ドリーマー
自分が本当に初めて書いたものです。
こういうのを書きたいで手探りで書いてみたので話は急展開だし、ラストは書きたい通りに書けましたがただの自己満足ですので、読む人によってはつまらない、嫌いと思うかもしれません
これは魔法使いの世界
ドリーマーで起きた
奇跡の少女のお話
タタタタ
ある程度大きなバックを持った少女。彼女は走るとにかく走る、気持ちいい風がほほを撫でる。彼女は西藤 玖留美 (さいとう くるみ) 中崎小学の六年生。
昨日の彼女にすごいことが起きた! 昨日は週明けの日曜日、玖瑠美は何かしたくてたまらない気持ちを抑えられず、古くからの親友、可南子と、玖瑠美の母、可南子の母の四人で公園に遊びに行っていた。当然ながらあのネックレスも忘れずに。子供のころ、可南子と交換し合った大切なネックレスだ。
玖瑠美たちはいつものように公園ではしゃぎまくったりと楽しんでいたすると広場で魔法クイズ大会が開催されていた。興味本位から玖瑠美は可南子と一緒に出てみることにした。
すると成績優秀な可南子ではなく玖瑠美がラッキーで優勝を収めた。彼女の幸運はそこで終わらず、景品決めのくじ引きで、国でトップクラスと言われる超名門校、岡ノ上学園への入学資格が当たられた。ただ、玖瑠美の学力、気持ち共に岡ノ上学園には向いていないため、玖瑠美はそれを辞退しようとしたしかし、玖瑠美の母は玖瑠美が止める前に入学手続きを済ませてしまったのだ。入学手続きを終わらせてしまえば取り消すことはできない。玖瑠美が入学する中学は岡ノ上学園から変更はできない。
「はぁ、あっ!」
いろいろ考えていたら、玖留美は学校に付いていたみたい。
「おはよう、玖留美どうしたの? 暗い顔して玖留美らしくないよ」
背後か掛けられた声の主は可南子だった。
「可南子おはよう、ちょっと昨日のことを考えていて」
玖留美たちは同じクラスだから話しながら教室に向かう。
「昨日のこと? あっ! 岡ノ上中学のこと、えっ! あれ本当だったの。公園のクイズ大会の景品で、あの岡ノ上中学!」
可南子は本当に驚いたみたいで廊下中で聞こえそうな声で叫ぶ。たぶん半信半疑だったんだろう。
「うん。でも私は可南子たちと同じ中崎中学に行きたい」
「じゃあそうすればいいよ、無理に岡ノ上に入る意味ない」
可南子は玖留美を慰めてくれる、玖瑠美からしてもそれが望みだ。でも、
「もう、入学手続きも終わっているから」
玖留美が諦めるようにそう言ったら、
「玖留美は私と同じ学校に行きたくないの、それでいいの」
今まで聞いた中で可南子からいつよりもつめたい声が帰って来た。
「違うそういうことじゃない」
ほぼ反射的に慌てて返した言葉だったが、
「そういうことでしょ、もういいよ」
可南子は言いたいことだけ言ったら走って行ってしまった。でも可南子の声はまるで泣きそうな声だった。
:卒業式:
結局あれから可南子とは話していない。
このまま卒業して別々の学校に行くのかなぁ~、
玖留美がそんなことを考えていたら、
「玖留美ー!」
玖留美の名前が呼ばれて声の主は遠くから走ってくる可南子だった。
「はぁはぁはぁ、玖留美、この間はごめんなさい」
息を切らしながら可南子は玖留美にあやまった。
「玖留美のことを考えれば、中崎中学に行くより名門の岡ノ上に行ったほうがいいに決まっているのに、玖留美のことより自分のことで頭がいっぱいになって、玖留美のことを考えて無かった、本当にごめんなさい」
何度も何度も可南子は玖留美に頭を下げて謝る。
「……なんで可南子が謝るの、謝るのは私の方だよ私こそ可南子の気持ちを考えて無かった、私きっと心のどこかで岡ノ上中学に行けることを喜んでいたんだと思うの、だから本当にごめんなさい可南子」
可南子の顔を見ると目から頬をつたっている滴がある。
可南子は泣いていた
「ありがとう玖留美、私玖留美のこと傷つけたのに、ありがとう」
その涙は玖留美に移った。
「玖留美どれだけ離れてもずっとずっと友達だよ」
「当たり前だよ、ずっとずっと永遠にだよ、決まっているじゃん」
そう言った瞬間、可南子の顔が泣き笑いみたいになったから思わず笑いそうになった。
「玖留美、可南子、早く来ないと集合写真を撮っちゃうよ」
クラスの人が玖留美たちを読んでいる
「今いくー、行っこ玖留美」
「うん」
変ったよ。みんなと違う中学に行くという最悪な日が可南子との大切な日に
:三週間後:
「玖留美、制服には着替えた? あと五分で出るわよ」
「分かってるよ、この制服着にくいよ」
着にくい制服に手間取っている玖留美にお母さんが話しかけてきた、玖留美は鏡を見る
これが岡ノ上学校の制服、かわいい。
岡ノ上中学の制服は黒に黒いバラの刺繍が入っている上着とスカートに三角帽子まである。相当玖瑠美好みの服装だ
その帽子をかぶり鏡に映る自分の姿を見て、可南子がこの征服を着る様子を想像する
昔から大人っぽかった可南子は黒や藍色などの大人っぽい服装がよく似合っていた。
中崎中学の制服はどんな感じなんだろう、かわいいのかな、それとも大人っぽいのかな、どんなかんじなんだろう。まっ、どっちにしても可南子には似合ってるだろうけど
「玖留美行くわよ」
帰ったら可南子に聞くことにしよう。そう心に近い部屋を出る
:三時間後:
ここが岡ノ上中学……デカ、ちょっとした城ぐらいある、私今日ここに入学するの?
学校の膨大な大きさに圧倒され思わず後退すると
〈ドッン〉
あっ
玖瑠美の後ろにいた誰かにぶつかる
「ごめんなさい」
「すみません大丈夫ですか?」
謝り、相手の顔を見ると
わぁぁー、かわいい人
悪気などの感情全てを横に押しやって、思ったことを口に出そうと口を開くが
「あれ、あなた岡ノ上小学出身じゃないよね? 初めまして、私は烏丸草 千鶴あなたは?」
先に言葉を発せられて我に返る
「西藤 玖留美。中崎小から来ました」
そこまで言い終わると驚いたような顔をされた
「中崎小からってことは受験組か、中崎小は普通の小学だからあなた、相当頑張ったのね」
優しく微笑みかけてくれる
「ねぇ、私のこと千鶴でいいから玖留美って呼んでいい?」
「はい、あのもしかして先輩ですか?」
それだけの落ち着きがある一瞬不安がよぎり聞いてみるが
「たぶん違うと思うよ、私これから中等部の入学式だから、あなたは?」
「私もです、ん? 中等部の……もしかして中等部とか高等部とかに分けられているんですか?」
「そうだよ正確には、幼稚園から科校 (かこう)まで全部ある岡ノ上学園なの」
玖留美が聞くと当然のように言われた
「だからこんなに建物が大きいんですね」
玖留美が納得しかけたら
「違うよここは中等部だけの校舎で他の校舎は別のところにあるよ、ここ山九つ分の総面積のぐらいの土地があるからねぇ~、ほかの校舎に行くまでの間なんて普通に遭難できるほどあるからね。まぁ、その中でも中等部の校舎は一番小さいんだけどね」
あっさりと否定された、何とか冷静に戻ると
「えっ一番小さい、この大きさで……んん? そう言えば科校ってなんですか?」
さっき聞き覚えのない単語を聞いたのを思いだす
「科校は学校で決める学科の学校、ここまである場所なかなかなくて岡ノ上学園に合ってよかったて思ってる」
そんなのあったんだ
昔から劣等生の玖瑠美は初めて知ってことだ
「色々教えてもらってありがとうございます、千鶴さん」
もはや驚きを隠せない、でもお礼を言わないわけにはいかない
「いいよため口で同い年なんだし、あとさんをつけなくていいよ、千鶴って呼び捨てでいいから私も玖留美って呼び捨てでいいよね?」
「あ、はい。じゃなくて、うん千鶴」
玖留美は初めて可南子と会った時のことを思い出し自然と笑顔が出来る
「千鶴早くしないと入学式に遅刻よ」
遠くで女の人が千鶴を呼んでいる
「分かったよ、お母…じゃなくて校長先生」
「……えっ! こ、校長」
「うん、私の母親なの、だから岡ノ上学園の中等部校長。私岡ノ上には幼稚園から行って るんだけど中等部校長の娘だからとかよく言われるの、ちゃんと勉強してるのに」
千鶴が困った顔をした
どう慰めればいいのか分からず言葉を探すが
「千鶴先に行くはよ」
「あっ! 待って、じゃあね玖留美」
そう言って千鶴は行ってしまった
「ねぇ、彼女があの」
ん? ひそひそ声が聞こえてくる、でも盗み聞きは悪いよね
玖瑠美は自分の母を探す
「玖留美、入学式が始まっちゃうわよ」
玖留美が見つけるよりも先に呼ばれた
「うん、今いく」
:入学式:
「まず、校長から挨拶をお願いしまいます」
入学式が始まった。でも、周りの空気が重くて
「みなさんご入学おめでとうございます。みなさんは今日から、ここ岡ノ上中学の生徒です他の中学のお手本になれるように学業でも生活態度などでも満足のいくまで自分を磨き上げてください。私たち岡ノ上の教師一同、全力でサポートをします。改めてご入学おめでとうございます」
パチパチパチ周りが拍手したから、玖留美も慌てて拍手した
「では次に……」
:入学式終了:
「あー、終わった」
玖留美は入学式が終わったと力を抜いた
「玖留美、あなたのクラスが張り出されてるわよ」
お母さんが呼んできた
「えっとあなたはGクラスね」
Gクラスか、あっ! 千鶴もGクラスだラッキー
「玖留美早く行きなさい」
「分かったよ」
玖留美は向かいながら
千鶴と同じクラスはうれしいけど、でも嫌な予感
クラスを知った瞬間よぎった自分の直感が外れることを祈る
:Gクラス:
ガヤガヤガヤ
すごい賑やか
入り口で千鶴を探してみるが
「えっと千鶴は……まだいないか」
「君、邪魔だよ。入り口で止まらないで」
突然後ろから声をかけられた
「あっ、すみません」
わー、クールで可愛い子
後ろにいたのは黒いショートの髪で玖瑠美と同じぐらいの身長の子だった、吊り目で細められている黒い瞳からは怒りを感じるがそんなの吹き飛ぶかわいさだ
「おはよう絆久しぶり、というか二週間ぶり」
その子の後ろから聞こえた声の主は
あっ千鶴
「ん? あっ玖留美」
千鶴は玖留美に気付いたようだ
「同じクラスなんだねよかった」
「そうだね、というかその人誰? 千鶴の友達」
「うん、そうだよこの子は宮凪 絆。私の幼なじみ、名前的にも見た目的にも女の子に見えるけどクールな男の子だよ」
……え?
