18話 外道
【小鬼】語(?)で怒号を上げていた【小鬼】が突進してくる。
短剣を両手で腰だめに構え捨て身の体当たりをかましてきた。
よく見れば他の【小鬼】よりも色が黒っぽいし、革鎧も体に合っている?こいつが指揮官か!
腹に衝撃を受ける、生臭い血の匂いがツンと鼻腔を刺激する、吐きそうだ。【黒小鬼】が腹に当たった短剣をぐりぐりと捩じり回す。
「このっ!」
真っ白になりかけた頭の中が”すぅ”と冷静になっていく。
窓が開いている。イナヅマが何かの魔法を使っているのか。
密着している身体の隙間を肘と膝とでこじ開け無理やりに片足をねじ込んで蹴り飛ばしてやった。
同時に【黒小鬼】のわき腹、鎧の隙間から”ずるり”と抜ける剣鉈の刃。只でヤられるものか。
『…おいおい、今のは【障壁】間に合わなければ死んでたぞ(汗』
”ぬるり”と腹から血の垂れる感触。皮一枚ほどが切り裂かれた程度で済んだ様だ。イナヅマ様、感謝。
【小鬼】も”啞然”という表情するんだと思った。
豎壹?縺?◇!縺薙?繝√?繝磯㍽驛弱′!
(汚ねぇぞ!このチート野郎が!)
おお、”怒り狂う”という表情も判る。
荳画惠繧」!螳「縺ョ繧「繝舌ち繝シ蜈ィ蜩。縺カ縺」谿コ縺励※鬲疲?ク蝗槫庶縺励m繧ゥ!荳贋ス肴?ク繧定オキ蜍輔☆繧!
(三木ィ!客のアバター全員ぶっ殺して”魔核”回収しろォ!上位核を起動する!)
繧上≠繧翫=縺励◆繧。!蜈?ぅ!
(わありぁしたァ!兄ィ!)
杖と盾とで莉夢との殴り合いを演じていた大き目の【小鬼】は【黒小鬼】と何らかの会話を交わすと、何を思ったか後ろを振り向くとそれまでその背中に守っていた?一匹の【小鬼】の首を捕まえ容赦なくへし折った。
あまりの展開に固まっている莉夢を尻目に、倒れた【小鬼】の胸を切り裂き《魔石》を引きずり出す。
見れば、【黒小鬼】も倒れた他の【小鬼】に切りつけ魔石を引き抜いている。
『不悪口!諏訪久阻止できないか!今の戦力ではまずい!』イナヅマ先生のいつになく焦った語調に慌てて【黒小鬼】を追う。
「あとはお願い!”光よ!”」
お嬢様が叫ぶ。
「導きたまえや!」
仄暗い森の緑の中を走り抜けてく一筋の閃光。
【黒小鬼】の背中から胸を打ち抜く。その体は一間(約2メートル)程も弾き飛びごろごろと転がった。
「お嬢様!」
悲鳴にも似た莉夢の叫びに振り向けば地に両手を突き、突っ伏すお嬢様の姿があった。
思わず駆け寄る。知っている、これは、魔力枯渇だ…意識は失ってはいないものの朦朧とした状態。
どんっつ!
【黒小鬼】の消えた茂みの向こうから、とんでもない濃さの圧力が膨れ上がった。
まずい。もの凄い魔法が発動されようとしている?何だ?何が起ころうとしている。
倒れている【小鬼】共の身体からあふれ出したどす黒い瘴気はぐるりと渦を巻き、生き物の様に【黒小鬼】の方へ流れ始める。
『さっきの戦いで死んだ魔物達の魔素をかき集めて別の魔石に吸収させ、新たな魔物を呼び起こす…言うなれば”裏技”という奴だ、上位の魔物が来るぞ、逃げろ!』
イナヅマの台詞に総毛立つ。
「莉夢!お嬢を連れて逃げよう!何か…ヤバイ!」
―――――ゥおぉぉぉおおぉぉンン
響く獣の雄叫び。
莉夢と二人でお嬢様を介添うもふらふらと足元が覚束ない。
ずるり
黒い影が茂みの奥からはい出し、生まれたての獣の様によたよたと立ち上がろうとしている。
気ばかりが焦る。
黒き獣の慟哭が響く。
縺翫♀縺翫?≫?昴i縺」縺阪<窶昴§繧??縺?°窶ヲ蟶悟ー題牡縺ョ蛟倶ス薙??ォ倥¥雋ク縺怜?縺帙k縺懌?ヲ
(おおお、”らっきぃ”じゃねぇか…希少色の個体、レンタル料ぼったくれるぜ…)
両の手を握り、開き。ぎぐぎぐと首筋から背骨、全身を捩じる姿態。起き抜けに自分の身体を呼び覚まし新たに得た自己に眠る暴力を確かめるかの様に。
『【黒大躯】…』
半猪半人とも言えるその七尺(約2m)を超える巨大な体躯が”のそり”と動き出す。
最悪だ、【小鬼】もそうだけれど【大躯】だって…。女性に非道いことをするって子供でも知ってる魔物じゃあないか!
