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1話「転生」

 ハーメルン様でも書かせていただいてます。

 ハーメルンでは1000文字からじゃないと投稿できないので少し付け足しました。

「行ってきます」


「ええ、行ってらっしゃい」


 学校に向け家を出る。

 空には魔法の絨毯や箒、挙句の果てにはドラゴンなんかに乗って通勤通学している人たちが見える。

 地にはいかにもオーバーテクノロジーな機械や、地竜のバスに乗っている人もいる。

 

 「今日から高校生か……早いもんだな。

  俺がこの世界に転生して今年で16年か……」


 他の人たちが魔法や最先端の科学での移動をする中、俺は徒歩での通学だ。

 

 「はあ、転生したのに神様には会えないし、チートは貰えないし……

  なんでこないなってもうたんや……」


 俺は失意体前屈気味に呟いた。



 俺は死んでもといた世界に転生した。

 けれどそこはもうもとの世界のものだけではなかった。


 


 俺が死んだのは18歳の春先、風邪が心地いい朝だった。

 いつものように高校への通学路を行く途中、小学生の女の子が横断歩道を歩いている。

 そこへトラックが信号を無視して突っ込んでくる。

 

 「おいおい、マジかよ!」


 女の子は気づかない。

 

 「おい、危ないぞ! 走れ!」


 声を上げて言った。

 女の子は気づくが恐怖からかは動けない。


 「くそっ!」


 俺は勝手に体が動いていた。

 俺はこんなことをするやつじゃない。

 興味がないことにはとことん興味がない。

 だけど、関係ないからって女の子を見捨てるわけにはいかない。


 ドン!


 「きゃあ!」


 俺は女の子を突き飛ばしトラックに轢かれた。

 急に浮遊感を覚える。

 俺は死ぬんだろう、俺の体がミンチになっているのが見える。

 なんだかだんだん寒くなっていく。

 


 とまあ、そんな感じでテンプレ通り死んで元の世界に転生した。

 


 死んだことを後悔してないわけではない。

 親孝行もまだだったし、彼女もいない。

 まだやり残したことがたくさんある。


 だが、気が付けば俺は赤ん坊として元の世界に来たもんだからびっくりだ。

 最初は病院にいるのかと思ったが、何やら様子が違うことに気が付いた。

 女の人が俺を持ち上げ、母乳を与える。

 そんなとき俺の頭をよぎったのは異世界転生だった。

 生前そんな小説を読み漁ってたんだからしょうがない。

 だがおかしいことに、言葉がわかる。

 ……しゅう。

 これが俺の名前だろうか。



 

 こうして俺は転生した。





 そして時間は流れ、俺も高校生だ。

 まったく、時がたつのは早い。

 これまで生きてきてわかったことがたくさんある。

 この世界は俺のいた世界で50年後の世界だ。

 俺の死亡も50年前の新聞やニュースで確認できた。

 そしてもう一つ……。

 この世界は、ファンタジーの渦巻く世界になっていた。

 


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