「えぇぇー!」
玖留美は思わず叫んで相手の顔をガン見してしまった
「ちょっと待って、え! 男の子、宮凪さんには失礼だけどだいぶ女の子見たい」
ギロ
「本当に失礼だな、お前」
絆が睨んできた
「えっと、私西藤 玖留美です」
色々考えたがこれしか思いつかない、ん?
「‼」
何を驚いているんだろう?
絆の顔には明らかに驚きの色がある
「絆、玖留美はあの超普通校中崎小から来ているんだよ」
さっきほどじゃないけど驚いた。
ていうか千鶴、超普通校って
絆は一秒もしないうちに冷静な表情に戻した、そして右手を出した?
「お前は失礼だけど、努力家は好きだ」
「あっ! えっと」
「改めて、宮凪 絆だ、よろしく」
初めて笑顔を見せた、でも完全に勘違いされている
「宮凪さん実は私あんまり努力してないんだ」
「ん? どういう意味だ」
さすがに驚いている
「えっと、中央公園でたまにクイズ大会あるでしょ、そこの優勝賞品でここあてただけで、別に受験組じゃないんだ。……でも、ちゃんとみんなについていきたい、だから、あの……勉強教えてもらってもいいですか?」
遠慮がちに言う玖瑠美に対して絆は浅い笑みを見せ、さらに手を前に出した
「努力家は好きだと言っただろう、俺はそういう努力家も嫌いじゃない」
嬉しい
慌てて手を握ろうとしたら
「えー、飾音ちゃんすごーい」
「本当! 平均は5000なのに30000もあるだなんて」
「本当だよ、これも一つの才能ってやつかな」
教室の中で騒がしい声の中でも人期は大きい声が聞こえてきた
教室の一角で一人の女の子を囲んで話している
どうやらあの空色の髪の人が周りの人に何かを自慢してるようだ
「みなさん席に座ってください」
あ! 先生が来た、えっと私の席は……ここだ、あ!
隣に座っていたのは
さっきの人だ
「初めまして、西藤 玖留美と言います。あなたは?」
「私の名前は嘉穂森 飾音。初めまして、長所としては魔力が三万に足しいているということです」
あっ、さっき騒いでいたのはそれのことだったんだ
「でも、魔力検査は明日……」
「うん、そうだけど気になったから三歳ぐらいの調査票を引っ張り出して調べたの」
こんな感じに話してたら
「相変わらず騒がしいな、飾音」
千鶴と絆が話しかけてきた、授業は会話している間に終わったらしい
「千鶴、宮凪さん」
「絆と一緒に中等部の校舎を見学しようと話してたんだけど、玖留美と飾音も来る?」
「「行く行く私も行く」」
玖留美と飾音の声がはもった
「じゃあ行くぞ」
玖留美たちは中等部の校舎を歩き始めた
:二時間後:
「もうほとんど全部見終わったね、あと行ける場所は……」
「私屋上行きたい」
飾音が提案してきた
「賛成私も行きたい」
「じゃあ、屋上を最後に帰るぞ」
確かにもう五時を回ってる、そろそろ帰らなきゃ
「じゃあ行くぞ」
絆は千鶴の手を引っ張って先に行ってしまった
「千鶴、絆、待ってよ」
玖留美は飾音の後に続こうとしたら
「ん? そう言えば嘉穂森さんも千鶴たちのこと、呼び捨てだね」
逆に絆も飾音のことを呼び捨てだ
「うん、私と千鶴と絆は幼稚園からの幼なじみなの、だからみんな呼び捨てなんだ」
「へー、そうなんだ、と言う事は嘉穂森さんもずっと岡ノ上なんだね」
「そうだよ、あっ! 二人ともあんなに小さい」
慌てて玖留美と飾音はダッシュだ
:次の日八時半:
「千鶴気になってたんだけど、どうして魔力検査なんてあるの?」
玖留美はよく分からない並びの列で隣の千鶴に話しかける
「それは、魔力の量=魔法の強さなの、でも魔力が大い人は魔力を絞るのに努力が必要だから、学校側からすれば努力が必要な人をあらかじめチェックしたいんだと思うよ」
千鶴がすらすら答えてくれた
「次、玖留美さん」
玖留美の番だ
:次の日 朝:
「6972か、もう少し欲しかったな」
千鶴は検査の紙を見ながら呟く
「千鶴わがまま言うなよ、俺の3895よりいいだろ、平均以下だぞ」
絆はものすごくガッカリしたかのように話しかけてきた
「嘉穂森さんは?」
「変わらずで30009です」
紙を見せながらピースをする
「わー、すごい」
本当にすごい
そういうお前はいくつなんだ」
少し立ち直った絆が聞いて来た
「私まだ見てないんだ、千鶴先に見てくれない」
玖留美は不安からまだ見れてない紙を千鶴たちに渡した
「どれどれ」
千鶴に渡したはずなのに絆や飾音も寄ってくる
「ちょっと飾音、押さないで。え!」
紙を見た瞬間三人の顔が凍りついた
「ちょっと待ってこんなことあり得るの」
「あり得なくはないが、この数値」
「どうしたの」
みんな圧倒的に呆気に取られているが結果を知らない玖瑠美は混乱するばかりだ
ゆっくり紙を玖留美に向けた
「え!」
紙には508070154985(五千八十億七千九百十五万四千九百八十五)というあり得ない数が書かれていた
:次の日:
ざわざわざわ
「ねぇ、あの子じゃない二日前の魔力検査であり得ない数値出した」
「確か平均の一億倍とか?」
なんか分からないけど昨日のことが教室中で噂になってる、しかも軽く尾ひれついてるし
「玖留美おはよう、なんかすごい噂になってるね?」
今日初めてまともに話しかけてくれたのは千鶴だった
「千鶴。うん、何でこんなに噂になってるのかな、あと言っとくけど私が言ったんじゃ無いよ、本気で違うから」
そんなあたふたする私に
「ああ、分かってる飾音じゃあるまいし、それにお前そこまでおしゃべりじゃ無いだろ」
千鶴と絆は当然のような表情だ
「ありがとう、宮凪さん、千鶴」
「はいはい、おしゃべりはここまで授業を始めますよ」
先生が入ってきた
「一年の初めての授業は魔法技術になりましたですから校庭に行きますよ」
先生に続いて玖留美たちは教室を出た
「千鶴、魔法技術ってなに?」
「それぐらい知っとけよ」
うぅぅ、何で千鶴に質問して宮凪さんが答えてしかも憎まれ口なの
「魔法技術っていうのは、魔法知識科と魔法技術科という一番大まかな分れで。細かく分けると魔法知識なんて高校に行けば数は楽に千を超すし、中学生でも五十近いんだ。その測り方はペーパーテスト。技術科は一人一人先生の前で魔法をしてその人の技術を測る、そうやって一学期の最後の日に第二のクラスを決めるんだ」
「第二のクラス?」
また知らない単語
「んん? まさかそれも知らないのか!」
驚いたように目を見開きながら聞き返してくる
何でそんなに驚くの
「はい、その通りです。お願いします、教えてください」
もうどうとにでもなれ
やけになって頼んだ玖瑠美を横目で見た絆はため息一つ入れて
「はぁ、第二のクラスというのはその人に合った技術の教室のことだ、教室はS、A、B、C、D、E、F、GまであってSは全ての科目で優秀な成績の人だけを集めた特別クラスだ、無論俺も千鶴も飾音もほかのみんなも全員Sクラスを目指してる」
憎まれ口ながらもものすごく分かりやすく教えてくれた
「ありがとう、宮凪さん」
「別に、お前が低評価だと教えてる俺や千鶴まで低評価と思われかねないからな」
こんな時まで評価の心配なんだ
「Gにならないように頑張ります」
「!……」
パンパン
何か言い返そうとしていた絆を先生が手を打ったのが止めた
「じゃあ、名前の順に並んでください」
あっ! 話してたら校庭についてた
「はいこっちをよく見て、私が見本を見せましから、真似してください」
先生は近くの小枝を拾い少し離れた所に置き、前に手をだし。ゆっくりはっきりと何かを唱え始めた
途中まで唱えると先生の手の前に魔法陣が現れた、そして唱え終わると小さな火の玉が現れ小枝に当たり、燃え始めた
「あれが魔法」
小学ではまだ魔法を勉強しない、だから最低玖留美個人は初めて魔法を見る。そしてその何気ない呟きに
「そうだ、でもさらにあれを試験の日には唱えなくても魔法陣を出せるよにならないといけないらしい、早く俺も」
そこまで言うと絆の顔が少し怖くなる。
宮凪さん? なんだろう、今の宮凪さんは少しなんか違う気がする
「はい、みなさん今月中に最低ここまでできるようになってください。それでは練習初めてください」
そう言われたら皆小枝を拾って練習を始めた
私も練習しなきゃ
「小枝、小枝」
玖留美は下を見て探すが、あらかた周りの人が使っている
どうしよう
玖留美が途方に暮れていると
「はい、玖留美」
千鶴が小枝を分けてくれた
「ありがとう、よしやるぞ」
玖留美は小枝を少し離れた所に置き手を前に出し目をつぶって先生が言っていた言葉を思い出しながら唱えた、そしたら
「く、玖留美ストップ」千鶴
「西藤さん目開けて」先生
「早く魔法陣消せ」絆の声だ
え?
