてるには効いてるよねコレ。


 天高く狛燃ゆる。


 これがホントの炎の狛(ほのおのこま)だな。羽生さんの声が空耳した気がした。ゴワーッ。


 ◇◆


 縺ゅ?縺ゅ?縺ゅ?縺ゅ?縺ゅ?縺ゅ?縺ゅ?縺ゅ?縺ゅ?縺ゅ?縺ゅ?縺ゅ?縺ゅ?縺ゅ?縺ゅ?縺ゅ?縺ゅ?縺ゅ?縺ゅ?縺ゅ?

(あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!)


 鬧?岼縺?縲√い繝舌ち繝シ縺ョ逕溷多蜊ア讖溷渚蠢懊?譁ケ縺悟シキ縺吶℃縺ヲ縺薙▲縺。縺ョ蛻カ蠕。縺悟柑縺九?縺?シ

(駄目だ、アバターの生命危機反応の方が強すぎてこっちの制御がハジかれる!)


 焼けただれる全身の毛が、皮膚が、焼け落ちると同時に再生し瞬時にまた焼ける!直接操作の感度を上げるため神経同調率を最大限に上げていた三木は自分の全身の毛と皮膚と肉とが焼けただれる感覚を味わい続ける羽目になった。魔物体(もんすたぁあばたぁ)が燃え尽きるまで。


 満月下の【人狼(うぇあうるふ)】の無限の再生力の元、月が地平線の向うに消え太陽が昇るまで。その時間は永遠とも言える。


 まさに、無限火炎地獄。



 ◆◇



 炎の柱の中で燃えながら悶え苦しむ【人狼(うぇあうるふ)】の成れの果てを見ながら、美都莉愛(びっとりあ)お嬢様はその場でへたり込み。莉夢(りむ)もボクも忍者の方々も呆然と炎の柱を眺めるしかなかった。






 縺翫♀?∽ク画惠繧茨シ∵ュサ繧薙〒縺励∪縺?→縺ッ諠?¢縺ェ縺?シ√≠縺」縺ッ縺」縺ッ縺」縺ッ


(おお!三木よ!死んでしまうとは情けない!あっはっはっは)



 突然に上空から轟く魔物の叫び声と嘲笑。


 見上げれば。立ち昇る黒煙と火の粉をかわしながら炎の明りにその姿を照らし出されたのは。


 巨大な鳥の足に縋り付き舞い降りる。


 【王牙(おぅが)


 その、肌の色は闇の色、【闇王牙(だぁくおぅが)】。


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