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リーちゃんと家電たちの夏  作者: 大門しし丸
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62、ミミクリクリクリ……

62、ミミクリクリクリ……

 リーちゃんは右手でカミテレコンを高々と掲げ、左手は腰に、そして右足をヒョイと上げミミクリーのボタンを押した。


 「リー、そのポーズいるの?」

 

 必要ない。

 リーちゃんが自分で考えた決めポーズで、何の効果もない。

 ミーちゃんの細かいツッコミを横目で受け流しながら、リーちゃんは唱えた。

 

 「ミミクリクリクリ、パチンコになぁれっ」


 リーちゃんの言葉に反応し、カミテレコンは光に包まれ変形を始めた。

まもなく光が止むと、リーちゃんの手には金色に輝くパチンコが握られていた。


「ジャジャーン! これでコンポーダンボールをこうやって飛ばすのよ、いい考えでしょ?」


 リーちゃんは得意気にパチンコのゴムをギュッと伸ばしパチンと弾いて見せた。

 なるほど、ベタではあるがこれを使えばコントロールがいまいちのリーちゃんでも、魔神オカマから距離を取り、狙いを定めることができる。


 「あんたにしてはいい考えじゃない、わたしもやってみよっと」


 ミーちゃんも自分のカミテレコンを頭から外して手に持ち、ミミクリーボタンを押し、目を閉じて言った。


 「パチンコになあれ」

 「あれ? ミミクリクリクリって言わなくていいの?」

 「言わなくていいよ、そんな呪文みたいなの」


 カミテレコンは神具なので元々呪文など必要ない。どうやら「ミミクリクリクリ」はリーちゃんがヒエール様のところへ始めて言った時「あたしも魔法やりたーい」って言ったのを聞いて、ブラウン様が適当に作った呪文風の言葉で、何の効果もないようだ。


 「ふーん、そうなの。でもいいや、あたし気に入ってるからこれからも言うよ」


 変な決めポーズと同じく効果もないし害もない。どうぞご自由に。


 「あれ? お姉ちゃんのパチンコ、かたちが違うね」


 リーちゃんミーちゃんの横に行き、自分のパチンコと見比べてみた。ミーちゃんのパチンコはどちらかと言うとボウガンのような形をしている。

 同じ言葉を言っても頭の中で思い描いたイメージで形は変わるようだ。


 「あとは、サンヨーね。あいつ寝ないでずっと起きてるって言ってたけど、やっぱり寝ないとダメよね」

 「そうね、寝坊されて出発でグダグダするのはめんどくさいよね……すずちゃん、サンヨーにもおやすみタイマー掛けられる?」

 「できるよー、でもサンヨー君の家に行かないと出来ないからー、わたしを出しといてくれるー?」


 すずちゃんのおやすみタイマーは、ある程度近寄らないとかけられないらしい。そこで寝る前にすずちゃんを出しておいて、リーちゃん姉妹を寝かした後、サンヨーの家に飛んで行きサンヨーにおやすみタイマーを仕掛けよう、と言う事になった。


 「でもさ、すずちゃんが魔法をかけにいっても素直にかかってくれるかな」

 「そっと近づいて、いきなりかけちゃうのよ。寝てしまったらお母さんかお父さんがベッドまで運んでくれるでしょ」

 「ははっ、そうだね。どうせいつもグダグダ言って夜更かししてるんだろうし、寝てしまったらもう起こさないよね」


 よしよし、靴もこっそりベランダに隠してあるし、これで準備は完璧だね。あとはいつもより早く寝るためにお風呂も早い目に入って、髪の毛乾かして、歯磨きして……あっ、大事なことがもう一つ。


 「ねえ、リーあんた何着ていく?」


 別に遊びに行くわけじゃないんだから、動きやすければ何でもいいんだけれど、子供だけども女子だし、何でもいいって訳にはいかないのだ。


 「うーん、めっちゃ動き回るかもしれないしスカートはダメね。パンツ見えちゃうし、夜だから蚊に刺されるしね……暑いけどジーパンかな?」

 「それじゃ可愛くないじゃん。わたしはこの超ミニフリフリとこれで行こうかな」


 ミーちゃんはタンスの中から超ミニのフリフリスカートに黒のレギンスを合わせてリーちゃんに見せた。


 「あ、そうか。それなら動きやすいしパンツも大丈夫ね。じゃあたしもジーパンやめてそんなのにしようかな」


 そう言ってリーちゃんもタンスをガサガサとあさり始めた。


 「あった! これこれ、このミニスカートみたいなキュロットの下に赤のスパッツでどうかしら」

 「うん可愛いじゃん。じゃ上はどうする? 私はこの肩に穴の開いたやつにしようかな」

 「えーでも夜だし蚊が……」

 「大丈夫よ、レイちゃんのパーシャルで虫刺されも防げるんじゃない? 多分だけど」

 

 おいおい、レイちゃんは虫よけスプレーかよ。


 「いーな、いいなー、わたしもオシャレしたいけど扇風機だしー」

 「すずちゃん諦めちゃダメよ、ほら、これつけてあげるから」


 そう言ってリーちゃんは、すずちゃんの前カバーに赤いリボンをつけてあげた。


 「やったー、かわいいー」

 「じゃ、わたしはこのうさぎさんを首振りボタンに付けてあげよう」

 「キャー、かわいすぎるー」


 どうでもいいけど君たち、寝るまでには何着ていくか決めてくれよ。


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