玖留美は目を開けた
「え!」
目を開けたらそこには、とてつもない大きさの魔法陣があった
「ど、どうなってるの」
「お前の魔力がでたらめな量だから、でたらめな威力の魔法陣が出たんだよ、魔力もっと絞れ」
絆が叫んでくるが
「そ、そんなこと言われても」
「じゃあ魔法陣消せ」
えっと
どうするか分からずに迷っていたら、手にどんどん力が入り
ダメ、耐えられない
「きゃあ」
玖留美の手が上に向いたとき、魔法が出た
「はぁっ」
そこにいた全員が息をのんだ、玖留美が出した魔法陣からとてつもない大きさの火柱が出た。この大きさなら町中の人が見えるかもしれない
…………
沈黙が続く
どうしよう
「西藤さんさっきのはなんですか?」
先生に聞かれるが
「わ、分かりません」
初魔法で知識皆無の玖瑠美には自分で使った魔法一つ分からなかった
「そうですか、このことは校長に伝えます、いいですか?」
「はい、お願いします」
はぁ、授業初日からやっちゃた
「宮凪さん、千鶴ごめんなさいこのまま私のお評価が低かったら……」
「ほんと気おつけてくれよ」
はぁ、宮凪さんに呆れられた
「玖留美、だいじょうぶ? あれだけの魔法を使ったなら相当魔力を使ったはずだよ。目まいとか吐き気と化しない?」
千鶴が玖留美の顔色を見てくる
「全然大丈夫だけど?」
目まいや吐き気はおろか逆に今日の玖瑠美は少し調子がいいぐらいだ
「本当にとてつもない量の魔力だね」
あっ! 千鶴にも呆れられた
「あんまり実感ないだけど」
というか私はそんなに要らないだけど。はぁ
:学校終了 帰り道学校前:
「なんか本当にごめんね、私のせいで」
「いいよ、色々ビックリしたけど。玖留美って本当にすごいね」
「ありがとう、ちづ……」
「玖留美ー」
うっ、この爽やか系男子ポイ声は
振り返ったらやはり、関係者以外立ち入り禁止の校内ギリギリの校門で兄が待っていた。西藤 勇人それが玖瑠美の兄。見た目は声と性格と違ってすごく知性的、 眼鏡をかけた落ち着いた感じの冷静な男性って感じ
私以外は
兄は見た目だけなら高校生一年のくせに大学生並みだ。
私に対しては他の人と違って爽やか系男子なんだよなぁ~
「何? お兄ちゃん? 回りの人がうるさくなるからあんまり一緒にいたくないんだけど」
その党利に今も回りの女子が騒いでいる、恥ずかしいんだよな
「たまには兄妹で一緒に帰ろうかなって、俺の学校ここの高等部だから」
「友達か彼女と帰れば、私の友達と帰るから」
玖留美が勇人を置いて帰ろうとしたら
「ねぇねぇ、西藤さん」
クラスメイトの二、三人が話しかけてきた
「その人誰? まさか!」
顔を赤くしながらクラスメイトが聞いて来た
「私の兄、名前は西藤 勇人」
説明しながらも勇人は幸せそうに玖留美を見ている
「はぁ。千鶴、宮凪ごめん、お兄ちゃんと一緒に帰ることになっちゃた、ごめんなさい」
「ううん、仕方ないよ。でもお兄さんかっこいいね」
勇人の顔を見たらさっき以上の笑顔でいる
「帰ろう、玖留美」
「はいはい、じゃあね千鶴、宮凪さんまた明日」
玖留美は言い残すと兄と一緒に帰り始めた。半分近く行ったとき
「今日この後予定ある?」
半分ナンパだな
「無いけど」
なるべく素っ気なく言う
「じゃあ一緒にショッピングモールに行こうよ」
はいナンパ確定
「はぁ、断ってもこのままいくんでしょ、代わりに宿題と勉強手伝ってね」
ニヤ
「了解」
:ショッピングモール:
「どこのお店で買い物する?」
勇人はルンルン気分で歩く
〈ピロロロ、ピロロロ〉
あっ! 携帯、ん? 可南子
『もしもし? 可南子』
『あっ? 玖留美、今ショッピングモールに来てるんだけど一緒にお茶しない?』
『えっと、今お兄ちゃんと一緒にいるから、お兄ちゃんと一緒でいいなら大丈夫』
『じゃあいいや、また今度ね♪』
可南子は言い終わると電話が切った
「誰?」
勇人が玖留美の顔を覗きながら質問してきた
「可南子、お兄ちゃんと一緒じゃなかったら、一緒にお茶しよって」
「悪かったな」
勇人は謝るが
そう思うなら少しは行動に表してほしい
玖留美は心の中で呟く
:家:
あの後二時間ぐらいショッピングモールを回ってさっきやっと帰って来たところだ
「だからこの魔法陣の魔力を絞る時……」
今日の火柱が私だと知ったら魔力の縛り方から始めた
「じゃあ今日はこれを最後にもう一回」
:次の日 通学路:
「今日は少し早めに付きそう」
学校はすぐそこだ
〔トコトコ〕
目の前に男性五、六人が立ちふさがった
「西藤 玖留美だよな」
真ん中の男が言ってきた
何で私の名前を!
「退いてもらえませんか」
ムシムシ
そう思い相手の横を通ろうとしたが
「そうもいかないな、ちょっと来てもらおうかな」
こんどは横の人が立ちふさがる
「無理です、これから学校なのに」
「それは困るな、来てもらわないと」
「だから無理です」
〔ザッ〕
男のうち一人が前に出た
「だーかーらー、付いてきてもらわなきゃダメなの」
前に出た人が玖留美の手をつかんだ
「放してください、痛い」
「おとなしくついてきて来れば痛い目を見なくて済んだのに、連れてくぞ」
男たちは歩き出した
「放して、放してください、痛い放して」
何だろうつかまれている方の手に力が集まる
「放して!」
玖瑠美の叫びと共につかまれている方の手から魔法陣が出た
ドッカン
魔法陣から火が放たれた
だ、ダメ
また玖留美の魔法陣が空に火柱を立てた
それを見てなのか、三十秒もしないうちにさっきの人はいなくなっていた。
そして玖留美は何事もなかったように学校に向かった
:学校:
教室で素早く千鶴と絆を見つけ
「おはよう千鶴、宮凪さん」
「おはよう、玖留美どうしたの? 元気ないみたいだけど?」
そう聞かられ朝のことお千鶴と絆に話した
「絶対に先生に言った方がいいよ玖留美」
「でもまた火柱立てちゃったし」
「そんなことどうでもいい、もう」
〔ガタ〕
千鶴は立ち上がって
「先生玖留美が登校中に何かあったみたいです」
そのあと玖留美は朝に事を先生に話して何事もなかったように授業が始まった
:帰り:
「帰りは付そおっか」
心配そうに見てくる千鶴だが
「大丈夫だよ、たぶん……」
「玖留美ー」
昨日と同じタイミングに昨日と同じ声が聞こえてきた
「やっぱり、お兄ちゃんに連絡行ってたか。はぁ、今日は寄り道せずに帰るよ」
一回ため息をついて歩き始める
「了解」
仕方ないなー
「じゃあね、千鶴、宮凪さ……」
「着いて行く。私もついて行く、絆も行くよ」
「えー、何でおれまで」
文句を言う絆と説得する千鶴。
しばらく呆然と見てしまった
「だ、大丈夫だよお兄ちゃんも一緒だし。もし何かあった時は足りに迷惑かけたくないよ」
「ちょぅとまて、俺にはいいのかよ」
勇人が割り込んできた
「じゃあ、私一人で帰っていいよ」
「「だめー」」
千鶴と勇人が同時に反論してきた
はぁ、前途多難だ
「玖留美ー」
んん、この明るい声は
そう思い振り返ったら
「可南子」
玖留美は叫んだ方向に向かって走り出した
可南子の名前を呼んだ時の声はここ最近出した声の中で一番高い声だった気がする
「久しぶりどうしたの可南子? 学校まで来て何か用事?」
「玖留美に会いたくなっちゃって、どう学校は? 楽しい友達はできた?」
可南子の声が昨日も聞いたはずなのにすごい愛おしい。
何でだろう可南子といるだけですごく幸せ
「うん、楽しいよ可南子の制服かわいいね」
可南子が来ている制服は全体的に若草色で
「ありがとう、玖留美もかわいいよ。ねえこれからショッピングモール行こうよ、昨日行けなかったし」
どうしよう、寄り道しないって決めたのに
「可南子ちゃん久しぶり」
お兄ちゃん!
