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それが全能結晶の無能力者  作者: 詠見 きらい
episode-f. -それが全能結晶の無能力者-
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f-13 それが全能結晶の無能力者<3>

f-13 それが全能結晶の無能力者<3>


「うーん……キミは、やっぱりびっくりするぐらい弱いね」


 凰真が巨大な剣を肩に乗せて、大袈裟に溜息を吐いた。そして見下ろした先、壁にめり込んで動かなくなる雪哉がいた。

 嬲り殺しもいいところだった。

 何も出来ない。殺されてもおかしくなかった――だが雪哉はまだ生きている。いや、生かされていると言った方が良いか。

 剣先で皮膚だけを裂かれ続けている。しかし骨ごと切り裂かれることはなく、まるで遊ばれているようだった。

 しかしそれは戯れではない。一方的に殺戮の上を転がされているのだ。いつでもどんな時でも、たった一撃で首と胴体を切り離せるのだと言われているようなものだ。

 そう……雪哉は何も出来なかった。

 凰真が結晶であり、その中でも最高とされる花晶という存在ならば、別段能力を使う必要もなく、身体能力のみで既に戦闘能力は凌駕している。

「ホントよくもまぁ、今まで生きてこられたというか……ここまでこれたというか、ホント凄いよ。そこだけは評価する」

 どうでもよかった。

 敵に褒められたところで何一つ喜べない。だが事実だ。今まで生きてこれたし、ここまでこれた――でもそれは詐欺だ。

 偽りだ。

 時任雪哉は仮初めでここまで来てしまったのだ。

 理愛に与えられた贋物の腕……その結晶が雪哉を生かした。

「その腕だけ綺麗に切断してあげるからさっさと差し出したらどうだい? 命だけならーって月並みだけど助けてあげるって」

「それはもういい。別にくれてやってもいいが……返せ、アレは俺のだ」

 それを取り戻すために雪哉はここに来たのだ。

 だが凰真は笑っていた。

「そうやって強がってなよ……きっと驚くだろうなぁ怒るだろうなぁ」

「どういう、ことだ……?」

「ボクに一撃でも与えたら妹さんに逢わしてあげるよ。どうせボクのことは興味ないだろうし」

「ないな」

 雪哉はすかさず立ち上がり、砕けた瓦礫の破片を投げつける。手段は選ばない。戦うということが重要なのだ。

 圧倒的な力を前にしても、たとえ敵わないとわかっていても――戦うことをやめてしまっては、その時点で死んでいるのと同じなのだから。

「ふざけないでよ」

 凰真は少しだけ身体を横にしただけで回避し、肩にかけていた歪な剣を振り上げた。

(来る……)

 裂傷はその剣に与えられたものだ。

 攻撃を避けたとしてもまるでその剣そのものが一つの生命体のようにして首を伸ばすようにして雪哉に襲い掛かるのだ。

 そして左腕で弾き返そうにもそれをかわすようにしてカウンターを繰り出す辺りそれはもうただの剣ではない。

「ふざけた武器だ……」

「ただの武器じゃないってのはわかってるだろ?」

「当たり前だ……そんな生き物みたいな剣は初めて見る」

「こいつはよく喰う。たらふく喰う。喰うと止まらない――『愚弄悪喰(ピプルイア)』そういう名前。そういう種晶」

 生きた結晶。

 成り損ない。

 それが凰真の持つ剣だった。

「まぁ、運が悪くて途中で砕けちゃったからこんな出来損ないなのかな? 生きてはいるけどボクたちみたいに自制が効かないってか、とにかく死屍(ゾンビ)と一緒さ。本能だけで生きてる。だから花晶には成りえない。とても役に立つけどね」

「ならお前はなんで喰われない?」

「強い者には従うわけ。獣と同じさ」

「そんなものか……」

「そんなものさ。弱い者は強い者に従う。この世界の摂理だろう? 結晶も同じなんだよ」

 会話の最中、凰真が再度攻撃を繰り返す。

 回避しようにもその先を読まれ、弾き返そうにも剣自体がかわしながら攻撃してくる。生きている剣。剣先はまるで顎を開いた怪物のような――

自動(オート)で動くから楽だよ。便利だよ……喰わないのはボクのおかげなんだけどね」

「この腕を喰わないのか?」

「だめだよボクのメインディッシュなんだからーそんなことしたら叩き折るよ」

 笑顔こそ本物だが、その笑顔はあまりにも黒く暗い。

 喰う――

 凰真は確かにそう言った。

「マズいものばかり食べて来たんだ。そろそろ美味しいモノが食べたい……だからそれ頂戴よ」

「人喰いなどと……おぞましい餓鬼だ」

「そうだねボクは餓鬼だよ。飢えてるんだ……一番になりたくて、いっぱいいっぱい食べた。さっきま(、、、、)でずっと(、、、、)食べてた(、、、、)――それでも満たない。これは困った。やっぱ周りのはつまんないし、マズくて吐きそうだよ」

