紅うつし
君の、血潮通う
その赤い唇が
死人と揶揄される
薄く、蒼白な唇に、触れる
氷のように冷たい私の皮膚に
君の熱が、緩やかに、流れ込んでくる
君の静かな、しかし確かな興奮が
必死に、何層にも塗りたくった色を引き剥がし
甘い温もりが、私の唇にじん、と響く
私は、この冷たさのほかに
君にあげられるものが、何もなくて
腹の底から込み上げる
泥泥とした無力さを誤魔化すように
死人の蒼を、隠していた真っ赤な紅を
君の赤い、赤い唇に
ただ移すだけ
君の、血潮通う
その赤い唇が
死人と揶揄される
薄く、蒼白な唇に、触れる
氷のように冷たい私の皮膚に
君の熱が、緩やかに、流れ込んでくる
君の静かな、しかし確かな興奮が
必死に、何層にも塗りたくった色を引き剥がし
甘い温もりが、私の唇にじん、と響く
私は、この冷たさのほかに
君にあげられるものが、何もなくて
腹の底から込み上げる
泥泥とした無力さを誤魔化すように
死人の蒼を、隠していた真っ赤な紅を
君の赤い、赤い唇に
ただ移すだけ
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