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リーちゃんと家電たちの夏  作者: 大門しし丸
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99、本体、到着

99、本体、到着

 間違いない。これは神眼コンタクトだ。みんなの心に直接話しかけているんだ。


 辺りを見回すが、魔神オカマの姿は見えない。しかし、神眼コンタクトは相手が見える所にいないと使うことが出来ないはずだ。

 いったいどこに隠れているんだ? レジャズとダイさん、そしてサンシャインスリーは地上に降り、リーちゃん姉妹を囲み辺りを警戒した。


 「ギャワワワン! ウゥゥー」


 ベフちゃんが鉄塔の中腹あたりを睨み付け、激しく吠えた。全員が視線の先を見ると、そこには、足を組んで鉄塔のもたれかかっている魔神オカマがいた。


 「あ、めっかっちゃったギャ、まったくクソ犬君にはかなわないギャ」


 いつからいたのか分からないが、五重丸の言うように小さくなって鉄塔の陰に隠れて、こちらの様子をうかがっていたのだろう。

 みんながザワつく中、サンシャインレッドは高々とアイスブレードを突き上げ、自信満々に言った。


 「なんだよ、本物ったってさっきのと変わらないじゃん。本物もオレ達サンシャインスリーでやっつけられるんじゃない?」

 「ギャギャッ、そう思うならかかってこいギャ、誰でも相手してやるギャ」


 「まずいっ」


 そう思った五重丸は臨場感でみんなの姿を魔神オカマから見えないようにした。


 「そんなことしても無駄ギャ。何ならこの山ごと吹っ飛ばしてやろうかギャ」


 ゆっくり立ち上がった魔神オカマは、不敵な笑みを浮かべ、リーちゃん達がいるであろう辺りを睨み付けた。

 そして地上ではリーちゃん姉妹が、余計なことをほざいたサンシャインレッドに馬乗りになって押さえつけた。そしてソニーブラックは魔神オカマの攻撃に備え、ディスクシールドを上空に向け大きく広げた。


 「むぎゃ、重い重い!」

 「ほんとにもう、余計なことばっかり言うんだから、あんな大きいのに勝てるわけないでしょ」

 「え? 大きいって、さっきオレ達が倒したニセモノと変わらないじゃん」


 そう言えば、サンヨーは神社での戦いの時、魔神オカマがコンポーダンボールを破壊した時の衝撃で吹っ飛ばされ、気を失っていたので魔神オカマの実物大を見ていない。

 まさに怖いもの知らずだ。それを横で見ていた五重丸は、サンヨーとリーちゃんに話しかけた。


 「レッド、魔神オカマはひとまずレイちゃん達に任せておこう」

 「じゃ、オレ達は何すればいいんだよ」

 「君たちサンシャインスリーは、リーちゃん達と一緒にいてくれ。ヒーローは最後の切り札として取っておきたいんだ」

 

 ヒーローは最後の切り札……その一言はヒーロー気取りのサンヨーの心をくすぐった。リーちゃん姉妹の下敷きになっているサンヨーは、まんざらでもない様子だ。


 「分かった。分かったから降りてくんない? ピンクとバイ何とか。重いんだけど」

 「リーピンクとミーバイオレット、ちゃんと覚えてよ」


 「リーちゃんは電気釜を出す準備をしておいてね」


 五重丸にそう言われ、ベルトの小物入れからヘブレ―ジボックスを取り出し、ぎゅっと握りしめた。


 と、その時


 ドーーーン!


 突然、山に雷の様な轟音山に響き渡った。グダグダしているうちに、魔神オカマが先制攻撃を仕掛けてきたのだ。


 「わっ来たぞっ! ブラック踏ん張れ、逃げんじゃねーぞ!」

 「お、おう」


 アツアツの水蒸気の塊が頭上に迫ってくる。サンヨーと東芝はディスクシールドを下から支え攻撃に備えた。


 「トコちゃん、ほな行くで」

 「はーい」


 家電達も何か作戦を考えていたようだ。レジャズはトコちゃんに合図し、飛び上がる準備をした。


 ズーーーン!


 魔神オカマの攻撃がディスクシールドに命中。ニセ魔神オカマの攻撃とは比べ物にならない程、重く強力だったがサンシャインスリーは何とかそれをはじき返した。

 そして着弾と同時に、トコちゃんが呪文を唱えた。


 「勝手に氷、アイスピラーッ」


 女の子と言えど、家電最強のパワーを持つ冷蔵庫だ。大きな氷の柱が、勢いよく上空に向かって伸びていく。その氷柱に沿うようにレジャズとダイさんが飛びだした。

 魔神オカマのいる高度に到達した2台はレジャズちゃんは横、そしてダイさんは魔神オカマから見て後方に進路を変えた。


 「ギャギャッ、何する気だギャ」


 「今やダイさん!」

 「おう、がってんだ! サイクロンバキューム!」


 ダイさんの吸い込み口がすごい勢いで吸引を始めた。魔神オカマは吸い寄せられ、氷の柱にぶち当たった。


 「よっしゃー! バッチリや! 急速冷凍フリーズ!」


 レジャズは氷柱にぶち当たった魔神オカマに向け冷気を発射した。魔神オカマは氷の十字架に貼りつけられたように氷漬けにされてしまった。


 「リーちゃん、今やっ……SR-18を魔神オカマに当てるんや……ダッシュダーッシュ」


リーちゃんはうなずき、ヘブレ―ジボックスから取り出したSR-18を抱え、上空へ向かった。ミーバイオレットとサンシャインスリーもその後を追う。


「割と簡単に片付いたじゃん、もっと激しいバトルになると思ってたのに」


 サンシャインレッドはつまらなそうに言った。確かに、あとは神の御霊をSR-18に戻せば、電源のない魔神オカマは動けなくなる。めでたしめでたし。


……と思っていたら、リーちゃん達の心に、再び魔神オカマが話しかけてきた。


「つまらなそうだギャ、じゃあもう少し遊んでやろうかギャ?」

「え?」

「者共、行け! 行くギャ」


「ギャ」 「ギャギャ」 「ギャッ」


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