118、ヤツを追え!
118、ヤツを追え!
防犯カメラを壊され犯人の姿を確認する事も出来ず、遺留品も何一つ残っていない。レジを破壊したのに現金には目もくれず、バッテリーだけを奪っていった犯人は一体何者なのか?
そしてその後突然空中から現れ、華麗なポーズを決め、自己紹介だけして飛び去ってしまった5人のちっこいの。あれはヒーロー? それとも今噂になっている宇宙人?
不可解な事件と、常識では考えられない光景を見せられてしまった警官2人は、とりあえずそのままを署に連絡したが、
「何バカなことを言っているんだ!」
と怒られる始末。
仕方なく事情聴取の後、現場の写真を撮り帰ってしまった。
一方、もうちょっとの所で魔神オカマを見失ってしまったリーちゃん達。上空から見てもその姿を見つけることが出来ない。
「どこに行きやがったんだ、アイツ」
「ベフの鼻でも分からんみたいやな……ベフベフ……空からだと臭いが全然分からんって言ってるで……今、防犯カメラをサーチしてるから……あ、見て見てー、またパトカー来たよー」
すずちゃんが見つけたのは、さっきまでコンビニにいたパトカーだ。パトカーは一旦署に戻ろうとしたが、再び赤色灯を回しスピードを上げ次の現場へ向かっていった。
レジャズベ5とリーちゃん達はその後を追う。
「また事件かな」
「そうやな……あっ!……五重丸、どうしたん……コンビニが襲われた。今度は3店同時だ」
「えーっ」
町中の防犯カメラの中から、五重丸が異常な映像を発見した。なんと、今度は3つのコンビニが同時に襲撃されたようだ。リーちゃん達が追っているパトカーとは別のパトカーのサイレンが遠くに聞こえる。
「また分身かよ。どうする? 3班に分かれてやっつけちゃう?」
「いや、ここは用心してあのパトカーについて行こう」
サンヨーのやる気満々の提案をあっさり却下し、レジャズベ5は目の前のパトカーが向かっている方向に進路をとった。
魔神オカマが見た目だけではなく、どう変化したか正確にはつかめていないし、「分身イコール弱っちい」となめてかかるのは危険だ、と考えたからだ。
「東芝君とソニー君、僕らの上に乗ってダイさんとトコちゃんを呼びだして」
「分かった、ダイさんは飛べるけど、トコちゃんは飛べないからね」
「たのんだよ……あーっあそこ、あのコンビニじゃなーい?」
すずちゃんが前方にあるコンビニを見つけた。悲鳴や怒鳴るような声が聞こえ、駐車場から車が急発進して逃げていくのが見える。
「お? 奴さん、また性懲りもなく現れやがったな? わしが性根叩き直してやらぁ」
「ダイさんはトコちゃんとバビエオして、パトカーを追い抜くよ」
「レジャズベ5、オレ達はどうする?」
「もう、警察にもバレてしもてるし……山でも見られてるし隠れる意味ないわな……そうだね、無理しない程度に……一気にやっつけよー……ベフッ」
「よっしゃー! 行くぞーサンシャインスリーとキューティシスターズ、ゴーゴー!」
「やめてよもう! そのチーム名」
サンシャインスリーとキューティシスターズは臨場感の外に飛び出し、グンとスピードを上げた。
あっという間にパトカーを追い越し、コンビニの入り口付近に着陸すると、
ガッシャーーン!
ほぼ同時に店内から自動ドアをブチ破り、魔神オカマが飛び出してきた。
魔神オカマは奪ってきたバッテリーパックを体に押し込みながら、かっこよくポーズを決めるサンシャインスリーを見て、うんざりしたような顔で言った。
「はぁ、またお前らか、しつこい奴らだギャ」
「あたしらを知ってるってことは、やっぱり魔神オカマなのね」
「ん? そうだギャ、オレは魔神オカマだギャ。ちょっとイメチェンしたから分からなかったかギャ?」
「何がイメチェンよっ、ブッサイクになっただけじゃない!」
「そうよそうよっ、それにクサいし。オエー」
「クサいのはお前らがウンコ漬けにしたからだろーがっ! ったく、口の減らないクソガキだギャ、もうオレの邪魔するなギャッ」
ウゥ~~ウゥ~~
両者の言い合いが続く中、パトカーが遅れて到着した。
二人の警官は、ひきつった顔で状況を署に連絡している。多分応援を呼んでいるのだろう。人間ならともかく目の前にいる大男は、どう見ても化け物だ。応援も自衛隊? いや呼べるものなら正義のヒーローでも呼びたいくらいだ……
あれ?
大男の前に立ちはだかる、1、2、3……全部で5人
ヒーロー? まさかね、と思いながらも警官は、大男に立ち向かっているちっこい戦士に問いかけた。
「あの……あなたたちは、もしかして正義の味方?」
「さっきも言ったろ? オレ達は正義のヒーローサンシャインスリーとキューティシスターズだっ」
「そうそう、お巡りさんはもう帰って! お母さんに怒られるし」
……お母さんに怒られる……あーあ、やっぱり子供のヒーローごっこじゃないか。そうと決まれば、職務を全うするのみ。警官2人は盾にしていたパトカーのドアから低い姿勢で飛びだし、拳銃を構え魔神オカマの方へ走っていった。
「て、手を上げておとなしく降伏しろ! さもないと……」
ドガッ! ゴロゴロ、ゴロゴロ、グワッシャーーン!
火球が2人の警官をかすめ、パトカーに命中。車体は激しく回転しながら道路を横断し、向かい側の建物に激突し大破した。
「お巡りさーん、帰ったらぁ? ギャハッ」
火球を発射した手のひらから水蒸気が立ち昇る。魔神オカマはニヤッと笑った。
「やりやがったなコノヤロー……リーちゃん、みんなも気をつけて!」
レジャズベ5は身体をうならせ冷気を溜め、サンシャインスリーは間合いを取り、それぞれの武器を構え戦闘態勢に入った。
それを見て魔神オカマは、落ち着いた態度で言った。
「まあまあ、慌てるなギャ」
「慌てるなって、おま……」
ボコン、ボコン
魔神オカマの背中から二つの塊が地面に落ちた。その塊は見る見るうちに2体の魔神オカマに姿を変えていった。
「なに? また分裂?」