「可南子ちゃんごめんね。今日は寄り道せずに帰るって決めたんだごめんね」
「そうですか。私も無理を言ってすみません」
「ごめんね可南子」
ここまで来てもらったのに申し訳ない
「いいよ、今度一緒に行こうね」
可南子は言い残すと帰って行った
「そうゆうことだから、じゃあね千鶴、宮凪さん」
玖留美は挨拶を済ませると、玖留美たちは急ぎ足で帰った
:次の日:
「今日は大丈夫だった?」
「うん、大丈夫だった」
「何それ、やっぱり嘘だったんじゃない」
「確かに」
え?
なにその話。でも少しわかるかも
そんな感じの噂は瞬く間に広がり学校でどんどん居づらくなっていった
:一か月後:
「ねえあの子」
「さいてー」
最近学校では玖瑠美に対する悪口しか聞こえない
「玖留美、大丈夫?」
「千鶴、ありがとう」
最近まともに話してくれるのは千鶴と話しかけたら答えてくれる絆ぐらいだ
「授業ついていけてる。教えるよ」
「大丈夫お兄ちゃんのおかげで何とかついていけてる、でも教えてくれるのはうれしいな」
最近は可南子あんまり連絡をくれない寂しいよ
:帰り:
「玖留美、一緒に帰ろう」
「お兄ちゃん。一人で帰りたいから」
玖留美は短く言うと早足で帰る。家に付いたら宿題を出した。でも、珍しく少ない宿題なのになかなか終わらない
〈ピロロロ、ピロロロ〉
携帯が鳴った
家族以外に私の電話番号を知っているのは彼女だけ
そう思ったら玖留美は慌てて携帯の通話ボタンを押した
『もしもし!』
『もしもし、玖留美。私可南子』
思った党利、可南子だった。たった一か月しか聞いてないはずの声がこんなにも愛おしい、涙が出そうだ
『ねえ、これからいつも行っていた公園で一緒に遊ぼう』
『うん、私も遊びたかったんだ』
そこで玖留美は電話を切り慌てて着替えネックレスをかけて、公園に向かって走り出した
:公園:
「はぁはぁはぁ、可南子はまだか」
急ぎ過ぎちゃったか、途中で電話切っちゃったし
「何やってるんだろう……あっ!」
玖留美は慌てて茂みに隠れる、こないだの人達が公園の周りを歩いてる。まるで慌てているみたいに
どうしよう、ここにいたら直ぐにばれる
!
たぶんリーダーだと思うやつが携帯を見てさっきより慌ててどっかに行ってしまった
よかった。でも、もう少しはここにいよう
…………もうそろそろいいか
そう思い玖留美は可南子に謝りのメールを入れて全力で家まで走った
なるべく外出は控えよう
:数日後 学校:
「玖留美どうしたの、最近ずっと顔くらいよ。悩み事でもあるの?」
「千鶴……実は」
玖留美は可南子との待ち合わせ場所にあいつらがタイミングよく表れたことが不思議に思っていることを話す
「可南子を疑いたくはないんだけど、タイミングが良すぎるような」
どうすればいいんだろう
「ねぇ、なら明日可南子ちゃんに会ってみれば、私も一緒に」
「千鶴も! ……でも」
迷う玖留美に対して
「いいから」
千鶴は強く押し切る
「分かったじゃあ明日一二時に公園集合ね」
「うん」
応えると千鶴は行ってしまった、でも
「千鶴を巻き込めない」
そう思い千鶴との集合時間を一二時にしたが可南子との約束時間を九時に場所を中崎小にした
:次の日九時中崎小:
玖留美は歩いている間ネックレスから目が離せなかった、それは先に付いていた可南子を見るまで無理だった
「ごめんお待たせ、可南子」
「いいよ別に」
可南子は小学校で一緒にいた時のような懐かしい笑顔を見せてくれる
「ねぇ、玖留美ちょっと来てほしいところああるんだけど、良い?」
来てほしいところ?
「……分かった、行こう」
可南子のことを信じたい
「こっち」
可南子は玖留美の手を引いて十分以上歩く
こっちは確か昔よく遊んだ森の方向
そのまま歩きつ続けた
この道は確か隣の国と一番近いと言われている場所、何でここに
「可南子ここ危ないって言われてる場所だよ、あとどれくらいなの?」
「もう少しだよ」
そのまま三分ぐらい歩いたら
「ここだよ」
ある崖の上で止まった
「うわぁぁー」
その崖から見える景色はいきよい良く落ちる滝の少し上に七色の虹がかかり滝の下には薄黄緑色の森が広かっていてその奥には大きな町、いや国が入りその向こうには海が広がっている。この景色はきれい以外の言葉が見つからない
「ここの景色をどうしても見せたかったんだ、かなり前から見つけてたんだけどこっそり見せたいしなかなかチャンスが無くて」
そうだったんだ
この景色を見せてくれようとしていてくれた幼馴染を私は疑った
少し涙がにじみそうになるのを死ぬ気で抑える
「本当にここきれいだね、千鶴や宮凪さん嘉穂森さんにも見せてあげたいな」
「誰?」
「あっ! 私の岡ノ上中でできた友達、三人とも頭良くて」
! 玖留美は思わず笑ってしまったが可南子は全然笑っない
〈ザッザッザッ〉
音に気が付いて振り返るそしてた、またあの時の人達がいた
何でここに
「遅い」
えっ?
可南子が相手に向かって言っている、
「遅いってどういうこと、可南子?」
「この状況を見ても分からないの?」
やっぱり
「なんで」
震える声で問いかける
「そんなの言う必要ある」
いつもの優しい笑顔のかけらさえもない顔だった
玖留美は自分がそのあと何をしたのかよく覚えていないでも確か無我夢中で走りだしたという結果だった気がする
「はぁはぁはぁはぁ」
何で、何でなの可南子
目からあふれる涙をふく余裕すらなく走った
〈ドンッ〉
誰かとぶつかった
「痛ーい、いったいなんなの西藤さん」
えっ! 嘉穂森さん何でここに
「西藤さんが千鶴との約束破ろうとしてたから、あとをつけたの」
声に出してなくても何を思ったかは伝わったらしくほぼ叫ぶように言われた
「そう、それよりもこっち」
玖留美は飾音の手を掴んで走り出した
「ど、どうしたの?」
「いいから」
「まてー!」
やっぱりついてくる
「誰あの人達?」
「いい人じゃないことは確か」
後ろを確認するが少しずつ
このままじゃ追いつかれる、よし
玖留美は飾音を前に押した後自分は右に曲がった
「ちょっ、ちょっと」
飾音は驚きながらも走ってくれるよかった
このままついてこい、嘉穂森さん無事に逃げられて
:三十分後:
「はぁはぁはぁ」
何であの可南子? 何で
そう考えるだけで涙が出そうになる
可南子、可南子
何度も何度も彼女の名前を呼ぶ
どうしよう、ここにいても見つかるのは時間の問題…………①思い切って家まで走る。 ただ見つかった場合逃げきれる自信はない。②居場所を変えてお母さんやお兄ちゃんが来てくれるのを待つ。可能性はまだ高いけど何日待つことになるかわからないし先にあいつらに見つかる可能性も高くなる。③可南子とちゃんと話をする。……なるべく③にしたい、可南子ともう一度話したい、でも危険性は一番たか……
「理屈なんてどうでもいい。三にしよう……よしっ、行こう」
そう思い可南子を探し始めた
わざと捕まるよりも個人を探した方が1対1で話せる可能性が高い。さっきの場所にいてくれるといいんだけど
そう思い
さっきいた崖を目指す
何て言えばいいんだろう、今のこの気持ちを何と伝えればいいんだろう。どうしよう何も纏まらないまま
「可南子」
よかったさっきの場所にいてくれた
「なにわざわざ捕まりに来たの?」
可南子の顔からはいつもの笑顔は何処にもなかった、可南子の瞳を見てるとそれだけで怖くなる
負けちゃダメ
「可南子何でこんなことしたの?」
「答える義理は無い、今自分の状況が分かってる私がここで大声を出したらあいつらが来る。そうすればあなたはジッエンド終わりだよ」
大丈夫、可南子が最初からそのつもりなら最初からそうしてるはず
「いつからなの? いつから」
「はぁ、ずっとだよ玖留美にあったその時がらだよ」
ため息交じりに答えてくれる、でも
「嘘、あり得ない、だって私たちがあったのは幼稚園の三歳ぐらいの頃。そんなころから」
当たり前、そんな風の顔を向けてくる
三歳あたりの頃からずっと
「なら、可南子の言葉はなんだったの親友っていうのも嘘なの」
思わず怒鳴ってしまう
「いいの怒鳴って?大きい声出したらあいつら来ちゃうよ」
「そんなのどうだっていいよ、私は可南子とちゃんと話したい」
もうあいつらのことなんてどうだっていい、ちゃんと可南子と可南子の言葉で話したい
「はぁ、まあいいか。どうせ国に連れて帰れるんだったら遅かれ早かれ説明することになるだろうから」
国? どういう
「私はあそこ、この崖から見えるあの国の代々スパイ家計なの、ここまで説明すればいいでしょ」
可南子は真っ黒な瞳を玖留美に向けてくる
「全然そんな説明じゃ分からないよ」
「はぁ、自分に狙われる理由があること分からないの?」
「分からない、全然わからないよそんなこと」
可南子の問いに即答する
「はぁ、私に何回溜息つかせれば気が済むの、すぐわかるでしょ、あなたのとんでもない 魔力のことを考えれば簡単じゃん」
ええ! 魔力
玖留美は落ち着いて魔力検査の結果を思い出す確か五千八十億七千万四千九百五。確かに驚くけど
「だからなんなの少し魔力が大いだけでなんなの」
「やっぱり全然わかってない、あのね魔力の多い人間の人数は国その物の強さになるの、あなたのように万以上億に達する人間はそれこそ億以上の時間を待たないと現れない、いい分かる? つまりあなた一人で国の力関係がひっくり返るかもしれない。そのいい証拠にこないだの火柱あなたでしょ、あれは凡人が全魔力を切らして出そうとしてもあの威力の火柱は出ない、あれの威力なら山の一個ぐらい軽く吹っ飛ぶそれをあなたは余裕で出した。あなたが本気を出せば国の一つは余裕で吹っ飛ぶ」
半笑いの顔で自慢げに話してくる
分からない、分からないよ魔力一つでそんなにも変わるの
「さてと、そろそろ連れて行かないとお母さんも怒るよね、行くよ」
!
