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雑感
さいきんは
信号のときしか走らずに
あまり歩くこともせず
生活の枠のそとで
たまに本屋へ
むかうくらいで
それもそれで
しあわせ
あのひとのよこがおも
すぐには思い出せなくなった
とても愛したはずなのに
そんな証拠はどこにもなくて
たくさんの日付をまたいだことだけ
どうやら
たしからしいけれど
ありふれた世界は
ありふれた哀しみで完成する
わたしは最後のピースをもてあまして
なんとなく
からだの気だるさを意識する
味のしない生活をゆく
なほ身の宿世のわろきにや侍らむ