二人を、女の子達を護らなくて何が木ノ楊出流男爵家の従者か!
「お嬢を連れて先に行って!ボクが少しでも足止めするッ!」
莉夢は目を見開き諤々と首を横に振るう。
「莉夢」
正面から目を合わせ、ゆっくりと伝える。
「ボク等の勝利条件は何?」
潤々と濡れる金色の瞳に少し戻る光。
「…お嬢様を…無事に帰すこと」喉の奥から絞り出される莉夢の声。
「だから、先に征って。ボクも無理はしないし、できない。少しでも足止めしながら下がる、だから先にお屋敷へ戻って援軍を連れてきて」
ボロボロと涙を溢しながら震える手で差し出される莉夢の杖。
「いもっ…弟と私を、ずっと護ってくれた、父さまの形見。きっと護ってくれる」
頷き、受け取る。
「必ず返す」
そう言って笑った。つもりだけど正直かなりぎこちない笑いだったと思う。
お願いします、イナヅマ様。
――――パキリ
何かの砕ける音と共に、莉夢の肩を借りたお嬢様の口から赤黒い血がはたはたと零れ落ちる。
合わせて、暴風の様に膨れ上がる圧力。
「クッ゛そッァ゛ぁ゛ガっア゛ア゛あぁああーッ!」
はじけるかのごと棹に立ち。空弓を引き絞るお嬢様の口元から血糊と共にこぼれ落ちる玻璃の欠片。
先刻受け取った垂飾りの、玻璃珠玉を噛み砕だいたのか。
口内から溢れ出るる血の色に似た赤黒き光が吐き出され。
纏わり付くやお嬢様の全身に染み込むと同時に。
先の二本の【光矢】とは似ても似つかない禍々しくも赤黒き光をまとう”漆黒の矢”が現れ、お嬢様の引き絞りし弓に番う。
「い゛がでぃよ!い゛ぢぃい゛ぎだばえや!」(光よ!導きたまえや!)
それは、お嬢様の魂の叫びと共に解き放たれた。
そのまま真後ろに卒倒するお嬢様を莉夢が支えた。
『こっちも外術じゃないか!どうなっているのか!』
たった三発の、それも最後はあの禍々しき魔力を纏ってでも放たなければならなかった魔力を振り絞った、最期の技。
まだうまく動けない…はずだった【黒大躯】は、お嬢様渾身の禍矢の放たれし瞬間をじっと待っていた。
軽く首を傾け、射線を外す。
縺?■縺?■蜿ォ縺ー縺ォ繧?茶縺ヲ縺ュ縺??縺ッ谺?
(いちいち叫ばにゃ撃てねぇってのは欠陥技だな)
”にぃやり”と笑う【黒大躯】
そして”黒き禍矢”が魔物の傍らを通り過ぎようかとする一刹那前。
気を失っているはずのお嬢様の双眸が”くわぁあ”と見開き、眼前に掲げられた人差しと中指との二本の指を”ぐいぃ”と曲げて見せた。
縺舌?縺√▲縺、!!
(ぐはぁっつ!!)
【黒大躯】叫びの声に振り向けば、側頭部から突き入り反対側へ禍矢鏃が突き抜けている。
敵の叫びは耳に届いたのか。血糊溢れる口の端を”にぃい”と吊り上げるやゴボリと血泡を吐きガクリと力尽きる、その身全てを莉夢に委ねて。お嬢様。
「やったか!?」
『諏訪久!』
だのに、なぜ。
歯を食いしばる。
諤々と体を震わせ、手と膝とを地に着くも、怒りに歪んだ顔を上げ爛々と燃え盛る双眸でねめつけ怒りをあらわにする【黒大躯】。
縺ァ縺?a縺?∴繧峨=縺!蜈ィ蜩。繝悶メ迥ッ縺励※繝悶メ谿コ縺上=?励○??ス抵ス?ス費ス!
(でぇめぇえらぁぁ!全員ブチ犯してブチ殺くぁwせdrftgyふじこlp!)