気が付いたらさっきの人たちが後ろにいた
マズイさっきと違って逃げ場がない
「あんまり傷つけたくないけど今度こそ大人しくついてこないと今度こそ保証できないよ」
逃げたい、でも
可南子の冷たく冷酷な顔を見るだけで怖くて足が動かない
怖い誰か助けて
目から涙が染み出てくる
「大丈夫」
え!
驚いて顔を上げたらまじかに可南子がいて、いつもの優しい笑顔だった
「可、南子?」
「大丈夫」
ああ、この笑顔は懐かしいな、あれは確か私と可南子が道に迷って夜になっちゃって
《ええーん、怖いよー、ええーん》
玖留美が泣いている時
《大丈夫だよ玖留美、大丈夫私がいるから大丈夫》
私はその一言でなぜか心の底から安心して泣き止んだよな。今の可南子の顔はその時の顔によく似ているすごく落ち着く
回りが歩き出すのにつられて玖留美も歩き出した。
まるで氷のように冷たく固くなっていた足は嘘のように暖かくゆっくり動いた、いや可南子のあの笑顔が玖留美の足についていた氷を溶かしたんだ
もういいやどうせ学校でも嫌われ者だし千鶴やお兄ちゃんには悪いけど、可南子がいるなら……まあいいかな
そう私があきらめかけた時
「玖留美ー」
「西藤!」
え⁈ この声は
振り返ってみたら千鶴や絆、飾音、勇人の四にと後ろから学校の担任の教師や、学校で見かけたことのある教師が何人もにいる何でこんなに。うゎ!
突然可南子に手を強くひかれた
「お前ら、魔法は使うな時間は稼げ」
可南子はそう言うとさっきよりずっと強い力で手を引いた
「ちょっ、可南子!」
どんどん走るスピードが上がる
早いついて行けない、あ!
可南子の走るスピードについて行けなくて私は派手に転んだ
「あっ! 早く」
「うん、痛っ」
膝が痛い
膝を見てみたら両膝から皮がむけてかなりの量の血が出たいた
「……」
可南子はその傷を見ながら決心したように玖留美を背負った
「可南子⁈」
「私の役目は玖留美を国に連れて行くこと、こんなところで逃がすわけにはいかない」
可南子の顔は険しかったが決意の証、玖留美はそんな気がする
「! 可南子ダメその先は……」
崖!
そう言うより早く可南子と玖留美の体は崖の下に傾いてきた
玖留美は慌てて崖の端に手をかけて可南子の手を掴んだ
「可南子、放しちゃだめだよ」
「玖留美……放しなさい」
「え!」
何で
そう思い可南子の顔を見たらさっき以上に決意を決めたそんな顔をしている
「このままじゃ二人とも落ちるという可能性が高い、そんなことは許されない。でもここで私が落ちてもあいつらが玖留美を連れて行く、それで私の役目は終わる」
最後の一言がものすごく落ち着いた声で言った可南子の顔を玖留美は何度も見てしまう
「さぁ放して!」
「ヤダ」
「なんでこのままじゃ二人とも落ちるのよ」
「可南子を放すぐらいなら落ちた方がいい」
「……なんで……私なんかの」
私たちは大きな声でもめていたら
「玖留美!」
千鶴!
「千鶴ここ、助けて」
玖留美は全力で見えない千鶴たちに話しかける
「玖留美?」
千鶴の声がどんどん大きくなっていく
「玖留美、よかった」
「大丈夫か西藤」
「千鶴、宮凪さん、嘉穂森さん」
三人は玖留美と可南子を引き上げてくれる
「ありがとう、みんな」
「よかった、間に合って」
千鶴が玖留美に抱き着いてくる
「く、苦しい」
「ご、ゴメン」
親まりながら千鶴は離れる
「玖留美、何で放さなかったの?」
少し離れた場所で可南子が聞いてくる
「言ったでしょ、親友を見捨てるくらいなら一緒に落ちた方がましって」
「私は助からなくてよかった。別に助からなくても」
可南子は下を向いて何度も何度も同じ言葉を繰り返す
「それより何でここに来たの?」
「飾音が教えてくれて」
なるほど
「他のクラスメイトは嘘つき呼ばわりしてたけど本当だったって知って謝りたいって」
そうだったんだ
「やっぱり、いじめられてたんだ」
えっ?
何か可南子が言った気がしたけど小さすぎて聞こえなかった
「可南子何か言った?」
「何でもない」
何処までもそっけなく可南子は答える
「可南子、帰ろう」
「ふん、帰る? あの国にもう私の居場所は無い、だってこの計画が始まってから私は学校にも行けないだって私はもともとシーヴィレッジ国の人間なんだから」
「シーヴィレッジ?」
何処だっけ、あっ!さっき崖から見えた所だ
「だから私に帰るところは無い」
可南子はまたうつむいた
「かな、イタッ」
玖留美が可南子に駆け寄ろうとしたら足をけがしていたことを思い出す
「玖留美、大丈夫?」
千鶴の心配ばっかりの声に対して
「うん、大丈夫」
「…ちょっと退いて」
可南子が近づいて来る、千鶴たちは少し警戒してる
そしたら可南子は膝に手を近づけて魔法陣を出した
「玖留美!」
千鶴や宮凪さんたちが近づこうとしたら
「大丈夫、任せて」
可南子は静かに言うと魔法を発動させた
そしたら
「傷が!」
傷がどんどん治って行った
「回復魔法。かけてる魔力が低いからこの程度だけど、たくさん使えばかなり早いし力も強いよ」
回復魔法、すごい
可南子はそのまま両足とも治してくれた
「ありがとう、可南子」
「別に怪我をさせたなんて知られたら私がただじゃすまないから」
可南子なんでそこまで
「そうだ、一つ言っておくとあなた達、油断しているようだけどここはもうシーヴィレッジ国とは目と鼻の先だよ特にここは国境が入り混じっていてこのあたり三キロぐらいは色々な国の人間は移動したい放題の非っ国境地帯ここに国の軍隊を持ってきても誰も文句は言えない、すごくおおざっぱだけどその国境を越えなければ誰も何もせずそれを見守るだけ。つまりここはあなた達四人をさらって三人を始末しても誰も文句を言えない、あなた達が勝手にこのエリアに来てその結果殺されたそれで終わる」
残任までのその声は玖留美たちを怖がらせた、そして同時にあることを思い出した
「お兄ちゃん……お兄ちゃんたちは今更だけどお兄ちゃんたちは大丈夫」
千鶴にしがみつきながら聞く
「大丈夫だとは思うけど、というか思いたい」
千鶴たちの表情もくもる
「玖留美、他人の心配より自分の心配をした方がいいよ、これなんだかわかる?」
可南子は紫色で月型の石を見せてくる
「何それ?」
玖留美には意味が分からない
「もしかしてそれ」
絆が絞り出したかのような震えた声で言った、そしたら宮凪さんの表情がどんどん青ざめていく
「何なのあれは宮凪さん」
「通信のクリスタルだ!」
「通信のクリスタル?」
「ああ、今の会話を全部拾われていた」
絆の顔色はどんどん悪くなる
「この場所が相手に伝わってしまった、非っ国境エリアで崖または谷がある場所なんて限られる、お前そのために俺たちに説明を」
絆は睨みつけるように可南子を見る
可南子はそんな玖留美たちを見ながら笑う
本当にこの人は可南子なの? ……!
でもその疑問はその後した顔ですぐに回答した
「西藤、早く逃げるぞ」
絆が可南子からさっき言っていた通信クリスタルを取って谷に投げ捨てながら言ってくる
「う、うん」
初めて名前を呼ばれた
「さて逃げられるかな?」
可南子は余裕出しまくりでこっちを見てくる
「可南子はどうするの?」
「どうする? 私はここでまってれば迎えが来るんだよ」
可南子は余裕を見せてるが
そんな演技で
「嘘、そんな簡単な嘘で私をだませるとでも思うのいったい何年の付き合い」
「……」
いきなり可南子の顔がくもった
「じゃあ今あいつは今何を考えてるんだ?」
絆が玖留美に聞いてくる
「泣きたい、苦しいって」
玖留美がそう言うと可南子は慌てて振り返って私を見る
「そんなわけ……!」
「可南子が嘘ついてもすぐ分かる」
「なんで、何で」
即答する玖瑠美から可南子は目を背けることしかできない
「可南子、本当は可南子だけここにいたら怒られるんじゃない? そもそも、もうあそこに帰れないからずっといたあそこにいられないから泣きたいんじゃない?」
玖留美が言葉をつなげるたび可南子はまるで無く寸前の幼子のような顔になり
「それは、別にそんなんじゃ……」
言葉も詰まってくる
その時
〈ビュッ〉
!
