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インフルエンザ

 わたしはインフルエンザだ。

 この寒くなった季節、わたしは人間の世界に少しずつ浸透している。彼らはわたしのことを憎むだろう。

「仕事にいけなくなった」

「熱でだるい」


 彼らの怨嗟の声がいまにも聞こえてくるようだ。

 それでもわたしは生きていく。生きていかなくてはいけない。


 世界は少しずつ変わっていく。わたしも一緒に変わっていく。


 人間たちは気がついているだろうか。

 わたしがそこにいるということに……。


 そして、誰かにきがついて欲しい。わたしがここにいるということに……。

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