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【エタってないんだからね!筆力向上修行中】屑星だって生きている~誰か教えて!ユニークスキル【editor】の使い方~  作者: Darjack


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20万文字突破記念閑話 むかぁしむかし とおぉいとおいどこまでもとおいどこかで

20万文字突破しました、嬉しい。

「レリース、こんなところに居たのか」


「やあ、クイック、探させてしまったか、悪かったな」


 細巻の煙草を燻らせながら研究棟の屋上で手すりにもたれ掛かり夕陽を見つめていたレリースの、僅かにクイックへ向けられた視線、目元に刻まれた隈が痛々しい。


「あまり夕暮れの風に当たると身体に良くない、それに…」

 レリースの手元の紙巻きに視線を向けるクイック。


「ああ、すまん」

 煙草の火を屋上の手すりでもみ消す。


「敷地内は禁煙だったな、もう止めた筈だったんだが、ついな」


「いや、心配なのは君の身体の方だよ、最近研究に没頭しすぎじゃないのか?ロクに食事もとらないし寝てもいないんだろう?」


「あー


 死なない程度には食べてるし、気がついたら起きるんだから多分寝てはいる」


「それは気を失っているというんだ、それに固形食料と整調剤を栄養ドリンクで流し込むのを食事とは言わない。


 キミが身体を壊したら元も子もないだろう?助けられるものも助けられない」


 消した煙草のフィルターをもて遊びながらレリースは言う。

「…でも、あいつが、今にもあの世界で死にかけているかもしれないと思うと、なにかしておられずにはいられないんだ…。


 まぁ、結局煮詰まって今は何にもしていないんだけどな」


 フィルターをヨレた研究着のポケットにしまう。


「なら、その時間で食事と睡眠を摂ってくれ、結果的にはそれがソヨギの救出に繋がる」


「ああ、そうだな」


 そう言いながら、沈み行く夕日をみつめたままのレリース。


 化粧気の無い、ボロボロの肌、ボサボサの髪。


 そんなレリースの横顔を。

 クイックは美しいと思う。


「なあ、クイック…」


 力なくクイックを見、引きつった笑いを浮かべるレリース。自嘲がこもった声で訴える。


「この間の、求婚。まだ有効だろうか?」


 !


 暫くクイックは逡巡を見せ


「どういった風の吹き回しだい?もちろん僕には否やはないさ」驚きを隠しながら、早まる鼓動を隠しながら嘘噴く。


「私は(みにく)人間(おんな)だぞ、分かっているのか?」


 手摺に口元をうずめながら、目線だけでクイックを見遣る。


「何の話だ?」


 疑問を投げるクイックにレリースは呟くように語る。


「…間に合わない、間に合わないんだ、私の生きているうちに隣の世界へ捜索隊を送り出せるほどにはこの世界の科学は発展しない、私の理論を実現するのにハブソヨギ無しではあと五十年はかかるだろう。


 …先に不老不死の研究でもしたほうが早い位だ


 時間がないんだ。


 でも諦められない、諦める訳には行かない…でも」


 手摺から顔を上げ、振り向き相対するレリースの眼中にクイックは狂喜の影を見た。


「クイック、こどもを作ろう、キミが父親なら他の有象無象よりもいくらか()()だろう、何人か作って、その中で一番()()なのに研究を引き継がせる。


 残りのアホウは任せるよ、経営でもなんでも仕込んでキミの一族の事業を継がせるがいい今より少しはマシな世界が実現できるだろう。


 私の研究成果は全てキミの会社にくれてやる、その代わりに資金を寄越せ、最先端技術を買い集め、広く公開しろ、イノベーションを起こせ、この下らん世界を少しでも底上げするために、協力してくれ…あいつを取り戻すために」


 言い切ってからホロホロと両目から零れ落ちる雫。


「ほら、判ったか?最愛の男の為に自分を好いてくれる男を利用する、そんな醜い人間(おんな)だ、軽蔑してくれて構わない、どの道叶わぬ夢と知りながら口走っただけだ、すまない、明日起きたらここを出て往く、研究中途の私の成果は自由にしてもらって構わない、もう私の手では花開かぬ研究ではあるがな」


 再び後ろを振り向き咥えた細巻にライターで火を着けようとするレリース。


 震える手と夕暮れの風に果たせず、何度も何度も繰り返す。


 クイックはその大きな手でライターごとにレリースの小さな手を包み込んだ。


「…レリース、このあいだのプロポーズの時に僕が思っていたことを打ち明けよう。


 僕は最低の人間(おとこ)


 行方不明な親友の恋人の傷心に付け込んで想いを告げる様な卑劣漢だって」


 呆けた顔でクイックを見上げるレリースは


「ならば、醜悪女と卑劣漢なるニンゲンのクズ同士、好き合う真似事でもやって、みる…かね?幸せ(ハッピー)ではないよ?気休めだから」ね。


 傷を舐め合うかのようにおちゆく夕日に照らされてシルエット。


 ポロリと落ちる紙巻き。


「…なぜ手で口をふさぐ?」


 レリースの手の甲に口づけたクイックは問う。


「あー…今日は起きてから歯を磨いてない」


 腕を掴み構わず力づくで口づけた。




「…契約成立だな」


 少し上気した顔でレリースは言った。


「なれば早速ウィール重工(きみのおや)の力で()の研究データベースを押さえてくれ、これ以上莫迦共に弄り回されて破壊されては叶わん」


「パスワードはまだ解析中なんだろう?」


「なぁに、心配するな概要は()物語で聞いている、どうせ数回捻れば解析できる。()()()な」


 一人盛り上がっている未来の妻を尻目にクイックは思うのだった。


(…そういうとこやぞ)


これからもよろしくお願いします。

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