3/4
たたり
ほんとうは
あなたのことが好きだった
それは秘めごとである
ほんとうは
なんて、勿体ぶったいいかたをしたけれど
この秘めごとすら
やがては使い古した感慨になり
風化してしまうだろうことが
すこしだけ寂しい
天国に続く坂道で
太古の秘密を抱えている
季節はいまも変わらずに
わたしのなかで渦巻いている
季節はモノローグのなかで
ひとに愛を告げさせる
まぁ、たぶん
ひとはたたりでできていて
すべて秘めごとにしながら
綺麗なことばで
囁き合っている
きよらかで、ひかりのような
ひとのはなやかな生まれを
季節はたしかに呪う