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スーパーマン
ある日、人類は進化した。進化前よりも、強靭な体となり、パワーは二十倍、空だって飛べるようになった。超能力で、簡単にひとの心の声を聴けるようにもなり、隠し事は世の中からなくなった。
「この進化によって、人類は新しい発展を享受できるでしょう」
偉い学者はそう言っていた。
でも、それは違ったのだ。
にんげんたちは、勘違いを始めていた。
悪事を働いたことがあるものが、最初の犠牲となった。
彼らは悪事を隠そうとすればするほど、超能力によって他人にばれてしまう。
そして、力を手に入れたスーパーマンたちによって、正義の名のもとに成敗をはじめた。それはスーパーマンと悪人だけの戦いに収まらなかった。
人々は自分の考えを“正義”だと主張し、他者を攻撃し始めた。
こうして世界は壊れ始めた。
これはわたしの遺言書として、扱ってほし……