2話 勇者召喚
「うわっ!?」
「おっと。マスター大丈夫ですか?」
空中に投げ出された僕をラピスは危なげなくキャッチして着地する。
「・・・・・あ、ありがとう」
いや、ありがたいだけどなんでお姫様抱っこなんだよ。恥ずかしいだけど。
「・・・・・・・ここは神殿?」
今、冒険者達が立っている魔法陣を中心に、おそらく神殿のような雰囲気が広がる広間だった。そして、魔法陣の外には魔法使い風の人達が多数立っていた。様子から察すれば彼等が召喚魔法を行った術者だと思う。
「まずは謝罪をさせて下さい。こちらの都合により召喚を行い、無理矢理な招待をした無礼をお許し下さい」
魔法使いの集団の中から一人の女性が出てきて言った。
「私に差し出せる物ならなんでも差し上げます。だから、どうか!どうかこの世界をお救い下さい!」
女性が地面に膝をつき手を組み頭を下げて懇願する。他の魔法使い達も女性にならって一様に懇願してきた。
「ちょ、ちょっと待って下さい!き、急に言われても!」
急展開についていけずテンパる僕はとりあえず頭を上げてもらおうとしようとする。
「ふむ?なんだが分からないですが、とりあえず図が高いです」
グシャッ!
『ぐぇっ!?』
ラピスがそう言うと、女性や魔法使い達の頭がいきなり下がり地面にめり込みヒビ割れする。
「ラピスゥゥゥゥゥゥ!?」
ちょ!?なにしてんのさ!?




