愛し子、まだ見ぬ弟妹に想いを馳せる。
前回のあらすじ。
母死にました。父に新しい母を紹介されました。
…なにこれ?
私の新しい母親ってどういう事?
お父様再婚したの?
「じゃあクローディア、もうこんな時間だし書類の記入は明日にでもしようか。シャーロットもごはんの時間だしね。馬車まで送るよ」
そう言ったお父様は、そそくさと身New母を連れて出ていってしまった。
あれ、もう帰っちゃうの?
時刻は17時。一緒にディナーする気満々だったのに。
お父様、やっぱり浮気してて疚しい気持ちがあるから早く帰って欲しいのかな?
夫は浮気してるわ、自分は死んじゃうわ、産んだ子供は愛し子だわ、ほんとお母様の半生踏んだり蹴ったりね!
お父様もお父様だわ。
浮気してたにしても再婚が早すぎ!
まだお母様が亡くなってから1ヶ月ギリギリ経ってるか経ってないかって感じよ!?
カレンダーないから正確にはわからないけど。
せめて1年、いや半年待て!
New母のことどれだけ大好きなの!
〔イヤ、君ノ 父ニモ 色々ト 事情 ガ アッテだナ…〕
あっ!神!あなたって唐突に現れるのね!
事情って何さ?あっまさかNew母の赤ちゃんがもうすぐ産まれちゃうからその前に籍を入れておきたかったとか…?
もう何やってんのよ!これで母が死んでなかったらどうするつもりだったのかしら?
もう、計画性ってものが皆無ね!
……ってか、赤ちゃん!?
生まれるの!?
私に妹か弟が出来るの!?
素敵素敵素敵!首が完全に座ってたら喜びのヘドバンしちゃってるとこだわ!
っていうかもう出来てるわ!
え!?私いつの間にか首座ってる!
凄い!これが火事場の馬鹿力ってやつ!?
〔マア、少シ…落ち着ケッテ……〕
これが落ち着いていられますか!
母は死ぬし私は天才だし父は不倫だし来客は妊婦だし首は座るしどれだけ濃い一日なのさ!
濃すぎて絞ったら謎の汁が出てくるわ!
ってか神、あなた私の親なんでしょう?
もっと私(我が子)の成長を喜びなさいよ!
〔オ…オウ…〕
もう!
私は私の事でいっぱいいっぱいなんだから、これ以上問題事を増やさないでよね!
お父様に、届け!この想い!
ガチャリ
お父様、New母を送り終えたそうです。
「シャーロット、クローディアは…
新しいママはどうだったかな?」
どうもこうもお父様、私浮気はナンセンスだと思います!
「だぅあぶぁ!フン!」
「…もしかして、彼女が僕の前々からの浮気相手だとでも思っているのかい?
違うよ!これには列記とした事情があるんだ!」
言い訳は聞きたくありません!
「これは、全てシャーロットの為なんだよ。」
…は?どういうこと?
そこからお父さんがペラペラつらつらと話した内容は長くてわかりにくかったので、
素晴らしい理解力と記憶力を兼ね備えたまとめて言っちゃいます。
愛し子は、片親だったら駄目なんだって。
なんか頭の硬い偉い人が『片親だなんて不完全な環境で育ったらグレちゃうー!』って言ってそういう法律作ったんだって。
もし親が片方しかいない場合は、神殿に保護してもらうか再婚して新しい親を作るしか無いんだって。
なんと難儀な。
それでお父様が困り困りになってたら、ちょうどそこで未亡人!教養そこそこあり!しかも生活に今現在困ってる!っていうクローディアさんと知り合ったんだってさ。
そこでナンパしてみたら利害が一致したから、うちに来たらしい。
お腹の子はお父様とは関係ないみたい。
まあでも、血は繋がってなくても姉弟か姉妹になるってことだもんね!?
わっくわく止まんないね!
だって、私お姉ちゃんになっちゃうんだもんねーーー!
なんかやたらと「!」が多いですね。
「!」って、一文字で「びっくりするじゃん!もう!」って感じが伝わってきて好きなんですよね。