何かこっちに何か投げられたと思ったたら突然それが光り出した
「わぁっ」
「きゃっ」
「な、何?」
「来た!」
可南子が一言言ったが、訳が分からず呆然と立っていたら
「きゃぁー」
突然腕と足を強く引かれ抑えられた
「西藤⁈」
「みやな……」
玖留美の記憶はそこで切れてしまった
:数時間後:
「さお、さときろ、西藤起きろ」
宮凪さん何?
そう思い目を開けた
「玖留美よかった」
「千鶴」
〈ジャリ〉
あっ、気付かなかったけど手に何かの重みがある
「なっ、何これ!」
その重みの正体は鎖だった
「何なのこれ」
「あの後のことなんだけど、あの時投げられたのは光のクリスタルだったの。あの時光で私たちがひるんでいた隙に玖留美と飾音が抑えられてて、それに私たちが驚いていたら後ろから、それで気が付いたらここ」
そうかあの時の感覚はそう言うことだったんだ
「絆。この鎖、魔法でどうにかならないの?」
「無理だ、確かに開放魔法なら基礎ぐらいはできるがこれは魔封じの鎖だ、魔法を使うわおろか魔力を使うこともできない」
魔封じの鎖?
「何それ?」
「かなり珍しいものだ、普通は中学生程度に使う物じゃないぞ。これはある一部のテンタクルス群生地帯にしかなくて、なかなか手に入る代物じゃない。そこのテンタクルスを取り除こうとしても全然取り除けないんだよ」
へぇー
「やっぱり宮凪さんすごいね」
「別にただ気になってた本に書いてあっただけだから」
私じゃ絶対見る気もしない本だな
〈ガタッ〉
玖留美たち四人は音がした方を見た
「あっ! 玖留美起きたんだ」
可南子
「おはよう玖留美、そんな怖い顔しないでよ別に悪いことしてるんじゃないんだから」
「突然捕まえて鎖につなぐのかが? ふざけるな」
宮凪さん
「だからさっきも言ったけどあそこは誰がどうなっても誰も文句を言えないの、あそこに入っただけで捕まっても仕方ないの、こっちはいくらでも言い訳できるよ」
絆は何も言ってないが可南子のことを睨んでいる
「玖留美ちゃん久しぶりだね」
この声は
「お久しぶりです、可南子のお父さん」
「ああ、確か四年ぶりだっけよく覚えていたね」
「一回しか会えなくて強く印象に残ったんです」
玖留美は可南子のお父さんを強く睨む
「そう睨むなよ、ちょっと来てもらえないかな」
「いやです」
「はは、バッサリだな。でも来てもらうよ、ここはまだ非っ国境エリアだからな早めに国の中に入れておきたいらしい、大人しくついてこないとそこのお友達三人がどうなるか分からないよ。まぁ、女の子三人を傷つけるのは俺の真意じゃないが」
「…………」
可南子のお父さんは余裕というように玖留美たちを見下ろしてくる
「行くな」
! 宮凪さん
絆が小声で話しかけてくる
「あいつらについて行ってその後のことはお前も俺たちもどうなるか分からない、それにあいつらはどうなるか分からないとしか言ってない」
確かにでも、ならどうすればいいの私の取るべき行動は……これしかない、私にはこれしか、思いつかない
「分かった、ついて行くよ。でも千鶴、宮凪さん、嘉穂森さんたちの鎖はずして」
「西藤!」
絆の声怒ってる
「私にはこのくらいしかできないし思いつかないから、だからお願い」
これは二つの意味だ、一つは宮凪さんたちに対してお願いだからここで逃げてという意味二つ目は可南子のお父さんにこっちのお願いを聞いてという意味
「まぁ、いいか。どっちにしろそうするつもりだったからな」
絶対嘘だ
そのまま玖留美たちは睨み合う
そして数分後、玖留美たちはその部屋を出た
そこはさっきの崖だった
「早く千鶴たちの鎖を外して」
「ふっ、分かったよ」
笑いながら相手は鍵を取り出す、次の瞬間
〈ドッカーン〉
爆発音がしたと同時に
「玖留美ー」
そう言う声が聞こえた
「お兄ちゃん?」
驚きすぎて腑抜けた声がてる
「玖留美、大丈夫か?」
ヒュッ
可南子がお兄ちゃんに向かって何かを投げた
玖留美はそれを目の端でとらえた
何あれ青い、何か
〈ピュッ〉
その後にまた何かが投げられ……いやあれは魔法だ可南子が魔法陣を出している、早い
先に投げられたものと後に打たれた魔法ぶつかった次の瞬間
〈ぶわぁぁー〉
辺りに白い煙、というか蒸気が視界を塞ぐ
はぁ! 千鶴みんな
玖留美はそう思い少し後ずさったら
〈ザッザザ、ガラッ〉
右足が突然一気に下がった
忘れてた、後ろは崖だ
玖留美の体はどんどん落ちて行った
声が出ない、叫びたいのに何も言えない
「玖留美ぃー」
勇人の叫び声だ
力の限りの叫び声だったのかほぼ怒鳴り声だ
「おにいちゃ」
それに対して玖留美の声はあまりにも力が入ってない落ち着いた、いや、腑抜けた声だった
霧でよく見えないけど、うっすら見えるあれは、たぶん勇人が玖瑠美に向かって力いっぱい手を伸ばしてるんだろう
玖留美も手を伸ばそうとしても鎖が邪魔で伸ばせない
〈バッ〉
何⁉ 何かこっちに向かってくる
〈ドン〉
その直後に強く背中を押された
ダメ。足がつかない
そして玖留美の体は崖の下に落ちて行っ……!
「姉さんー!」
絆も力いっぱい叫んだ
姉さん、誰?
そんなことを考えていたら、玖留美の体は崖の下に落ちて行った
:崖の下:
痛てて、あれ? 生きてる
不思議に思って下を見たら下には草が生い茂っていた
なるほど、ここの草のおかげで助かったっわけか
「ふぅ」
一息ついて動こうとしたら
「うう」
そう声が聞こえた。それが何か見ようとしたら!
「可南子!」
さらに辺りを見渡したら
「千鶴、宮凪さん、嘉穂森さん、お兄ちゃん」
他にも四人がたぶん気絶しているんだろう倒れている
「みんな起きて」
「ううん」
玖留美が叫ぶと一人二人と起き始めた
「玖留美⁈ 玖留美」
「ここは?」
「分からない、でも崖の下だってことは確かだと思う」
「そんな当たり前なこと誰でもわかるよ」
可南子が素早く指摘する
「というかここ暗すぎない」
「確かにしっかり前が見えない」
「はぁ、これを使うか」
可南子はため息交じりにたぶん黄色く丸い物を取り出す
「それは、光のクリスタル」
お兄ちゃんが驚いたように可南子に言う
「なんで持ってるんだ? それは岡ノ上中でも一年の二学期に習うやつだぞ、それもSクラス限定」
「じゃあお兄ちゃんは?」
玖留美が言うとポッケに手を入れて何かをと取り出す
「持ってるよ、調合の仕方によっていろいろ変わるんだけど」
「調合?」
「ああ、クリスタルは薬や調合の材料を使って作るんだ色や形で効果の違いを見分けられて色の濃さで強さを示してるんだ、あのクリスタルはかなり色鮮やかだから相当弱いんだけどここまで暗かったら同じたろうな」
勇人が一通り説明し終わると、可南子はこっちを向いて
「誰か雷魔法使えない、私今魔力ギリギリなの」
「? どういうこと」
「クリステルを発動させるにはそのクリスタルと相性のいい特定の魔法をぶつけるんだ色で言うと。赤色丸型は火魔法、青色□型は水魔法、黄色雷型は雷魔法、みたいな感じで」
なるほどだから雷魔法を
「テストに出るから覚えておくといいよ、Sクラス以外でも一年の三学期には習うから、魔法知識でクリスタルについてやるとき分かりやすくて少しは楽のなると思うし」
勇人は言いながら魔法陣を出す
そのあとすぐクリスタルが光り出す
「でもこんなところに草が生い茂っていて助かったね、そうじゃなかったらそのまま崖の下にまっさかさまだったからね」
千鶴が下の草を見ながら言う
「でもここに長くはいられない、俺は箒があるけど、玖留美たちは無いし、そもそもここで箒呼んでも来ないだろうなー」
「私の通信クリスタルはさっきお前たちが捨てちゃっし」
みんなで何か対策を考えていたら
〈ガサガサガサ〉
飾音が下の草を少し分けている
「どうしたんだ飾音?」
絆が飾音に向かって質問する
「ここがなんかフカフカしてて何だろうと思って」
言いながら草を分ける。それを見ていたら、端っこの草が動いた気がしてそこを見る
「あっ! ここに穴がある」
「えっ、本当!」
全員が飾音のところに集まる
「もうこの穴の先に行くしかないんじゃないか」
勇人がこぼしてしまったような声に対して、みんなうがなずく
