98、サンシャイン3ヒーローデビュー
98、サンシャイン3ヒーローデビュー
レジャズちゃんVSニセ魔神オカマ。
両者が戦いを繰り広げるその下から、へんてこりんな歌声が聞こえてくる。
「ゴーゴー無敵のオレ達サンシャインスリー、ジャジャン♪」
「……」
3人はあきれ顔で絶句したレジャズとダイさんの前にスッと止まり、それぞれの武器を構えてカッコよくポーズを決めた。
「待たせたな、レジャズ」
「あぁご苦労さん……と、ちゃうわ! お前ら何しに来てん……下でリーちゃんを護るんじゃなかったのー?」
「ここはオレ達サンシャイン3に任せてくれ、元々コイツはオレの獲物だからな」
獲物って、確かにこのニセ魔神オカマは弱っちいし、ちびっ子とは言え3人がかりなら勝てるか、な? それに勝算がないなら下で五重丸が引き留めているだろうし……うーん。
今にも飛び掛かっていきそうなサンシャイン3を見て、考えているレジャズにダイさんが近寄り囁いた。
「レジャズよお、野暮なこと言わずにやらせてやんな、やばくなったらオレ達が助太刀すりゃいいじゃねえか」
「そら、そやけど」
「ほらぁ見ろ、五重丸も倒せるって言ってたし、安心して休んどいてくれ」
イライライラ……
「いい加減にしろ、お前らいつまで待たせるつもりギャ、どっちでもいいからかかってこいギャ!」
しびれを切らしたニセ魔神オカマは、レジャズ達めがけて、大きめの水蒸気弾を撃ちこんできた。
ドーーーン
「わっ、来たっ」
攻撃に対しソニーブラックは素早く身をひるがえし、ディスクシールドを構えた。シールドは全員を守るようグンと拡大し、水蒸気弾を跳ね返した。
「いいぞブラック!」
「なかなかやりよるな……ほな、オレ達はベンチ温めておくわ……がんばってねー無理しちゃダメよー」
戦いの邪魔にならないよう下がって行くレジャズに、サンシャインレッドは親指を立てて見せた。ヘルメットで見えないがその顔は自信満々だ。
3人はソニーブラックを先頭に正三角形の編隊飛行で、ニセ魔神オカマに向かっていった。
対するニセ魔神オカマは、無数の水蒸気弾を撃ち込んでくる。しかしそのほとんどはソニーブラックのシールドに跳ね飛ばされ、受け損ねた分は後方のサンシャインレッドとシバゴールドが受け流してゆく。
「こっちも一発食らわしてやっか」
ソニーブラックは攻撃を防ぎながら、もう一方のディスクシールドをニセ魔神オカマめがけ投げつけた。
ディスクシールドはカーブするように曲がり、ニセ魔神オカマの左足を切断し戻ってきた。ニセ魔神オカマは一瞬ひるんだが、そのままの状態でひたすら水蒸気弾を撃ち込んでくる。
「あっ、ソニーがオカマの足を切っちゃったよ」
「本物のオカマみたいに再生はしないようだね」
「やったー! それじゃサンシャインスリー楽勝ね」
「うん……でも何か引っ掛かるんだなあ」
五重丸の頭の中に、神社で戦った時の事がよみがえる。あの時、魔神オカマはサンヨーに自分の魂を引っ張り出させるため、わざと負けた。
わざと負けて自分が「悪」になるきっかけを作ったサンヨーの手を借り、「極悪の魔神オカマ」になった。
今回もあんな弱いニセモノを出してきて、何のつもりなんだ? ただの時間稼ぎ? いや「何月何日、何時ごろに行きますよ」って約束していた訳じゃないし、そんなことする必要は全くない。それにいきなり現れて攻撃してくる方がアイツらしいし……
「何を企んでるんだろう……」
心配する五重丸の横でトコちゃんとリーちゃん姉妹の女子3人が、上空で戦っているサンシャイン3に熱い声援を送る。
「やっちゃえ、やっちゃえ、サンシャインスリー!」
声援を聞き、さらに調子こいたサンシャインスリーは、ソニーブラックをその場に置き、サンシャインレッドは上に移動、そしてシバゴールドは下方に飛び、ランドリースピアを構えた。
「ハンガーピーンチ!」
ソニーブラックが叫ぶと、ランドリースピアの口金から洗濯ばさみがたくさん付いた金網のような物が現れ、全体的に見るとハエたたきのような形になった。そしてランドリースピアはグンと伸び、ニセ魔神オカマの体を洗濯ばさみで背後から固定した。一見頼りないようだが、ニセ魔神オカマが藻掻いても全然外れない。拘束力はけっこう強いようだ。
「今だ、レッド! ブラック!」
「おぅ!」
サンシャインレッドはアイスブレードに念を込め、一気に振り下ろした。切っ先から冷気が飛びだし、ニセ魔神オカマに向かって飛んで行く。
ソニーブラックも両手のディスクシールドを水平に投げ放った。
全弾命中、二人の攻撃を喰らったニセ魔神オカマは6つに切断され地上に落ちていった。
「よっしゃー!」サンシャイン3はスーッと元の位置に戻り、勝利のポーズを決めた。
「凄い凄い、3人ともようやったな……なかなかカッコよかったで……これでもう一人前のヒーローねー」
地上で観戦していたリーちゃん姉妹とトコちゃんもぴょんぴょん跳ねながら喜んだ。
「あいつらやるじゃん、バラバラにしちゃったよ」
「そうだね、それぞれの持っている武器の力を活かしたいい攻撃だったね。ただ……」
「え? 何なの、五重丸」
「ニセ魔神オカマの負け方がわざとらしすぎる」
「またそれぇ? 五重丸プロデューサー何が気に入らないの?」
勝利にケチをつける五重丸プロデューサーにリーちゃんは文句を言った。ニセモノとはいえ、再生できない相手をバラバラにしたのだから、勝ちは勝ちでしょ?
不満げな顔で五重丸の方を見ていると、みんなの頭の中に聞きたくないあの声が響き渡った。
「ただいまーだギャ。オレの分身をバラバラにしてくれてありがとうギャ」




