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リーちゃんと家電たちの夏  作者: 大門しし丸
110/154

110、ニセドキュメンタリー

110、ニセドキュメンタリー

 ~~~完~~~

 出演………松下香織

      松下美香

      三井洋

      芝浦光

      曽仁歩人

      :

      :

 企画………「リーちゃんと家電達」製作委員会

 編集………五重丸

 監督………五重丸


 五重丸プロデュース「リーちゃんと家電達、その誕生秘話と活躍」の本編が終わり、エンドロールが流れる。

 お父さんとお母さんは小さな拍手をし、ソファーからゆっくり立ち上がり言った。


 「……ウソみたいな話だけど、こうやって実際に冷蔵庫や家までも喋っているし、作り話じゃなさそうね」

 「それにしても魔神オカマ? あんなピラミッドも破壊するような怪物によく勝てたな。レイちゃん達ってすごく強いんだね」

 「そんな照れるがな(ホントは気絶して何にもしてへんねんけど)()めんといて」


 そうそう、本当は停電でレイちゃん達が気絶している間に、地デジカとリーちゃんがやっつけたんだけど、五重丸が神社での戦いなどの映像を上手く編集して、あたかもレイちゃん達が魔神オカマを倒し、その後リーちゃんが現れ、神の御霊(みたま)を回収したかのように見えるニセドキュメンタリー番組風に仕上げたのだ。

 お父さんとお母さんは、まんまとそれを信じてしまった。


 「とにかく怪物退治はもう終わったんだな。幸い誰もケガしなくって良かったけど、勝手に危ないことしちゃダメだぞ」

 「わ、分かってるって、大丈夫よ。レイちゃん達すっごく強いし、安全スーツも来てたから」


 安全スーツ? なにそれ。

 それはリーちゃん達が着ていた戦闘スーツのことである。戦闘スーツって言うと危なそうなイメージがあるので、五重丸が安全スーツっていう名前に置き換え、番組中に説明していたのだ。


 「でも、三井君は刀みたいなの持ってたじゃない? あれ危なくないの?」

 「あぁ、あれ? アハハ男子ってああいうの持ちたがるじゃん。ヒーローみたいな恰好したらさぁ、おもちゃよ、お、も、ちゃ」

 「ふーん」

 「そうですよお母さん、子供に本物の刀なんて振り回せるわけないじゃないですか」

 「そりゃそうだけどね」


 よしよし、上手くごまかした。さすがリーちゃんである。五重丸のフォローも完璧だ。


 「ピラミッドの一件も、世間に公表せず秘密にしておきましょう。話したところで警察も誰も信用してくれないでしょうし」

 「そうだな、近頃この町にUFOが地球をカチ割りに来た、なんて変な(うわさ)もあるし、ひっくるめてうちのせいにされちゃたまったもんじゃないしな、ん? どうした? 変な顔して」

 「え?べ、べつに……」


 そのUFO騒動もガッツリうちのせいなんですけど……と思ったが、黙っておいた。

 そんなこと言ったら二人とも気絶してしまうだろうし。


 「それで、怪物退治も終わってこれからどうするの?」

 「電気釜さんをヒエール様に渡してさ、ご褒美にレイちゃん達を人間にしてもらうんだ」


 お母さんに今後のことを聞かれ、リーちゃんは(うれ)しそうにそう答えた。レイちゃんもキッチンの奥で照れくさそうに笑い、その横でベフちゃんもシッポコードをパタパタさせている。

 嬉しそうなみんなを見て、お父さんは微笑みながら(たず)ねた。


 「へぇ、さすが神様だな、そんな事できるのか。それでレイちゃん達人間になってどこに住むんだ?」

 「何言ってんの、うちに決まってるじゃん。冷蔵庫もテレビもみんなうちのなんだし」

 「ちょ、ちょっと待てよ。無理だろ、そんなの」

 「え? どうして? いい子ばかりなのに」

 「人間はね、拾ってきた犬猫みたいに勝手に家族にしちゃいけないんだよ」


 そりゃそうだ。しかしそんな大人の事情を小学生が分かるわけない。リーちゃんは「えーっ? 」と言いながら残念そうな顔でうなだれた。


 「そうか、法律とか色々あるし、そう簡単にはいかへんわな」

 「ベフベフ? (ボクは犬だからいいの?)」


 しばらくうつむいていたリーちゃんは、カチューシャのリボンを手に取り、「もしもしヒエール様」と話しかけた。


 「リー何それ、電話? 誰にもらったの」

 「大丈夫よお母さん、auとかじゃないし。あ、ヒエール様?あのね魔神オカマを倒したの。電気釜さんも元に戻ったよ。それでさ……」

 「おお、リーちゃん、よくやってくれたヴェ。ケガなどしておらぬか? そうかそうか。確かに我にも、魔神オカマの邪悪な気が感じられなくなったのじゃが、何かおかしいんじゃヴェ」

 「おかしいって何が? 神の御霊もここにあるし、もう動けないはずなんだけど」

 「魔神オカマのような……何かが(うごめ)いておるようなのじゃヴェ。ちょっとレイ太達に様子を見に行かせてほしいヴェ」

 「分かった、じゃちょっと見に行ってもらうわ。レイちゃん行ける?」


 リーちゃんはカミテレコンを見た。家電達のボタンはみんな緑色、体力は回復しているようだ。


 「よっしゃ、ほなジャブ君とすずちゃん、3人で行こか」

 「念のためぼくのリモコンを持って行って」


 そう言って五重丸はリモコンを差し出した。

呼び出された3人は、早速リビングでバビエオしてレジャズちゃんになり、鉄塔の山へと飛んで行った。


 「凄いな、空飛ぶ冷蔵庫か、そんなあだ名のバスケ選手が昔いたような……」

 「も、そんなのどうでもいいから晩御飯にしよー、腹減ったー。あヒエール様、明日レイちゃん達連れて行くから、人間にしてあげてね、じゃあね」

 「おいおい、人間にするってど……」


 プチ


 リーちゃんはヒエール様に言いたいことを言うだけ言って通話を切った。


 「あーあ、また(くさ)い山に行くのか、いややな……ヒエール様も気にシィやな、御霊も電源もないヤツが動く訳ないのに……そろそろ着くよー、あれー? フンの横に何か座ってるよー」


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