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【エタってないんだからね!筆力向上修行中】屑星だって生きている~誰か教えて!ユニークスキル【editor】の使い方~  作者: Darjack


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51話 ド外道

 魔物集団は上慎(かむしん)達、男の冒険者には興味を失ったかのように四人の女性冒険者の方へ向かい手足を縛り猿轡を噛まし始めた。


「まてっ!止めろッ!上慎(かむしん)助けてくれ!私はどうなっても良いから!この娘らだけは助けてやってくれ!」

 不羅毘(ふらっぺ)の悲痛な叫びも届かず。縛られ猿轡を嚙まされた女性冒険者四人は、【王牙(おぅが)】、【大躯(おぉく)】に担がれながら森の奥へと消えていった。


小鬼(ごぶりん)】、【大躯(おぉく)】の集団が女性を連れ去る。それは一つの結果しか示してはいなかった。


 ぎリ…。


 明後日の方を見つめていたお嬢様の奥歯が音を立てた。



 後に残されたのは上慎(かむしん)とポチャ、その他男の冒険者ばかり。


 四個の魔石を掌に載せた上慎(かむしん)はじっと魔石を見つめながらその場に佇み暫く考えていたという。


「女が四人、魔石が四個…」やがて、上慎(かむしん)の中で何かが符合したのか。


 上慎(かむしん)の両の口角が吊り上がった。その中身はもはや人間ではなかった。




「その四個の魔石で三級(あか)に昇格したんだな?」


 言わずもがなの内容ではあるが正直黙って聞いているのが辛い。


 多分、孔雀草(まりぃごおるど)達も不羅毘(ふらっぺ)達と同じ境遇になっているであろうことは想像に難くない。


「ぼっちゃ…上慎(かむしん)は人間を止めたんだ」


 おっと、ポチャ離反。よっぽどのことがあったのか?


「…上慎(かむしん)は…魔石と交換するために女が必要だから…僕の姉と妹を差し出せと…」


 ガクガクと震え、ようやっとに喉から血を絞り吐くように呟いた。

 声を絞り出したポチャの両目からブワリと涙があふれ出した。


 お嬢様の固く握りしめられた拳もブルブルと震えている。


 あのヤロゥ…人間じゃねェ…


 自分を信頼し補佐をし続けてきた片腕に、お前の肉親を捧げよと…悪魔との契約でもそんな非道い話は聞いたことねぇゾ…。


「それが嫌なら…代わりの生贄を連れて来いと…」震える鼻声で伝えるポチャ。


 ポチャと残された三人の冒険者は上慎(かむしん)の意向通り進めるしかなかった。不羅毘(ふらっぺ)達を魔物に売り払ったことに関しては同罪だと上慎(かむしん)から脅迫されたからだ、金も何時もの数倍は手渡された。


 一計を案じたポチャと三人は”奈原(なはら)街の女”に目を付けた、夜の街で男から男へ渡り歩く女であれば周囲との繋がりも薄く行方が分からなくなってもそんなに騒がれないと思ったからだ。


 実際は全くの逆で様々な形で薄幸な彼女たちではあったが家族や同境の仲間達とは深く強い絆で結ばれており、それが今回の上慎(かむしん)拘束の決め手となったことは記憶に新しい。


 ”奈原(なはら)街の女”を尊多(ぞんだ)商会副会頭の息子が勧誘(ひきぬき)し県中央の大店で売り出す(ぷろでゅぅす)、あまり良い事の少ない彼女たちにとっては輝ける星の如く舞い降りた稀なる幸運に見えたに違いない…多少キナ臭くても…。


 その日、県中央へ、自分たちの未来を夢見て出発した彼女たちは街道”七曲り”で休憩中”百鬼夜行”に囲まれた。


 僅か三個の魔石と交換された彼女らの命運。


 最後に残されたたった一つだけの幸運は出がけに自分たちの妹分から”手紙をください”と託された便箋のうち只一枚が不羅毘(ふらっぺ)達の捜索隊に拾われたこと。


 その薄い紙一枚がすべてを知らしめるべく唯一の標となった。


「女たちを引き渡した後、長渡(ながと)で祝杯を…あげた、僕は正直、胸糞が悪くて…何も喉を通らなかった、上慎(かむしん)だけは、今回の魔石は前より大きいと上機嫌だったけどな…酒が飲める奴は飲まずには居られなかったらしい」


