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【エタってないんだからね!筆力向上修行中】屑星だって生きている~誰か教えて!ユニークスキル【editor】の使い方~  作者: Darjack


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108話 卑怯上等

 

 五六八〇(いろはまる)号の前に。


 黒い魔導衣(ルーンスーツ)


(杖女……弓女…… 正気か?)



 魔動騎と並び立つ黒衣の魔導士ふたり。


 ここを抜かれれば後が無い。


 だから、今。【闇王牙(だぁくおぅが)】に対抗できる戦力の全てをここに注ぎ込む。


 これが。


 これが七八〇六(なぱぁむ)号と茶日琉(さでぃる)105(いおす)の稼いでくれた時間の内で麗芙鄭(れふてぃ)有手倉(あるてぐら)の導き出した回答だった。


 茶日琉(さでぃる)七八〇六(なぱぁむ)号の栄誉とは別に。

 木ノ楊出流(きのゃんでぃる)には木ノ楊出流(きのゃんでぃる)の事情がある。


 卑怯と言わば言え。

 ここで魔物に屈すれば木ノ楊出流(きのゃんでぃる)には予後が無いのだ。


 卑怯と呼ばれようが今持てる全力を振り絞って今ここでお前を討つ。


 三人の、三人と一騎の不退転の意気込みが空間をも揺るがすかの気迫が溢れる。


(本気かよ……)


 ヤルにしてもしらばっくれて隠れて物陰から狙い撃てばワンチャンあったかもしれないのに。


(最初から顔出すたぁ……馬鹿なのか?)


 だが、斉藤は。


(嫌いじゃない)


 【闇王牙(だぁくおぅが)】の口角が僅かに上がった。


 期は満ちた。


 杖女=莉夢(りむ)が唐突に走り始める。

 弓女=美都莉愛(びっとりあ)がその後に続き。

 蟹蛸=五六八〇(いろはまる)with麗芙鄭(れふてぃ)が更に後に付く。


 何を狙っているのか分からない。

 わからないならば無理に考えない。


 自然体で身体の動くままに。


 斎藤は腰を落とし、全方位からどんな攻撃があろうとも反応できるレスリングの両構えで迎え撃つ。


  縺九°縺」縺ヲ縺薙>繧?=縺√=!

(かかってこいやぁぁぁ!)


 振り上げた杖で突進する先頭の莉夢(りむ)が攻めの間に飛び込む寸前杖の先を地面に突き立て横っ飛ぶ。


 なるほど。


 すかさず直前迄隠されていた弓女の彗星の矢弾が迫る、射撃のタイミングを読ませない為の目隠しだった訳だ。


 そしてその次は。


 片眼で彗星の矢を追い払い除けつつもう片眼で迫る蟹蛸の爪を躱す。


 コレもフェイントだろ?先のパイロットのフェイントは一流だったぞ?


 地面に突き立てた三本爪を支点に跳んだ蟹蛸の脚が回転しながら頭上から降ってくる。


 流石にコレには当たれない。


 前へ出て地面に転がりつつ体制を立て直す。


 立て直した眼の前に杖の尖端があった。


  螟画?縺九▲

(変態かっ!!)


 思わず口走る斎藤。


(コイツ等どれだけ連携の修練積んでやがる)


 美都莉愛(びっとりあ)莉夢(りむ)は兎も角、麗芙鄭(れふてぃ)五六八〇(いろはまる)号は騎装も初めてなら連携も初だと知ったら斎藤はどう思ったであろう。


 見事に目に杖の先が当たるが瞼を閉じれば視界は奪われない。


 そしてそのまま地面に背を付け寝る。


 目を開けたと同時に顔面に刺さる筈だった彗星の矢が空を切った。


 ネックスプリングで跳ね起き反転して蟹蛸の追撃に備えた。


 蟹蛸は反転にもたつきやっと身体を向け直した所だ。


 やはり。


 斎藤はニヤリと笑った。


 残念だがお前達のウチ誰も。


 スーパーオーガボディ改を止める決め手を持っていないな?


 そしてお前達は致命的なミスを犯した。


 斎藤=【闇王牙(だぁくおぅが)】は二人と一騎に背を向け、中央神殿へ向かって走り出す。


 今迄ずっと【闇王牙(だぁくおぅが)】と中央神殿の間に位置取りし一足に責められないようしてきたはずがここで勢い余って外側に出てしまった五六八〇(いろはまる)


 慌てて追い縋――――――――。


 加速を待って()()をしただけの斎藤は更に反転。無防備な五六八〇(いろはまる)の足元にローキックを叩き込み薙ぎ払う。


 もんどり打って転がる五六八〇(いろはまる)号はド派手に瓦礫を撒き散らしながら新たな建屋を数棟なぎ倒して行く。


 直ぐには立ち直れまい。


 そう読んだ斎藤は警戒を莉夢(りむ)美都莉愛(びっとりあ)に。


 真正面


 に。居た。


 その。


 朝焼けの光の中に立ち。


 弓引く女の影を。


 斎藤は美しいと思った。



 女の手を離れ斎藤に向かい来る矢の煌めきを。もう何度も躱し払い除けてきた。


 ――――――残念だがお前の光の矢は。


 良き時機(しお)にて【闇王牙(だぁくおぅが)】は(きら)めける矢の軌跡を避け払い除けた。


 刹那。




 グエふっ!!



 モンスターボディと斎藤とのシンクロ率は九割を越えている。


 ボディ追従のラグの減少と反比例して増えるデメリット。


 モンスターに受けた攻撃のダメージが中の人にも通る。


 鎖骨と鎖骨の間。喉の真下に激痛と衝撃を受け。

 呼吸が止まった。


(光の矢は……(かわ)し……)


 下げた目線の胸元には、


 深く穿たれた黒の矢羽。


 朝焼けを背負い。


 光の矢を追う様に。


 死角に重ねた闇色の影矢。


 この一撃の為に。



 まさか、ずっと。



 当たらぬと判っていた光の矢を何度も何度も撃ち続けたのは。



 ムダ撃ちなんかじゃなかった。



 激痛。


 後頭部を刈るように。


 当てられた長杖を杖女が蹴る。


 杖女の体重全てを載せて延髄を斬る。


 着地と同時に杖女は息もつかずに猛ラッシュを繰り出す。


 斎藤は頭を抱えて、頭蓋への一撃を避けるのが精一杯。


 早く。現代(リアル)の俺の体よ、早く息を吸え。お前の胸に刺さった矢は疑似体験だ!


 杖女の超人的ラッシュを躱しきれない。


 致命傷じゃないが何発かいいのを貰っている。


 おかしい。


 湖の畔でヤッたときは瞬殺だったのにコイツ……動きが良すぎる!



次回 109話『仏恥義理』(仮)は再来週公開の予定です。


それでは皆様、よい週末を!

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