「それしかもう方法が無いね、ここにいても危ないだけだし、それより、玖留美も何してるの?」
千鶴が玖留美を見てくる
「なんかここが動いた気がして、でも気のせい見たい」
玖留美が立ち上がると
「行くよ」
そうして玖留美たちはその穴の中に入って行った
「……長いね、もう三十分ぐらい歩いてるのに」
みんな不満を抱いてきている
「この先が行き止まりだったら俺たち終わりだな」
「ちょっと絆、怖いこと言わないでよ」
絆の考えに千鶴が答える。なんだかコントみたいな会話だ
「今はこの道を歩くしか方法が無いからな行き止まりだったらその時考えよう」
さすが高校生落ち着いてるなー
「あっ、あそこ光が見える。出口かも」
可南子が叫んで指さした方を見たら
「本当だ!」
玖留美たちが走ろうとしたら
「待て、少し気おつけろ。この辺は魔法生物多発地帯だぞ」
そう勇人の厳しい声がとぶ
「用心深くし過ぎるのは悪いことじゃない、慎重に行こう」
勇人の顔はすごい厳しい顔だ
みんなその怖い顔に驚いて慎重に進むようになった。玖留美はすこし離れて壁に肩が当たったら
「! 玖留美、壁に近づくな」
「えっ?」
勇人は私を壁から少し離す、そしたら
〈ヒュッ〉
そこにたくさんの蔦が絡みついた
玖留美が驚いていたら
「この辺の蔦はほとんどテンタクルスだ、気おつけないと痛いぞ」
「ありがとう」
「ちょっと待てここ出たらいきなりテンタクルスがいきなり襲ってきたなんてないよな」
「だーかーらー、怖いこと言うのやめてって言ってるでしょ」
今度は飾音が低い声で絆を睨む
「というか、あと三歩程度でこの洞窟終わるよ」
「「「えっ⁉」」」
可南子にそう言われて前を見たら玖留美たちは、ほとんど洞窟を出ていた
「本当だ、宮凪さんの怖い発想が当たってなくて助かったね」
「本当だよ、玖留美たちは魔法を知らないしそもそも今は魔力すら使えないだろ」
うう、確かに
玖留美たちの鎖はまだついたままだ、それよりも先に千鶴たちはまだしも玖留美は魔法を一個しか知らない
「突然襲ってくるは無いけどテンタクルスはけっこう多いな、気おつけよう」
辺りを見渡しているとたぶん森だろう
「あの玖留美のお兄さん、なんでテンタクルスと普通の蔦を見分けられるんですか?」
「テンタクルスは少しだけど魔力を含んでいるんだ、それを感じればいいんだ、まぁ感じやすい人と感じにくい人はけっこう大きな個人差があるみたいだけど」
なるほど
「というかやっぱり、ここどこ?」
これまた森としか分からない場所に出てしまった
「これからどうするの? むやみに動くのは危険だし」
「可南子ここどこだか分からないの?」
「分かるわけないでしょ、この辺り一定の全地形知ってるわけない。いったいこの辺り何 キロあってどんだけ複雑な地形だと思うの」
確かに、知ってろっていう方がムチャな話だ
「ここなら箒を呼べるかも、上から見れば何かわかるかも」
勇人は言い終わると
〈ヒュゥー〉
それに向かって口笛を浮いた
そしたら。
〈ピュゥー〉
上から何か降ってくるような音がしてきた。そしてぞれが
〈ゴンッ〉
絆にぶつかった
「イタ、何するんだよ」
「悪い、まさかそこに落ちるとは思わなかった」
「かんべんしてくれよ」
絆は箒が当たったところをさすりながら勇人に文句を言う
「悪い悪い、じゃあ上を見てくる」
勇人は箒にまたがると上に向かって飛んで行った、そして五分ぐらいしてから勇人は戻ってきて。指をさしながら
「こっちに大きな町みたいなものがあってその反対側に大きな湖があって他は全体的に森」
ならここは
「お兄ちゃん湖の後ろに滝みたいなの無かった? あとその町の後ろに海が無かった!」
「えっと、確かに水の流れは後ろに向いていたし海もあったよ」
やっぱり、ここがどこだか大まかに分かった
「お兄ちゃん滝の方に行こう」
「なんで?」
「いいから」
説明するのがめんどくさい。勇人に話をしあと可南子を見た。可南子は玖留美たちの方を睨んでいる、可南子もここがどこだかの大まかな位置が分かったみたいだ
逆方向には行かせない、絶対にみんなであの学校に帰るんだ
「お兄ちゃん滝の方はどっち?」
「えっと」
勇人は困って慌てたように目をそらす
「もう一度見てくる」
勇人はもう一度箒に乗って上に飛んで行って戻ってきた
「こっち」
勇人は指をさして歩き始めた
こっちであってるといいんだけどもしここがあそこで反対側だったらいろいろな意味で 大変だなわざわざこっちから近づいてるんだから
玖留美はそう思いながら歩いていると
〈ザザザザザザー〉
水が勢いよく落ちる音がしてきた
「滝が近づいてきてるのかな」
「そうかもね」
可南子を注してみておこう
そう思い少し後ろを見ながら歩くから玖留美一人のスピードが落ちる。
そう言えば……
「宮凪さん、崖で落ちそうになった時に姉さんって叫んでなかった? あと何回か玖留美って名前で叫んだでしょ」
絆は少し考えて後
「……? そうだったけ」
完全に忘れてる
「覚えてないのいろいろな意味でびっくりしたんだよ、突然名前で呼ばれたんだから」
「ああ、あの時か」
絆は顔を落とす
「ゴメン、変なこと聞いちゃったね」
この話はもうしないようにしよう
「あのね玖留美、絆の……なんでもな」
「玖留美って絆のお姉さんに似てるもんね」
千鶴は何かを言いかけてやめようとした時、飾音が被せるように言ったら
「まぁ、見た目だけなら、似てるかもな」
絆はそう吐き捨てるが、それ以上何かを言おうとしなかった
そしてそのまま変な空気のまま歩き続けてどんどん滝の音が大きくなっていく。そして
「見えた、あれじゃない」
滝か見えてきた
そして反対側の崖を見て
「見えた、あれじゃない」
滝か見えてきた
そして反対側の崖を見て
「えっと、こっち側だね、というか忘れてただけど崖をよじ登ることになるかも」
すっかり忘れてた
玖留美たちは崖に近づいて行く
「あの、俺の箒で一人ずつから上に連れてい来るよ」
「本当お兄ちゃん」
慌てて振り返る
「うん、で順番なんだけど可南子と玖留美は千鶴ちゃんと宮凪くんはの間に入れよう。あと鎖は箒にあっても平気だからしっかり箒につかまってね」
「なら私一番に上に行きます」
千鶴は手を挙げて勇人と一緒に箒にまたがる。そしてどんどん上に上がって行き戻って来た
「次は玖留美」
「う、うん」
玖留美は勇人の後ろにまたがる
「けっこう早いからバランスとか気おつけろ」
勇人の言葉が言い終わると箒が浮き始めた
「二年になったら箒の授業やるからここで少し慣れたらどうだ」
そんなこと言うけどバランスとれなすぎ
「な、なんか言った」
すごいフラフラする
使考えていたら上に着いていた
「次に可南子ちゃん連れてくる」
勇人は下りて行った
「このまま何もないといいんだけど」
「だね千鶴」
すぐに賛成する
でもそんなこと起こるわけが無かった
その後すぐ勇人は可南子を連れて戻って来たが
「最後に絆君を連れてくるね」
お兄ちゃんは下りていくが
「わぁ!」
宮凪さんの声!
急いで下を見る、そしたら
「誰あいつら」
絆が三人の男に囲まれている
「待ってろ、今いく」
お兄ちゃんはさっきとは比べ物にならないスピードで急降下してあっという間に下に付く、そのスピードのまま
「掴まれ」
お兄ちゃんは手を伸ばし絆を掴んで上がって来る
「急げ」
勇人は上に着くと箒を下りて走り出す
「玖留美どっちだ」
「確か」
可南子に連れまわせれた時のことを思い出す
そのまま走っていると
「西藤さん」
「先生」
先生たちと合流できた
「先生みんな」
そのまま走っていたら
〈キンッ〉
金属音とも違うでもそれに近いなんか聞いたことある音が聞こえた
何の音
「玖留美!」
可南子?
そう思い振り返ったら可南子が玖留美の目の前に割り込んできた、次の瞬間
〈ドッカン〉
え?
ものすごい爆発音の後、可南子は覆いかぶさるように倒れてきた
「可南子どうしたの?」
玖留美は体を起こして可南子を見たら
――可南子は血だらけだった――
「可南子?」
何⁈ 何が起こったの? 何で? なんで可南子怪我してるの? 何で私の前に来たの? ……私のせい?
