表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リーちゃんと家電たちの夏  作者: 大門しし丸
116/154

116、現場へ急げ!

116、現場へ急げ!

 リーちゃん達は、すずちゃんの指示通りヘルメットの上から耳を押さえた。


 「どうしたの二人とも。今度は何のポーズ?」


 お母さんが不思議そうに二人の仕草を見ていると、横から肩をトントンされた。


 「え? あ、ロジャベーナントカさん、なんか用?」

 「レジャズベ5やでー……覚えてぇや……別にいいけどね……ベフッ……ハーイお父さんもこっち見てー」


 110番しようとしていたお父さんも、何だろう? と画面をのぞき込んだ。


 「あなたは……扇風機のすずちゃんね」

 「わーい、わたしは覚えてくれたのねーうれしー」


 画面の中のすずちゃんは、そう言いながらタイマーのダイヤルをギギギッと回した。


 (リー、来るわよ)

 (わかった)


 ミーちゃんは目配せでリーちゃんに注意を促し、二人はギューッと強く耳を抑えた。それを見たすずちゃんは、ウインクをしお休みのポーズをし呪文の歌を唱え始めた。


 「ねむれ良い子よ~♪」

 「え? な……フゴッ」

 「子守歌? フガ」


 すずちゃんのおやすみタイマー。タイマーをセットし、呪文の歌を唱えるとその瞬間眠りに落ち、タイマーが切れるまで眠り続ける。

 耳を塞いでいなかったお父さんとお母さんは、白目をむいて倒れ込み、その場でいびきをかいて寝てしまった。


 「これでお母さん達、3時間はぐっすりよー、急いで行きましょー」

 「ごめんね、お母さん。やっぱり私たちも行かないと」


 ミーちゃんは、いつも自分達がリビングで寝てしまった時、お母さんがかけてくれるタオルケットを二人にそっとかけ、リーちゃんは床に転がっていた電話の子機を拾い、スタンドに戻した。


 「気持ちはよう分かるけど……しゃあないな……ごめんねー、3時間タイマーだから寝起きはマシだと思うけどー……リーちゃん、サンヨー達にも連絡して」

 「分かった」


 リーちゃんはサンシャインスリーに、


 「家の人に見つからないようコッソリ準備して」と、連絡をし、ミーちゃん、レジャズベ5と共にベランダから飛び出した。

 向かいのサンヨー家を見ると、3階のベランダでサンシャインレッドが手を振っている。リーちゃんが臨場感の外に手をチラッと出し手招きをしてるのを見て、辺りを気にしながらそこに飛び込んだ。


 「あんた早いね」

 「早く出てこいって言ったから、着替える暇ないし、オレ下はパジャマだぜ」

 「何それ、そんな事よりアイツを早くやっつけないと」


 やんちゃそうなサンヨーだが、リーちゃんの言うことはよく聞く。尻に敷かれるタイプなのかしら?


 「しつこいヤツだなホントに。あれ? レジャズも何か変わった?」

 「レジャズベ5やで……ぼくもバビエオしたんだ」

 「その声は五重丸? ふーん、いつもバビエオしないから弱っちいのかと思ってたよ」

 「ハハッぼくだってやるときはやるよ。それに……」

 「え?」

 「君たちも随分強くなったし、ぼくが下で見守っている必要がないと判断したんだ」


 そう、今のリーちゃん達は夏休み前と比べ、随分たくましくなった。特にリーちゃんはレイちゃん達がやられてしまった時も、ほぼ一人で魔神オカマから神の御霊を奪い返すことに成功している。

 男子3人もそれぞれの武器をそれなりに使いこなしているし、五重丸も下で全体を見守っているより、バビエオして直接戦いに参加する方が良し、と判断したのだ。


 「そうなの、それでさ、『はんだん』って何?」


 ……判断の意味は分からなくても、状況を判断してちゃんと戦っているリーちゃんは凄いや、とレジャズベ5は思った。「判断」の意味はミーちゃんが横について教えているようだし、こうやって皆で協力し合えば……

 その後、東芝とソニーも合流し、一行は襲撃されたコンビニへと急いだ。


 「もうすぐやでー……あれ? コンビニあるやん……やだ、ガセネター?……いや、パトカーが停まっているし、何かあったんだろう……ウーベフッ」


 リーちゃん達が到着した時には、魔神オカマの姿はすでに無く、船井君が通報したため警察が出動し、座り込んでいる店長と何か話している。

 レジャズベ5とリーちゃん達はその近くに静かに着陸し、聞き耳を立てた。


 「ふんふん、異様な姿の大男が店内に入ってきて、もみ合いになり、レジを破壊した、と」

 「はい、表の防犯カメラも多分ヤツが壊したんだと」


 (そうか、カメラだけ壊したのね)

 (コンビニぶち壊したんじゃなかったんだ)


 「なるほどね……ん? 今、子供のヒソヒソ声が聞こえたような、気のせいかな」


 (しーっ、耳いいね、警察の人。黙って聞いてよう)

 (そうだな)

 (……)


 プゥ


 「うわ、サンヨーお前いま、屁こいたろ」

 「わりぃわりぃ、緊張してつい」

 「き、聞こえたっ、今度ははっきり聞こえたっ! それにクサいぞ、誰だ、どこにいる?」

 「もう、あんたら何やってんのよ」


 リーちゃんは、オナラの言い合いで、大声を出したサンヨーとソニーを突き飛ばした。二人はよろけて、臨場感の外に出てしまった。


 「わーーっ! 出た出たっ空中からいきなり出たー! え? 小さい? 子供? なんだその恰好は、お母さんかお父さんは?」


 ヤバヤバッ 非常にヤバい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