空に咲く花
暗い暗い闇の中に
咲く花を見た
それは悲しみも
絶望も背負ったように
小さくなって消えた
この世界の中で
こんな風に花を見て
胸に
強い憧れを
目に
一筋の涙を
宿してくれる人が
居るだろうか?
光は私の胸の中に。
―うさぎの眼―
青い目をした月を見た
その目は
夜の雨に濡れていた
こんな真っ暗な空にさえ
君は光を求めて
空と同じように
泣いていた
そんな君が愛しくて
黒に塗り潰された
空にも嫉妬した
光ならばここに
ある筈だろう?
―林檎の木―傍にあったものは
いつもいつも
足跡に汚れていた
強く 強く
そう望んだのは
いつの日か
伸ばした手の
指先も見えないほど
視界は狭くて
手を振る程苦しくなった
林檎の木に
実のなる日までは
傍にあるものにまた
足跡を残そう
―道の続き―
そうだな…
この話に続きが
あるとするなら
喜びとは少し違うだろう
長い道にも
終わりがあるし
君の悲しみにだって
終わりがあるだろう
けれど
君は嘆く
私には未来が見えない
そんなもの
僕にも見える筈ない
それでも
僕らが生きているのは
喜びが見えるから
そうだろう?
幸せには少し足りない
悲しみでは余りすぎる
そんな日に生まれたから
僕ら生きているんだ
この詩を
君に届けよう
小さな恋が芽生くとき
どうか
君に幸せが訪れますように
嘲りと希望の
交差した街の片隅に
君の声が響いた