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料理
「料理は面白いよ。食材はウルトラマンみたいだし」
「ウルトラマン?」
日曜の遅く起きた朝、わたしはあなたと話し合う。
あなたは訝しげに、「ウルトラマン?」と繰り返す。
「そう、ウルトラマン」
わたしはカリカリに焼いたベーコンエッグを食べながらそう返した。
「なんでウルトラマン?」
彼は不思議そうな顔だ。
「だって、食材が変身できるじゃない。鶏肉がから揚げになったり、棒棒鶏になったり、チキンステーキになったり。国境の枠組みすら超えて、変身できるのよ。本当にすごいわ。わたしはそれを指揮できるの。まるで、神様にでもなったみたい」
「きみは相変わらず、不思議なことを言い出すね」
コンソメスープを飲みながら、あなたは呆れたようにそう言った。
「そこが好きなんでしょ」
わたしはそう返す。
「そうですよ」
あなたは棒読み口調でそう言った。
あなたも変わってくれたらいいのに……
わたしは心の中でそう呟きながら、幸せで少しだけ不満な日曜日を過ごしていく。




