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〜少年はそこで武器商人と言う職業を知る〜(1)

空の不気味さが影はまるで水平線の向こうから覗くそれに怯えながら逃げていくかのように感じる時間帯。


アイナが朝のキスをせがみながら近寄ってきたところをぎりぎりのところで避ける。うん、おかげで一発で目が覚めた。


飛行機から飛行場を見たその景色にまず、最初に思ったのには、「到着場所って軍事基地かよ」。


着陸した後は、アイナがC国の軍人と楽しく会話をしながら軍施設に一人で入っていくと、俺達も商品確認に行くぞ。とハンスに言われ急いでついていく。



歩きながら軍施設か、でると早速アイナが向かった先について訪ねる。すると何でも無いような顔をしながら、


「ん〜?あいつなら、C国に商品売りに行ったんだろ。」



「それって敵にも武器売ってるって事⁉︎」



今回俺達が商売しに行くと聞いていた国はT国だったから、思わず聞き返してしまった。


そんな姿を見たハンスはケラケラ笑いながら


「そりゃ、あいつは武器商人だもん。着いた国で商品を売るのは当たり前だろ?」


その言葉に楽は反応する。


「それじゃあ、いつまでたっても戦争は終わらないじゃないか‼︎」


「戦争が終わったら武器売れないじゃん。武器商人は戦争や紛争があるから稼げんだから、戦争は極力長く続けさせるのは当たり前の事。」


俺を小馬鹿にしながら言ったそれは俺を怒らせた。俺には一つの信条がある。それは『平和』だ。


「それじゃあ!いつまでも平和はこないじゃ無いか!」


そう言った瞬間気づけばハンスの胸ぐらを掴んでいた。


「おーおー、そこで怒るか。じゃあ逆に聞くがお前の言う平和ってなんなんだ。」


ヘラヘラ笑っていたハンスが急に真面目な顔をすると相手が大人だと嫌でも感じてしまう。


「そりゃ、戦争の無い世界さ!」


それを聞いて、何がおかしいのか急にまたヘラヘラした顔に戻り先を歩き出した。


何が、おかしいと尋ねると前を向きながら、そりゃと声を発す。


「そりゃ、あまりにも滑稽な回答だったもんでね、まぁいいや。ちょうどいいし、今回の商品お前に全部一任するよ。売ってもいいし、売らなくても構わないから。」



ぶっきらぼうにハンスがそう言った後はお互い何もしゃべらなかった。











その後アイナが武器が納品された船に来たのは日が頭の上を少し過ぎた頃だった。



「ごめ〜ん。ちょっと話してたら息が合っちゃってかなり話込んじゃった。」


そう言いながら可愛く舌をちろりとだす。それを見たハンスは、


「その様子だと昼はもう済ませたようだな。」


「うん!やっぱ本場の中華は違うわ〜。こう肉がギュッとなってて、開くとそこからジュワーって…」


え?何それ。超うまそう。俺も食べたかった。


「とにかく、そろそろ時間だから乗ろっ?ごめんね〜らっくん。あの馬鹿高官のせいで話が長引いて一緒にご飯食べれなかった。」


それから三人は船に乗り込み、武器を確認する為にか貨物室と名のついた部屋に入る。


2人が普通に入って行くので後をついて行こうと踏み入れた瞬間、その光景にそこに、普通に入って行く2人が一瞬人間以外のものに見えた。



そこは、薄暗い部屋の中で入口では一瞬目が慣れないせいかぼやけたそれは入りきらない量の人間がすし詰め状態で入っている光景だった。



「アイナ!アイナ!ちょ、ちょっと!アイナ!ハンス!聞こえないのか!おいっ!」


自分の声が聞こえないのか、それともわざと聞いていないのか、どちらにしても彼らは振り向かない。


無理して奥に進もうにも、すし詰めの状態彼らのおかげで足の踏み場が無い。なのにハンス達は前に何もいないかのように普通に木箱に向かって歩いている様に見える。


そう、足場がないから、その上をまるで人でもいないかのように彼らは歩いているのだ。


木箱にたどり着いて、後ろを振り向いたのはそれから数十秒後だった。


「どうした?少年、早く来いよ。お前が武器の確認しなくてどうするんだ。」


「確認も何もどうやって進めば良いんだよ⁉︎」


その言葉にアイナとハンスはお互いの顔を見合わせながら同時にその言葉に笑みを浮かべながら発した。


「「どこって、そりゃあ目の前に。」」



間違いない。俺は二人がはっきりと死神に見えた。それもとびきり大きく、凶悪でグロテスクな死神に。


それが見えた瞬間、俺は走り出した。ここから逃げなくちゃ。




どこに?


日本に‼︎








ふふっ、どうやってパスポートもないのに?


でもここにいるくらいなら離れる方を選ぶ‼︎







ばかだなぁ、お金もパスポートも無い君はこの戦争中の場所で一人になったら、終わりだよ。





そう






貨物室にいた彼らのようにね。





頭の中で自分とは思えない自分の声が響く。あれが自分の理性だと言うのならきっと自分はひねくれているだろう。


とにかく、逃げようとデッキに上がると船は目の前に見える小さな島に向かって既に航行していた。



「そんな、嘘だろ……」



いつの間に出発していたのか分からないぐらい焦って居たのか。いやそんな事よりも今はとにかく二人と顔を合わせたく無い。


気づくと体はぶるぶると震えている。きっと海風に当たっていたせいだろう。


体を柵で支えながらそんな事を考えていると後ろから声がきこえる。


「「お兄ちゃん?寒いの。」」


その声に驚いたのか、それとも誰かを想像してかは振り返った今になってはわから無いが、そこには双子の兄妹がいた。


双子に連れられて彼らの客室に向かうと二人の男女が話し合っている。


「あなたは……。」




自分はこの事を中ア戦争が終わって今更ながら、後悔している。





「彼らに出会わなかったら。と、」

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