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【エタってないんだからね!筆力向上修行中】屑星だって生きている~誰か教えて!ユニークスキル【editor】の使い方~  作者: Darjack


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11話 従者のお仕事

「納得いかねェ!」


 フン、フフンと鼻息も荒く九厘(くりん)が息巻いた。


 朝から大声出すと迷惑だよ。


「オレぁ生まれた時からお嬢の家来やってんだよ!なんで後から仲間になったお前が従者なんだよ!」


 知らない、家来じゃないし。


「あー、だから。九厘(くりん)がお嬢様一の家来でいいんじゃないの?」

「はァ?おまっ……???」


「従者の筆頭は莉夢(りむ)嬢でしょ?ボクはその次」


「お?」


「お嬢様の従者は莉夢(りむ)嬢が1番、ボクが2番。お嬢様の家来は1番が九厘(くりん)


「オレ2番!」撫散(ぶちる)が乗った。

「あっ!キタネェ!おれ3番!」智生(ちうぶ)が続く。


「はぁ?」


 よしよし、もう少し。


「じゃあサ、茶亜(ちゃあ)はどうすんだよ!」


 知らんヒト出てきた。


「ちゃあ?」


「オレの妹だよ!生まれた時からお嬢のママゴト仲間だゼ!」


「……諏訪久(すぽぅく)従者、遅い、お嬢様来る」


 いつの間にかお屋敷の前に差し掛かり、門前に莉夢(りむ)嬢…筆頭従者殿が仁王立っていた。

 本日からの従者の初仕事としてお嬢様通学のお供を仰せつかったのだ。


「おはようございます、筆頭従者殿。おはようございます、場瑠部(ばるぶ)さん」


 同僚達への挨拶も欠かさない。


「父ちゃん!いってきます」


「おはよう、諏訪久(すぽぅく)君。おう、気を付けて行って来いよ!」


 そうなのだ、九厘(くりん)はお屋敷の門守(かどもり)である場瑠部(ばるぶ)さんと女中(めいど)奈兎(なっと)さんの息子なのだ、ちなみにボクが借りたズボンとパンツの持ち主が九厘(くりん)だと判ったのは先日の話…。


「お嬢様ー出立(しゅったつ)ー!」


 筆頭従者殿の凛と透き通った声に。


「どぉーーれぇーー」


 と芝居口調で返しながらするすると門の裏から姿を現したのは木ノ楊出流(きのゃんでぃる)男爵家ご息女美都莉愛(びっとりあ)様。


 と、多分、初学校まで引率するのであろう、使用人方々の子供たちがわらわらと付いてくる。


「お「お「おはようございます、お嬢様」さま」サマ」


 お嬢様と愉快な仲間達の合ってるんだか合ってないんだかわからないご挨拶の後。


「おはよう、みな、ごきげんよう」


 お嬢様の返答を合図にぞろぞろと集団登校が始まる。


 なんだろう、この茶番。場瑠部(ばるぶ)さん、手で口抑えてるのお嬢様に見られたら足蹴られますよ。


 歩きながら先頭の露払い役である三人組筆頭の九厘(くりん)が声を上げた。


「それでヨー、オレが一番家来、莉夢(りむ)さんが一番従者、お前が二番従者…で茶亜(ちゃあ)はどうなんだよ」


 終わってなかった。


「ちゃあ!? ちゃあが何なの?!」


 あー、お嬢様の後ろにくっついている小っちゃいのの一人が声を上げた。

 あれが茶亜(ちゃあ)か、兄似でなくてよかった。


「そうだな、ちゃあは…筆頭侍女かな」と言っておく。

「ちゃあ? ちゃあがお嬢様の一番?」とキャピる茶亜(ちゃあ)に。


「そうね、お嫁入りの時には茶亜(ちゃあ)に侍女をお願いしようかしら?」


 星でも零れ落ちそうな笑顔で茶亜(ちゃあ)に微笑みかけるお嬢様。チョ……ダマサレテハイカン。


「よかったナー、茶亜(ちゃあ)!」

 つられて妹に笑いかける兄、美しき哉。


『ちょろい……』 イナヅマ酷い…。


 チョロイ…九厘(くりん)を見るお嬢様の眼が語っていた。門の裏で聞いていましたね?残念サマ。


「……不敬……だめ……」

 耳元でボソリと、シンガリの筆頭従者莉夢(りむ)殿。


 この方もよくわからない。


 本当はボクらより年上だと思うのだが何故か同じクラスで、しかも領民なら必ず皆行っているはずの初学校に行っていないのだという。


 肌の色がたまに見かけることがある山奥に住む”山ノ衆(やまんしゅ)”と同じ感じなのでもしかしたら最近奥山から下りてきたばかりなのかもしれない。


 よく見ればお嬢様に引っ付いている下級生の中にも栗色の肌の子が混ざって居る。さすが領主さま、使用人も多岐にわたる。


 そんな不利な条件のはずなのに、この筆頭従者殿、授業の成績は僕と同じかやや上回る。


 若様と一緒に英才教育を受けていたお嬢様に次ぐ実力を教室内では持っていると言っていいだろう、地頭の差?…うるうる(泣)




『では諏訪久(すぽぅく)、また放課後』


 中学校へ着けば。皆の見ていない隙にブィイイインと、か細い音を立てて飛んで行く胸ポケットの住人、黄昏色(おうごん)黄金虫(こがねむし)ことイナヅマは最近、授業中どこかに出かけている、本人曰く。


『観察と情報収集』


 とのこと。


 今までお屋敷の本体からしか魔力充填できなかったので活動範囲が限定されていたけれど、ボクから直接魔力充填できるようになったのでより広範囲に動けるようになったらしい。


 人間への必要以上の干渉は禁止事項とか、存在は極力秘匿したいと言ってる割には、黙って魔力吸い取るのは禁忌とかナンギなポリシーで千年間もよく稼働できたものだ。


 ◇◇


 授業が終わると、今日は”定例狩猟”を行うのだという。


 月に何度か中学生有志が連れだって、領主さまのお屋敷裏の森で狩猟を行い、その獲物を中央学校や近隣の初学校で分け合っているのだ。


 学校では毎日お昼には、野菜たっぷりの質素な粥等が給食として出るのだが”定例狩猟”の後は肉が多目になって結構嬉しいのだ。


 最低限食べるには困らないとしてもやはり山峡の田舎領地では領内の食糧事情は厳しいと言わざるをえない。子供達も自分で取れる食料等は出来るだけ自分たちで賄う。


 今年、若様が中央学校を卒業し県立の魔導学校へ入学されたのでその後を引き続きお嬢様が参加されることとなったのだけれど。


 また、つまらない騒ぎが持ち上がってしまったのだ。

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