 今、なんて言った。

 凰真の言った台詞の一つ一つ聞き逃しはしなかったのに、それなのに雪哉は凰真の言葉をどれだけ咀嚼しても理解することはできなかった。

「ボクに勝ったらホント、キミの勝ちだと思うよ。だってArkは今日終わったから」

 凰真は大袈裟に両手を開いて、クルリと一回転する。

「他の人間が……いないとは思っていたが――」

「ああ、キミは興味がないと思ってたから言わなかったけどいないよ。喰った(、、、)

 その言葉が雪哉の動きを制止させた。

 頭に冷や水でもぶっかけられたかのように、背筋には悪寒が走り、身動きが取れない。こいつはやはり怪物だ。今まで出逢った敵の中で最狂だろう。

 これほど大きな建物の中で人間をあまりにも見なかったことは――それはここにたどり着いた時から全て喰われていたからだ。

「ますます本当の怪物じゃないか……お前は」

「そりゃそうさ人間じゃないんだよ? 悪いけれどキミの妹も同じなんだよ。それでも守ろうとかどうこう格好いいこと言っちゃう?」

「下衆が理愛と対等なわけがあるか……死ね」

「それは妹さんの口癖じゃないかなぁ?」

 そう言って凰真は煽るように語尾を伸ばしては見下すようにして雪哉を見ている。背は自分より明らかに小さい理愛と変わらない小柄な体型だというのに、雪哉はそんな凰真が巨大な怪物に見えてしまう。

「……ふざ、けるな」

 それでも雪哉の心の中で静かに怒りが燃え上がっている。

 怪物が妹を語るな。

 大切なヒトを語るな。

 必ず、取り戻す。取り返すんだ――こんなところで止まってはいられない。

「まだやるの? 諦めだけ悪いよね……さっさと養分になればいいのに。とは言ってもキミじゃ何の栄養にもならないけれど」

「理愛は取り戻す……お前に殺されたのは俺の敵だから、俺は悲しまないし怒りもしない。それでもただわかるのはお前はここにいちゃいけない。ここから消え去れ餓鬼の王め」

「王……か。キミほんとそういうの好きなんだね。勝手にそんな風に呼ぶなんて失礼じゃないかーなんて、それ気に入ったよ。ボクは王だ。結晶の中で一番なんだ。そしてつまらないカスのような力しか含んでいないクズ結晶はボクの腹の中に消えろ。そしてキミも今からボクの腹の中かな?」

 敵だ。

 これは世界の敵なんだ。

 世界のために戦おうなどとそんな正義の味方の真似事はしない。それでもそんな敵が雪哉の最も大切なモノを奪っているのだから戦うしかない。取り返すしかないのだ。

「ならそんな狂った王の前で何もできない愚民が君さ。糧になれ――なんの役にも意味にもならない屑か塵になって死んでしまえ」

 視界から凰真は消え失せ、気がつけば雪哉の身体は衝撃と共に後退していた。

 凰真が繰り出した膝蹴りが顔面を捉え、雪哉は何も出来ずに吹き飛んでいる。そしてそのまま床の上を転がり、視界が回復した頃には凰真が空中から雪哉の身体にめがけてまるで隕石のように直下していた。

 このままではただ潰されて、肉の塊に加工された挙句に人喰いの剣に貪られてしまう。けれど雪哉の身体は動かない。

 腕を差し出す。

 そのこの世のモノではない左腕であの狂気を受け止めきれるのか。それでもやらねばならない。このまま何もせずに、ただ乱暴に凶暴に暴力を浴びせられたまま終わってしまうわけにはいかない。

「柘榴が弾けるみたく、バラバラになってしまえッッッ!!」

 そして凰真の言葉通りに雪哉は何も出来ぬままに四散してしまうのか、けれどこのまま終わってしまっていいのか。

 力を寄越せ。

 力を献上(よこ)せ。

 力を付与(よこ)せ。


 眼中の敵を倒す、力をほんの少しだけでいい――


 望みや、願いだけで戦えるほどにこの世界は、いや……無能者であろう雪哉だけには優しくはない。

 だからそれはただの覚悟。

 その左腕一本で舞い落ちる災厄を受け止めるという決意。ただそれだけだった。


 けれど、


「あれぇ……キミ(、、)がなんでここにいるわけ?」


 時間が停止したのだろうか?

