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【エタってないんだからね!筆力向上修行中】屑星だって生きている~誰か教えて!ユニークスキル【editor】の使い方~  作者: Darjack


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55話 聖少女

 【魔狼(うるふぇん)】を刺激しない様にゆっくり慎重に歩を進め赤ン坊を受け取れる位置迄近づく。


 チロリと仁芙瑠(にっぷる)の後ろの【魔狼(うるふぇん)】に目をやれば、その前脚元にまだ二つものおくるみがある。

 

 ってかこの【魔狼(うるふぇん)】ボクの顔を見てニヤリと笑いやがった?気のせいか?


 一か八か【衝撃(いんぱくと)最大(めいっぱい)で顎をかちあげ巴で投げて…。


諏訪久(すぽぅく)、さん…」


 強めの口調で思考を断ち切られた、そうか、ごめん、余分な真似は不要だったか…。


 おくるみを受けとりながら。


「…助けていただいて、ありがとうございました。最後に、お礼が言えてよかった」


 涙目でにっこり笑いかけて来る仁芙瑠(にっぷる)


 いやいやいやいやまてまてまてまて、会ったの今日で二回目だろ?しかも前回は寝ぼけて醜態しか晒してない。何がどうなって…。ボクがいつ小莉夢(りむ)を助けた!?


 ?印いっぱいのまま莉夢(りむ)達の元に戻り赤ン坊を手渡す。


 ???莉夢(りむ)の血の気の引いた表情が初めて見る複雑さを湛えている。


 憔悴・困惑・焦燥・願い・逡巡・後悔?様々に入り混じった感情。


「…すまん、諏訪久(すぽぅく)


 おくるみを受け取るとき莉夢(りむ)は苦し気にそう呟いた。…なにか謝られるようなことされた?


 そのころになると、お嬢様の後ろに領軍さんたちが集まり始め。事の成り行きを見守り始めた。お嬢様は小声で隊長さんと思しき領兵さんに指示を出している。


 続いて奥様が現れた。


 奥様は施療院、学校含めこの神殿の最高責任者、木ノ楊出流(きのゃんでぃる)領の聖女様なのに!なんでこんな危険な所に!…責任者だからか…。


 飛び出そうとした奥様を莉夢(りむ)が押しとどめる。

 うん、これ以上奥様を危険な位置に来させるわけにはいかない。


「やめなさい仁芙瑠(にっぷる)、私が代ります」


 静かだけど、どこか切羽詰まった声色の奥様。


「ダメです、奥様は聖女様なんです、木ノ楊出流(きのゃんでぃる)皆の希望です。こんな些事でお怪我を召されてはなりません」


 優しくもどこか毅然とした声で言い切る仁芙瑠(にっぷる)。それでも目線は【魔狼(うるふぇん)】から外さない。


「駄目よ…そういうのは大人の役目なのよ、あなたはダメ、こちらに来なさい。私と代りなさい!」


 更に前に出ようとする奥様を横に伸ばした手で遮る。いいぞ莉夢(りむ)。この領の(あるじ)達はどうしてこうも領民の為に命を投げ出したがるのか、こんなとき先に逝くのがボクタチの役目なんですよ!奥様!


「ありがとうございます、奥様。でもこれは、私のお役目なのです」


 二つ目の命を繋ぎながら、仁芙瑠(にっぷる)は微笑みを浮かべて見せた。


 壁際で赤子を抱きかかえ、うずくまっている母親たちから涙声が溢れた。


「聖女様…」「少さい聖女様…」仁芙瑠(にっぷる)に向け涙ながらに手を合わせ拝む母親たち。


 奥様が“()聖女様”だとすれば仁芙瑠(にっぷる)は“少聖女様”か…。


 つられてか奥様も震える手を組み締め祈る。目だけは仁芙瑠(にっぷる)のその姿を一瞬たりとも見逃さぬよう大きく見開いたまま。


 奥様にほぼ並んでお嬢様。その後ろに集まり始めた領軍の皆様からも。


「少さい聖女様だ」「少聖女様が…」という声がちらほらと。


 最後の赤ン坊をボクが受け取ろうかという時に、【魔狼(うるふぇん)】はその前脚を“ぽん”と仁芙瑠(にっぷる)の肩に乗せた。


 “お前は逃がさない”とでも言いたいのか?狼の長い舌が”べろぉり”と仁芙瑠(にっぷる)の首筋から頬、耳元を舐め回す。


 周りの母親達のすすり泣く声が耳奥にチリチリと刺さる。


 仁芙瑠(にっぷる)は最後の命をボクに託すその場で


諏訪久(すぽぅく)さん…さらばです」


 にこり笑って言ってのけた。



 ちょっまてよッ!まだお礼言われたのと莉夢(りむ)の謝罪が意味不明なんだよっ。


 ボクはどんな表情をしていたんだろう。仁芙瑠(にっぷる)の今生の別れに見合う顔をしていたんだろうか。



 ――――すぅ



 呼吸。


 お嬢様の。


 息の音が伝える。


 確信。


 何か、やらかしますね?




「カッさらえ!!!」


 赤ン坊を抱いた仁芙瑠(にっぷる)に飛び付いて体を捻り横っ跳ぶ。…脚の筋力が足りない!くそったれぇボクの脚力!ばれんなよ魔法(いんちき)!ふるえろ心臓! 燃えつきろ恐れる心!! おおおおっ 刻め魔力の流れにっ!


 脚から軽【衝撃(いんぱくと)】並列同時起動【障壁(しぃるど)】 赤ン坊と少聖女(にっぷる)を守れ!多くても安心、薄型十重二十重(とえはたえ)衝撃(ぜんぶ)吸収!


 赤ン坊一番、仁芙瑠(にっぷる)二番、おいらの命は三の次。お嬢様信じてます、あとはお願いします。


 掛け声と共に開く窓!膨れ上がる魔力!…この紋様!!【光矢(らいとあろぅ)】じゃないのか?弓なしで?!


いぃっちまいなぁ(ごぅ・とぅぅ)!」


 揃えた二本の指を眼前に突き出すお嬢様。


 ボクは見た。


 莉夢(りむ)外套(まんと)の裾の下から床面を走る一筋の光。


 突き出した二本の指を天に向かって振り上げる。


天国へ(へう゛ぅぅんっ)!」


 な、なに言ってんのお嬢様!


 合わせて、【魔狼(うるふぇん)】の寝台の下から真上に撃ち上がる光の奔流。


 まるで輝光天使の昇天が如く。


 寝台と【魔狼(うるふぇん)】の胸板を合わせて貫き天井へ突き抜けたる光の柱。


 J.

 E.

 T.

 !


 轟音が空目空耳していった。



 繧上?縺」縺ッ縺」縺ッ!蜈?イエ縺ォ謨吶∴縺溘i蝟懊?縺懊∞!繧ャ繧ュ蜈ア!鬥匁エ励▲縺ヲ蠕?▲縺ヲ繧阪♂

(わーっはっは!最高だ!兄貴が喜ぶぜぇ!ガキ共!首洗って待ってろよぉ)

今回の公開はここまでです。



更新情報は「活動報告」とツイッターで流します。



https://twitter.com/DarJack51



書き溜め頑張りますので今後もよろしくお願いします。

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