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詩のようなものたち

紅うつし

作者: 暮 勇

 君の、血潮通う

 その赤い唇が

 死人と揶揄される

 薄く、蒼白な唇に、触れる

 氷のように冷たい私の皮膚に

 君の熱が、緩やかに、流れ込んでくる

 君の静かな、しかし確かな興奮が

 必死に、何層にも塗りたくった色を引き剥がし

 甘い温もりが、私の唇にじん、と響く

 私は、この冷たさのほかに

 君にあげられるものが、何もなくて

 腹の底から込み上げる

 泥泥とした無力さを誤魔化すように

 死人の蒼を、隠していた真っ赤な紅を

 君の赤い、赤い唇に

 ただ移すだけ


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