愛し子、王子とご対面の感想を述べる。
お待たせ致しました、お待たせしすぎたかも知れません。(ゴツいカメラを抱えながら)
王子との顔合わせから解放されたので、今はのびのーびっとベッドに横たわっています。
着慣れないドレスも、知らない人も、疲れる疲れる。
なんとか王子の前では無表情を通して、粗相をすることも無く、無事乗り越えました。
私の愛想は悪かったですが、私の隣にいたオリヴィアはすこぶるご機嫌で、ずーーっとニッコニコ笑顔を振りまいてました。
そのおかげで、我が家の印象はプラマイゼロどころかプラプラプラ×5マイゼロぐらい…なはず。
天使の可愛い笑顔を見て何も思わないのはよっぽど目が悪いか頭がおイカレになってるかのどちらかだもんね。
王子も癒されまくりのはずでしょう。
まあ婚約者が無表情っつっても、至る所から蔦植物が奇怪な動きで近ずいてくるよりは大分マシだと思うし。
師匠もそう言ってたしね。
そうそう、私の婚約者の王子がどんな人だったかも話さなきゃね。
うん、なんというか…悪くは無かったよ。
くすみのないキンキラ金髪に、それとお揃いのような金の大きな瞳、整った顔立ち、すっと通った控えめの鼻、透けるようなほんのりピンク色の唇、瞬くたびに豪風でも吹きそうなバッサバサの睫毛…
まあ、一言で言えばめーーーちゃ可愛い顔でした。
王子に可愛いって失礼じゃない?って思ったそこの貴方!王子って言ってもまだ私より1つ年上の5歳だからね?これはもう、「可愛い」という表現が適切!
まあ、オリヴィアの次にって感じかな。
そして、性格も良さげ。
終始無表情の私にも、
「どうした?きんちょうしているのか?」
なんて気を配ったりして、ほんといい子でした。
え?いい子に何故『悪くは無い』って評価つけたのかって?
それは…まあ、なんというか。
匂いです。
いや、臭いとかって訳ではなく…
ただ…
付けてる香水の香りが苦手なんですよ。
オリヴィアは、「ルーカスさま、あまくていいかおり!スンスン」と喜んで嗅いでたし、人によっては好きな香りなんだろうけど…
私はちょっと、というか…
すごく…なんと言いますか…相性の良くない香りと言いますか…
生理的に無理。臭い。嗅覚の暴力。
あれなんだよね、喉の奥に変な甘さの雲が出来たみたいな匂い。わかる?
噎せそうになるし。
あと、わざわざ香水をつけるのは、元の臭いを隠したいからなのかなーとか。
元々の臭いはどれだけオーマイガー!な感じなのかしらとか考えちゃったりして。
いや、さすがに王族だし!?清潔だろうし!?
そこらへんは大丈夫だとは思うんだけど…
うーーーん……
せっかくお高い甘味を用意してもらったのに、臭いのせいで食欲は萎え萎えだったし、このまま悪臭の塊と結婚するのは…
すごく嫌だ。
人間、結局パートナーに求めるのは顔でも地位でもなく匂いだと思うの。
とりあえず今は、王子の体臭が改善するのを祈るばかりの私なのであった…
もうお気づきの方もいらっしゃると思いますが、シャーロットはもう『王子香水臭い=体臭に問題あり』と決めつけちゃってます。
思い込みの激しい子なので。




