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リーちゃんと家電たちの夏  作者: 大門しし丸
120/154

120、魔神VSリーちゃん達VS警官

120、魔神VSリーちゃん達VS警官

 ウゥ~~ウゥ~~

 ピ~ポ~ピ~ポ~

 ウ~カンカンカンカンカン


 夕暮れ時の町中に響く、様々な緊急車両のサイレン。

 分裂した魔神オカマが、あちこちで暴れまわっているようだ。

 警官が持っている警察無線からは、それぞれの現場状況を伝える声、救援を要請する叫び声が飛び交っている。


 「くそっ、どうすればいいんだっ」


 ちっこい戦士に「みんなを避難させてっ」と言われた警官だが、パトカーを破壊され動くことが出来ず、ただうろたえるばかり。


 「ん?」


 その時、若い方の警官は耳を澄まし、ハッとした表情でもう一人の警官の肩をゆすった。


 「じゅ、巡査部長! ほら、聞いて下さい、パトカーのサイレンがこっちに近づいてきますよ」

 「本当だ、しかも1台じゃないいろんな方向からこっちに近づいてくるぞ」


 よし! 俺たちは見捨てられてはいなかった! と意気消沈していた警官はやる気を取り戻し、大通りの方に駆けだした。

 遠くにパトカーのサイレンが聞こえ、赤色灯がこっちに向かって走って来るのが見える。


 「俺たちも合流して、住民を避難させよう、おーい!」


 2人の警官はパトカーに向かって大きく両手を振った。けたたましくサイレンを鳴らし近づいてくるパトカー……ん? パトカーだけじゃない、よく見るとその前に何かが飛んでいる。

 別の方向から来るパトカーもまた、何かを追いかけながらこっちに向かってくる。いや、それだけではない、空からも無数の何かが……若い警官がそれを見て言った。


 「あ、あれはさっき化け物から分かれて飛んで行った奴らだ」

 「でも飛んで行ったのは2匹だけだったのに、いっぱい来るぞ、どこから出てきやがったんだ?」

 「宇宙人だ! 宇宙人がUFOから仲間を呼んできたんだ!」


 そう、コンビニに向かって集まってきたパトカーは援軍ではなく、分身たちを追跡していてここにたどり着いたのだ。

 集まってきた十数台のパトカーは、目前に現れた巨大な魔神オカマを見て一斉に急ブレーキをかけた。


 キキーッ‼


 「何だ! このでかいヤツは! こいつらの親玉か?」


 呆然とする集まってきた警官たち。その中の一台のパトカーに、2人の警官は駆け寄り改めて状況を説明した。


 「親玉かどうかは不明ですが、みんなの追いかけてきた者はあの大きな怪物から出た、というか分裂したもので」

 「なにっ? あの空からいっぱい飛んでくるヤツもか?」

 「い、いや……僕たちが見たのは2体だけですが、あいつらにはそういう能力があるようです」


 2体?……2体! そうか、そう言うことか。警官たちのやり取りを聞いていた五重丸はピンと気が付いた。


「魔神オカマは、完全に復活したわけじゃないんだ……どういう事やねん五重丸」

「あいつは完全な分裂は出来ないんだ……分裂してるやん実際……でも2体だけだろ?」

 「ちゃんと説明してえや……今の魔神オカマは、神ではなくボク達と同じ家電達だ。電源が無くては動けない」

 「どっかに電源につながった家電があるからやろ? そう言ってたやん……本体はそれで動けるけど切断されたり、分裂した分身は動けないんだ……でもさー動いてるしぃ何でー?」

 「コンビニのレジから奪ったバッテリーを分身に持たせたんだ。コンビニのレジは2台……あ、そうか。そやから分身も2体しか出せなかったんやな……ベフ?」


 五重丸はバビエオしてレジャズベ5になった後も、魔神オカマを観察していた。神の御霊を奪われる前と何が違うのか、と。

 見た目を変えたり巨大化したりは出来るが、体から切り離された分身は操ることはできない。サンシャインスリーに切断された腕も、どさくさ紛れに自ら回収していたし。そして相手の心を読む神眼コンタクトも使えないようだ。神の御霊が無いとこれらのことが出来ないようだ。


 「2体の分身が、それぞれコンビニやスーパーを襲撃してまた分身を作る。これを繰り返してあれだけの数になったんだろう……見て見てー、分身たちがクルクル回ってるよー」


 「ギャギャッ、おかえりーご苦労さん」


 帰ってきた分身たちは、魔神オカマの頭上でクルクルと回転し始め、1体、また1体と魔神オカマ本体へ飛び込んでいった。そのたびに魔神オカマの体はグングンと大きくなり、体の色もドス黒い赤色に変化していった。


 「ギャッハハーッ! 体が、体が燃えるように熱いギャ、最高だギャ」


 「また大きくなりやがった。みんな撃てーっ!」


 警官たちは魔神オカマに向け、一斉に射撃をし始めた。的が大きいので全弾命中はするが、やはり全然効いていない。

 魔神オカマは、つまらなそうな顔をして警官たちの方をチラッと見た。


 「キミたち、もう帰ったらぁ? 勝てるわけないんだからぁ」


 ドーーン! ドドーン!


 魔神オカマは、パトカーを数台吹っ飛ばし、素早く空中へ舞い上がった。そして……


 ドゴーーーーーン!


「それじゃあ皆さん、さようならぁ~ギャッ」


 魔神オカマはビッグエクスプロージョンを撃ち放ち、コンビニ一帯が火の海に包まれた。そしていやらしい笑みを浮かべ町へと飛び去っていった。


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