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リーちゃんと家電たちの夏  作者: 大門しし丸
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100、魔神の反撃

100、魔神の反撃

 神眼コンタクトとは別に、魔神オカマの声が地上のあちらこちらから聞こえてきた。

 五重丸とトコちゃん、そしてベフちゃんは耳を()ませ声の主の居所を探った。


 ガサガサッ


 一瞬ではあったが、夏草の生い茂る鉄塔の奥にある変電設備の方へ、小さな魔神オカマのようなものが走って行くのが見えた。それを見た五重丸はハッとした。


 「声の主はアイツ等だな、サンシャインスリーがさっきバラバラに切断した破片で作った『ミニ魔神オカマ』か、でも……」


 考え込む五重丸に、トコちゃんが心配そうに訊ねた。


 「でも、どうしたんですか?」

 「ただでさえ弱かったニセモノの破片を使い、さらに小さな手下を作り出して一体何をするつもりなんだ?」


 その頃、上空ではリーちゃんが手に持った電気釜を、氷の十字架に貼り付けになった魔神オカマに見せつけ、書き(ほこ)ったように言った。


 「これでアンタもおしまいねっ、神のキ○タマをこっちに移してしまえば、アンタは動けなくなるんだから」

 「! ……」


 勝利目前で気持ちが高ぶっていたせいか、女子として絶対してはいけない言い間違えをしてしまったリーちゃん。

 本人以外は気が付いたが、気の毒すぎて誰もつっこまなかった。


 それを聞いてか魔神オカマも半笑いの顔になったが、その顔は徐々に不敵な笑みに変わっていった。


 「ギャハハッ、動けなくなるのはどっちかな?」

 「なにそれ、どういう事?」


 ボン ボン ボボン


 プスーーー


 突然の出来事だった。

 地上のあちこちで小さな爆発音がした、なんだろ? と思った次の瞬間、リーちゃんの横にいたレジャズが気を失い、真っ逆さまに落ちていった。


 「え?」

 「お、おいおいレジャズよ、どうしたんでぃ、もうバタンキューかよっ」


 ダイさんは落ちていくレジャズを追った。地上には五重丸とトコちゃん、そしてベフもばったりと倒れている。


 「なんだ、どいつもこいつも……ってか、大丈夫なのはワシだけかよ」


 「リー!何してるの、早く電気釜をそいつにくっつけなきゃ!」

 「ああ、そうだった」


 ミーちゃんの声で、放心状態だったリーちゃんは我に返り、電気釜をくっつけようと氷漬けになった魔神オカマに近づこうとした。

 魔神オカマは氷の中で二ッと笑い、その直後氷の十字架に亀裂が入り始めた。


 「させるかギャッ」


 魔神オカマは、氷の十字架をぶち破り外に飛び出した。リーちゃんは電気釜をヘブレ―ジボックスに戻し、サンシャインスリー達と一緒に間合いを取った。サンシャインスリーは、とりあえずそれぞれの武器をそれらしく構えてみる。

 上の異変に気付いたダイさんも急いでリーちゃんらのところへ戻り、魔神オカマとの間に割って入った。


 「おう、おめえら大丈夫か」

 「うん、レイちゃん達はどうしたの? どうなっちゃたの?」


 「ギャギャッ停電しても平気なのか、お前は」

 「停電? こちとらぁ充電式でぃ! 停電くらい屁でもないわ……そうかさっきの爆発音、おめえ何かしやがったな」


 「そうだギャ、オレの分身を爆発させ、電線やそこら辺の機械をぶっ壊してやったギャ」


 なんと、魔神オカマはバラバラにされたニセモノを自分の分身に作り替え、電柱や変電設備に向かわせ、そこで自爆させたようだ。辺り一帯は停電し、電源を失ったレイちゃん達は動けなくなってしまったのだ。


 「ま、掃除機一匹くらい何のこと無い、秒殺だギャ」


 そう言って魔神オカマは、グンと大きくなりアツアツ水蒸気弾をダイさんめがけ打ち込んできた。


 「わわっ! めちゃデカくなったぞ、アイツこんなにデカかったのか?」

 「なんのなんのっ、サイクロンバキューム!」


 巨大化した魔神オカマを初めて見たサンヨーは、唖然(あぜん)としてそれを見上げた。そしてダイさんは吸い込み口を広げ魔神オカマの攻撃を一気に吸い込んだ。


 「アッちぃー! クソッ、ワシの体はプラスチックが多いから溶けちまいそうだぜ」


 アツアツ水蒸気弾を吸い込んだダイさんの体は、熱でぐにゃりと変形した。やはり小型家電一人では魔神オカマには太刀打ちできそうもない。あと数発喰らえばおしまいだ。


 「ギャハハッ、不細工になったギャ」

 「てめえに不細工呼ばわりされる筋合いはねえ、こうなったらてめえ丸ごと吸い込んでやるわ!」


 ダイさんは、熱で(ゆが)んだ吸い込み口をさらに広げた。絶対ムリなのは分かっているが、江戸っ子のダイさんは後には引かない。玉砕覚悟(ぎょくさいかくご)パワー全開で立ち向かった。

 と、その時。


 「パーシャル!」


 地上からかん高い声がした。トコちゃんだ。突然復活したトコちゃんが、ダイさんの体を冷却するためパーシャルの呪文を唱えた。


 「おう、ありがてえ、助かったぜ」


 でもなぜトコちゃんだけ?

 それはトコちゃんの本体は東芝のマンションにあるから、である。このマンションは新築でリーちゃんやソニーの家とは、電線の回り方が違うようで、東芝家の方だけ比較的短時間で復旧したようだ。


 「ケッ、もう復旧したか、人間どもなかなかやるギャ」


 トコちゃんは下から必死で攻撃を開始した。その隙にダイさんはトコちゃんとバビエオするため地上へと急ぐ。


 「まだ悪あがきするかギャ、フン、じゃ先にこっちを始末してやるギャ」


 魔神オカマはそう言って、倒れているレジャズめがけ、アツアツ水蒸気弾を撃ち込んだ。


 ドーーーン!


 水蒸気弾はレジャズちゃんに命中、数メートル吹っ飛ばされ、冷凍庫辺りに大きな穴が開いてしまった。


 「あーっ! しまった!」

 「イヤーッ!」


 リーちゃん達の悲鳴が山にこだます。


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