「はぁはぁはぁはぁ」
どんどん息が上がる
〈ザッザッザッザッ〉
誰か近づいて来る
「やっぱりそう言うことか」
この声は
顔を上げると思ったとうり可南子のお父さんだった
「なんで、なんで可南子を」
「なんで、俺が狙ったのはお前だ玖留美。お前がよけなかったから可南子がくらったそもそもお前のせいなんだぞ、玖留美」
可南子のお父さんは少し笑いながらゆっくり話す
「私のせい」
今までの中で一番力の入っていない声が出る
「私の、私の」
そう何度も何度も呟いていいたら
〈ピト、ピト〉
可南子の顔に雫か落ちる
それが自分の目から落ちていることを気付くのには時間がかかった
「可南子? ねぇ起きてよ、ねぇいつもみたいに話よ、ねぇ」
玖留美は可南子の体を何度もゆする
「あ、あぁ、ああぁー」
(ビギ、ビギビギ)
でも、可南子は何の返事もしてくれない
「ああぁー、ああぁー‼」
玖瑠美は大声で泣き始めた、次の瞬間には
〈バギン〉
ヒビだらけだった魔封じの鎖は粉々に破壊された
〈キーン〉
目の前に大きな魔法陣が現れる
でも玖留美は叫び続けた。
〈キンッキンッキンッキンッ〉
まるで玖瑠美の絶叫と共鳴するように、新たに四つの魔法陣が現れる
「わっ、ちょっとこれは……逃げとくか」
可南子のお父さんはその光景を見て逃げて行った
去る寸前に千鶴たちはある一言を聞いた、それの意味を分かった人はあそこには居なかっただろう。そして玖留美は
「ああぁー」
叫んでいる時の玖留美には聞こえて無かっただろう、でも
「玖留美」
「可南子」
可南子が目をさまし玖留美に話しかけた、でもその声はとても弱弱しく簡単に消えてしまいそうな声だった
「ごめんね庇ったりして、でもどうしても庇わずにはいられなかったんだ。玖留美に近づいたのはお父さんに命令されたからだけど玖留美といる時間は楽しかった、お父さんの命令しか聞けないような、まるで人形のような可南子しかいないと思ってた私が玖留美といる時間は普通の女の子の可南子がいたことに気が付いた、ううん玖留美が作ってくれたの。スパイとしての存在価値しか無かった私を玖留美が私に、ほかの存在価値を全部与えてくれたの。だから……」
そこまで言うと可南子は玖瑠美のほほに手を当て
「ありがとう」
絞り出すような声でお礼を言う
「そうだ、可南子自分に回復魔法すれば、そうすれば……」
現実を受け止められないようにあえぐ玖留美だったが、諭すように可南子はゆっくり首を振る
「私の魔力じゃこの傷を治すのには全然足りない。この傷を治すにはそれこそ玖留美並みの魔力が必要、でも玖留美の量じゃ多すぎかな」
「……私にその魔法が使えれば、可南子を……」
「別に、私の不注意だったし防御魔法もあったのに使わなかったのは私……」
可南子はそこまで言うと一度大きく目をつむり
「さようなら、玖留美」
そこまで言うと、何度か口を動かした後、玖留美の頬に置いていた可南子の手が重力に従い滑り落ちた。最後の言葉はもうほとんどただの息に近く本来聞き取れる物ではなかった、でも
――笑って
玖留美には可南子の口からはそうはっきり聞こえた気がした
そして玖留美は涙を流しながら必死に笑顔を作った
…………
そのままどれだけの時間が経っただろう。最初に口を開いたのは勇人だった
「可南子ちゃんありがとう、玖留美を守ってくれて」
「お兄ちゃん、うぐ、えっ……えぇーん、えぇーん」
勇人にしがみつき、玖留美は泣き続けた。今度は魔法陣など出ず、それでも玖瑠美の泣き声はどこまでも甲高く、聞く人の心をえっぐた
…………またどれだけ時間がたったか分からない、それほど泣き続け、涙が枯れるまで泣き続けた。そんな玖留美に対して勇人は何も言わず玖留美の頭を何度も撫でていた。
玖瑠美は自分にあんなに叫び続けられる力があることに驚いた。
涙が枯れたあとも声が枯れるまで叫び続けた。その時誰も話しかけず黙っていた、かけ る言葉を知るものなどあそこには誰もいなかった、かけるべき言葉なと存在しなかった
その後、玖留美は勇人にしがみついたまま学校に行く道も、静かな静寂が包んでいた
その後学校で良く分からない、たぶん魔法総合連盟の人だろう思う人に可南子についていろいろ聞かれて家に帰るころには外は真っ暗だった
「玖留美、大丈夫か」
お兄ちゃん
「大丈夫、ありがとう。……可南子……笑てって……言ってたもん」
ガラガラな声でそこまで言い、勇人を見て
「笑わないと」
無理やりに笑顔を作った
そんな話をしていたら
「西藤さん、家までお送りします」
後ろに可南子について聞いて来た人がいた
「あの女が言ったと思いますが、膨大な魔力を持っているあなたは国としても大切な人なんです」
そう説明されるが
「可南子です、あの人の名前は可南子なんです」
何を返すかと考えられるほど玖瑠美は冷静ではなく、もはや心打ちすべてがそのままの言葉で口から出た
「それに、帰りはお兄ちゃんと二人でいいです」
玖留美は言い終わると勇人の手を引いて家を目指した。その後帰るまでは我慢できたが、 家の自分の部屋のベットに乗ったらまた抑えていたものがあふれ出る
途中で机の上を見た。そのまま机に近づき携帯の可南子とのメールや通話履歴を見る、何らかの無力感がたまる気がした。
涙は振り払っても振り払っても何度でもあふれ出る。そのたび無理やり笑顔を作るがその笑みも数秒もしないうちに無力感に戻る
なるで過去にすがるようにその夜、部屋の明かりが消えることは無かった
:次の日 学校:
「おはよう」
そう言う声が行きかうそれはそれでよかった変に昨日のことを話もネタにでもされていたら玖留美はどうすればいいのか分からないから
「玖留美、おはよう」
! 突然後ろから声をかけられたと思って振り返ったら千鶴たちだった
「おはよう千鶴、宮凪さん、嘉穂森さん」
玖留美はなるべく明るい声で言う、でもやっぱり声はまだガラガラだった
「昨日はゴメンね、忘れてもらって構わないから…………というか、早く忘れて」
玖瑠美は自分の顔を隠すように下を向いた
「玖留美、考えるだけで泣きそうになるような大切な友達のこと簡単に忘れちゃだめだよ」
そんな些細な言葉で、玖瑠美の胸はじんわりと温まる
「ありがとう」
千鶴にお礼を言うと、教室の方を見て
「さぁ、授業、授業」
玖留美がわざと声に出して準備を始める
「分からないところあったら言えよ」
その後ろで絆がささやいた
「……ありがとう」
今の一言で何か心が少しすっとした気がした
よしっ決めた私もSクラスめざそう
千鶴の言葉で温まり、絆の言葉で楽になった胸は少しだけ前を向くことができた
:二か月後:
「今日が一学期の最後の日、そして」
第二のクラスの試験日
緊張する
「玖留美」
この声は
思わず安心して口がほころぶのが分かる
さっきまで感じていた緊張を横に押しのけて振り返る
「とうとう今日だね千鶴、宮凪さん、嘉穂森さん」
玖留美たちは互いの顔を見合う
「私は絆と飾音と玖留美、全員でSクラスになりたいな」
「うん」
「この中で一番心配なのは西藤だな、魔力操作気おつけろよ」
「分かってる」
そんな会話をしていたら
「西藤 玖留美さん、技術科試験の順番です」
玖瑠美の番になった
「はい、じゃあ頑張ってくるね」
玖留美は叫んで校庭を目指す
そして
「じゃあお願いします」
玖留美は一回深呼吸して、この三か月ずっと練習してきた魔法陣を出す。
初めて使った二か月前には魔力捜査がうまくいかず火柱を立ててしまった魔法
でも、千鶴や絆、飾音が何度も何度も練習に付き合ってもらた結果を
玖瑠美は失敗したときの不安よりも成功したときの喜びが浮かび笑みを浮かべながら手を出す
魔法は変に意識せずとも自然と発動した
火柱はおろか少し小規模にまでなってしまったと思う
先生はそれを見て
「はい、いいですよ」
表情一つ変えずに言い、そう言われた玖留美は教室に戻った
「どうだった?」
教室に戻ると千鶴たちが聞いて来た
「魔力絞るのはうまくいったけど、絞りすぎて少し小さくなった気がする。あとは分からない」
そう言う玖留美に対して
「早く二学期が来るといいな」
絆が意地悪ぽく言う
でも玖留美は
「そうだね、本当は二学期の授業少し楽しみなんだ」
玖留美は今、心の底からそう思い笑顔を作る
「そうだね、でも。岡ノ上の夏休みは感覚的に短いよ」
「そうなの、なら楽しみだな」
そんな無駄話をしていたらあっという間に知識科の試験が始まった、でも昨日四人でも勉強したから思ったより簡単に終わった
「ふぅ、やっと終わったね」
「ああ、夏休みは三週間だぞ」
「それぐらい少し調べれば、分かるよ。宮凪さん」
また玖留美たちの無駄話が始まった
「Sクラスになったらいきなりクリスタルの授業から始まって、Aクラスからは一学期の復習から始まるんだ」
少しむちゃくちゃだな。でも、やっぱり楽しみ
「西藤、帰るぞ」
さっきまで話していたみんなは荷物を持って待っている
「うん、今いく」
玖留美も荷物を持って早足に近づく
「二週間だけど夏休みどうする?」
「もちろんSクラス合格を仮定して予習」
予想道理の答えだった
「三ヶ月だけでもうすっかり私たち三人の仲間入りだね。西藤さん」
「確かに。そうだ! 予習にはうってつけの人がいるよ」
玖留美は勇人を思い浮かべる
「玖留美のお兄さんでしょ」
「うん、そうだよ。ねぁ、これから空いてたらお兄ちゃんに教わりに行く?」
「「「行こう」」」
見事に三人の言葉は重なった
「でも玖留美のお兄さんは」
「大丈夫、お兄ちゃん帰っても暇みたいだから」
玖留美は言いながら家の中で暇そうに寝ている勇人を思い浮かべる
「じゃあ行こう」
その一言で玖瑠美たちは一緒に歩く
二学期が楽しみだな
玖留美は今日、何度も言ったことを考えながら歩いた。
ハッピーエンドとは言えないラストにしました。
こういうラストが嫌いという方は、本当に申し訳ありません。