表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リーちゃんと家電たちの夏  作者: 大門しし丸
101/154

101、絶体絶命!

101、絶体絶命!

 一瞬の出来事だった。

 体に大きな穴が開き、地上に力なく横たわるレジャズちゃん。融合合体しているレイちゃん、ジャブ君、すずちゃんそれぞれの体は致命的なダメージを負ってしまった。

 リーちゃんは急いで地上に戻り、レジャズに(すが)り付き泣いた。


 「あぁぁ……こんな穴が開いて、レイちゃん! しっかりして、死んじゃダメ……よ」

 「リーちゃんごめんなさい、ダイさんを助けるのに必死で、レジャズさん達にパーシャルの魔法をかけられなかった」


 悔やんでも悔やみきれない。

しかし仮にトコちゃんがレジャズにパーシャルの魔法をかけていたとしたら、レジャズが受けたダメージは魔法を使った者、つまりトコちゃんが受けてしまうことになる。

そうなればトコちゃんも戦えなくなってしまい、ますますこちらが不利になっていた。

 どっちにせよ、二人で戦ってもバタンキューになるのは時間の問題。それを察してか、サンヨーは泣き崩れているリーちゃんに声をかけた。


 「リー、もういいだろ、いくぞ」

 「……え? 行くってどこへ?」

 「トコちゃんとダイさんが戦っているすきに、逃げるんだよ」

 「逃げる……?」

 「このまま戦っても、オレ達子供だしすぐやられちまうだろ? ヒエール様の所に行って何とかしてもらうんだよ。あんなでっかいのにオレ達だけで勝てるわけねえじゃん」

 「は?」


 (こいつまた……)


 神社の時もそうだった。レイちゃんがやられるのを見た途端、マーキングベフで逃げようと言い出しやがったんだ。

しかも今回は、ダイさんとトコちゃんを時間稼ぎの道具みたいに使って、コソコソ逃げるだと?

 サンヨーの言動にリーちゃんはブチ切れた。


 「あんた、悔しくないの? レイちゃん達あんなにされて、こん畜生って思わないの!」

 「だってよぉ、あれ……」

 「本物もオレ達で楽勝~♪ とか言ってたくせに、なにがヒーローよ、バッカじゃない」


 ブチ切れリーちゃんの剣幕に、サンヨーは何も言い返せず黙ったまま拳を握りしめた。

 と、その時リーちゃんの後方で大きな爆発音がした。振り返って見ると、画面を(ひど)く破壊された五重丸が横たわっていた。


 「ギャハハッ、お前らもう絶体絶命だギャ、覚悟するギャ」

 「リーちゃん! ここはダイさんと私が何とかするから、とにかく逃げて!」

 「おう! ガキはすっこんでろってぇんだ、男ダイ様に任せときなっ」


 トコちゃんとダイさんは融合合体し「ダイトコ」となり、玉砕覚悟で魔神オカマに立ち向かおうとしている。

 サンヨーは放心状態で立ち(すく)んでいるリーちゃんの腕を引っ張り言った。


 「ほら、早く行かないと、警察に言ってミサイルとかジェット機とかでやっつけてもらおう。オレ達だけじゃ無理だって!」


 リーちゃんはキッとサンヨーを睨みその手を払いのけ、サンヨーのアイスブレードをシュッと抜き取った。


 「お、おい何すんだよ」

 「うるさい! 逃げたいならアンタらだけ逃げりゃいいでしょ! あたしがレイちゃんの仇を取ってやる、あんたもそれ貸してっ」


 そう言ってソニーのディスクシールドを1個ふんだくり、いい感じの大きさに拡大しアイスブレードを構え、魔神オカマめがけぶっ飛んで行った。


 「あっ! 無茶しやがって、待て待てーぃ」


ダイトコちゃんが慌ててその後を追う。上空の魔神オカマはそれを見て不敵な笑みを浮かべた。


 「フン、細かいのが飛んで来やがったギャ。ホレホレ」


 魔神オカマはリーちゃんめがけ水蒸気弾を数発撃ってきた。


 「なによっこんなものっ」


 リーちゃんは、ディスクシールドを頭上に構え、さらに加速。水蒸気弾を弾き返しオカマより十数メートル高いところまで飛び、アイスブレードを上段に構える。強い念を込められたアイスブレードは青白く光り輝く大太刀となった。

 それを見て魔神オカマは両手を上空に向け、ビッグエクスプロージョンを撃つ構えをした。


 「サイクロンブリザード!」


 斜め後方からダイトコちゃんが、魔神オカマの両手めがけ攻撃を仕掛けた。レジャズと比較するとパワーは劣るが、魔神オカマをひるませるには十分だ。すかさずリーちゃんは急降下しながら斬りかかった。


 「でぇいやーーっ!」


 まさに一刀両断、アイスブレードは巨大な魔神オカマを真っ二つに切り裂いた。


 「うおぉぉぉーっ」

 「すっげー! 女子コワー」


 地上に残っていたサンシャイン3とミーちゃんも歓声を上げ、戦いは終結したかのように思えた。しかし……


 「ギャギャッ、何ともないギャこんなもの」


 真っ二つににされたオカマの顔がニヤリとし、その断面は見る見るうちにくっつき、元通りになってしまった。


 「サービスで教えてやる。もう知ってるかもしれんが、オレの体は数えきれない不法投棄家電のかたまりだギャ。斬っても元通りになれるし分身も作れるギャ。そんな攻撃、屁でもないギャ」

 「ズルいよ、そんなの。じゃどうすりゃ倒せるのさ」

 「ブッ、そんな事敵に聞くか普通、まあいいか、大大大サービスだギャ。お前らの狙い通り、オレを倒すには、神の御霊を奪い返せばいいギャ。強力な魔法攻撃でオレを……あーこれ以上は企業秘密だギャ」


 魔神オカマよ、いつ起業したんだ? というツッコミは小学生だから出来なかったが、レジャズと五重丸を失った今、絶対勝ち目はない、と全員が思った。


 いや、一人を省いては……


 「できるもん」

 「ギャ? 何を言っているギャ、人間のお前に魔法なぞ使える訳……」

 「できるったら、できるんだよーっ! コノヤロ―!」


 リーちゃんは叫びながら、アイスブレードとディスクシールドを放り投げ、五重丸からもらったB-CASカードを取り出した。


 (絶対やってみたい魔法があるんだ……)


 「ギャギャッ、何する気だギャ?」


 リーちゃんは、両手の親指と人差し指でL字を作り、こめかみ辺りに当てた、これは……


 「いでよっ地デジカっ、全員でてこーい!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