 ポチャはチラと後ろに視線を向ける。背後に並ぶ二人の”永遠の尊多(えたぁなるぞんだ)”元構成員(めんばぁ)はぶるぶると震え、青白い顔に脂汗をぽたぽたと垂らしながら頷いた。


 一刻程酒場で過ごした永遠の尊多(えたぁなるぞんだ)は帰りの道中、先刻女たちを引き渡した”七曲り”で周囲を捜索している耀導徒(てるみっと)第二(つぅ)主催の臨時冒険者集団(ぱぁてぃ)に出くわして肝をつぶした。


 …うん、出発が一刻(約二時間)程も早かったら、全滅してたかもしれないねぇ。臨時冒険者集団(ぼくたち)


 樽素虎(だるすとら)の追求を舌先三寸で論破した上慎(かむしん)だったけれどお嬢様の全てを見透かす様な瞳に恐れを抱いていたらしい。


 一度は追求を逃れ得たものの、御代(みだい)町にいれば近々で冒険者組合(ぎるど)の調査がかかる事は簡単に想像できた、そこで上慎(かむしん)は証拠となる魔石を…


「ぐぅうuuu…」


 かなり具合が悪そうだったポチャの後ろに立っていた永遠の尊多(えたぁなるぞんだ)”元構成員(めんばぁ)のうち一人が白目を剥きその場で膝を付いた。


「おうぃ!我慢できない程なら…」言え…と言おうと思ったが言えなかった。


 白目を剥き天井を見上げたその口から、ごぽりと白濁した粘液が溢れ出し、続いて()()と突き出た黒い棒?一本…いや二本並んで!


『!莫迦な!魔石を飲み込んで…!人間の身体は優秀な魔素変換器だ!体内に取り込んだ魔石には自然の数倍の速度で魔力が充填される、魔物が出て来るぞ!』 


 上慎(かむしん)は証拠となる魔石をほとぼりが冷めるまで冒険者達に飲み込ませて隠そうとしていた!?


 こいつら!魔石から魔物が再生されるって知らないのか!


「だめっ!莉夢(りむ)!殺してしまう!」


 冒険者の喉元に長杖を叩きこもうとした莉夢(りむ)を制止するお嬢様、この事態なのに、くぅ!やっぱやさしいなぁ。


 その二本の前足を口先からひり出そうとする男の目いっぱいに広がられた口の脇がビリリと裂け鮮血が飛び散る、口腔内から覗くは二つの赤い眼光。裂けた両頬からガクリと顎が外れ、半ば飛び出しかけていた黒い鼻面がウネウネと身体をくねらせ”ずるり”一気にその全身を(まろ)び出す。


 男の体内から外界へと生れ出るそれは着地の瞬間身をひるがえし、跳んだ。莉夢(りむ)の長杖が着地点を突くもそこは既に空だ、速い!


 『【魔狼(うるふぇん)】!速いぞ、そいつは』うん、いま速さ(それ)を見た。


 はっ!気が付けばもう一人の冒険者もその場に倒れその裂けた口元から一匹の黒き獣を産み落とす瞬間だった。


 目の前で起こったことに頭が追い付いていないのか、剣柄を握りしめたまま硬直している監視役の友好冒険者集団(ぱぁてぃ)構成員(めんばぁ)に喝を入れた。


「戦闘体勢っ!戦えなきゃ隅っこで隠れてろッ!!」


 叫ぶと同時にボーッと突っ立ってるポチャに全身で体当たりをかまし床に転がらせる。

「戦えないならおまえも隠れろっ」耳元で叫ぶ。大事な重要参考人だからな。


 お嬢様?鉄壁の守護神が防御態勢に付いたことは当然確認済ですとも。

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