 雪哉は覚悟したはずだ。決意したはずだ。全てを受け止めると誓ったはずだ。

 けれどそれは出来なかった。

 凰真は確かに雪哉の身体目掛けて飛来している。だが雪哉が差し出した左腕に触れた凰真の剣先は雪哉の全てを粉微塵にすることなくたった一枚の光の壁に阻まれていたのだ。

『もう時間が無いってのに……何やってんのよこのド阿呆ッ――』

 そしてどこからか聞き覚えのある声が雪哉の耳に響く。何も見えない。けれど確かにその声を雪哉は知っているのだ。

「キミ……どこ行ったのかと思ったらそんなとこにいたの?」

 凰真が呆れたような顔をしたまま雪哉の左腕に向かって声を発する。

『ほんとは理愛の中にいたんだけどね……理愛がこいつを守ってくれっていうから移されたわけよ。それに、ワタシもそろそろアンタと決着つけないとって思ってたからしゃーなしでここで再登場ってわけよ!』

 知っている。その声を、その力強い声量、自信に満ち溢れ、何者も何事も跳ね返すであろう強大な力を持った少女を――雪哉が知らないわけがない。

『挨拶なんていらないわよ……時任雪哉。アンタのことを許さないとか憎いとかそんなものはとっくにどっか行ってる。アタシはもう理愛の一部だからさーなんだかわかんないけどアンタが死に掛けるとアタシも気分悪くなっちゃうわけ。だからさっさとこいつをやっつけなさい。理愛を助けるんでしょう?』

「……やはり、月下虹子――お前、理愛の中にいたのか」

 雪哉の最初の敵であり、最期は雪哉の一撃によって撃退したのだがまさかそのまま理愛と行動を共にしていたとはさすがの雪哉も気づかなかった。

 彼女もまた理愛と同じく結晶の最高位が一つ――花晶であった。

『約束したから――理愛がアンタの前から消える前にあたしをアンタの左腕に移したのよ』

「そんなことが……」

 寧ろ姿形の見えない虹子と会話していることに違和感を覚える。頭の中で響いているような感覚。

『その左腕は誰の?(、、)

 虹子の愚問に雪哉は鼻で笑った。

 それが皮肉だとしても、雪哉には通じない。

 解っている。

 そんなことは最初から、戦う前から理解している。

「虹子……力、貸してくれ」

『なに名前で呼んでるわけ……わかってるわよ、ワタシはそのために此処にいるんだからさっさと戦いなさいよ』

 だから言い訳はしない。

 そんな弱いことは出来ない。それ以上に自分の価値を落としたくない。

「裏切り……じゃないかな? いいのかい? キミのお兄さんはもう――」

『うっさいだまれ。もういい。もう終わったことよ。そしてワタシはもう始まってる。皇凰真……アンタに終わらされたアタシの現代(いま)未来(さき)に進んでる。だから、阻もうなんて思わないでよね? アタシの虹壁(かべ)で叩き伏せてやる!』

 雪哉が腕を前へ。

 そして響くように声が――

 凰真は笑う。

「へぇ、あの子……そんなことも出来たんだ。驚いた。でも、それがどうした?」

 雪哉が瞬きによって双眸が閉じたその瞬間を凰真が襲う。

 雪哉の目では捉えきれない。あまりにも早いその弾丸のような動き。

 けれど、

『見えないなら真正面から受け止めろ!』

 雪哉の耳朶を打つように虹子が叫ぶ。

 虹子の力が発現する。

 それは完全なる拒絶。

 だが雪哉はその拒絶さえも弾き返した。だが、これは無理だ不可能だ。

 凰真の持つ獣の如き剣が雪哉の左腕を喰らい千切ろうと襲い掛かった。けれども、その牙は決して届かない。絶対に届かない。

「いいのか……虹壁は全てを遠ざける(レイン・ボネルファ)はお前の野心さえも打ち返すぞ」

 虹色の光の壁が雪哉の左腕の前に発生する。

 雪哉の本来の能力は花晶の異能を消し去ってしまうものだが、今はただの腕の形をした結晶でしかない。

 だがこの結晶の腕の中に虹子が住まっている。

 理愛の中にいたとされる虹子が雪哉の左腕に移転していたのだ。あの時、そう初めて戦ったあの日だ。

 雪哉は虹子を倒した。

 そのときにすでに虹子は理愛に取り込まれていたのだ。雪哉はそれを今まで知らなかったようだが、それはすでに切刃の姉である切歌との戦いで理愛だけは知っていた。

 そしてこうして虹子は理愛によって雪哉の手助けをしている。

 理愛の一部となった虹子ではあるが自我はある。理愛は虹子を強制的に使役しているわけではない。虹子の自我でここにいる。

 身動きこそ取れないが、それでも花晶としての能力を使うのは虹子の意思だ。

 そして雪哉は虹子にとって敵であった。

 敵だった――

 もはや過去のことだ。

 理愛は虹子の存在を肯定し、身体こそ奪ってしまったが結晶という最後のカタチを残したまま生かしている。

 裏切ることは、できなかった。

 理愛が消えれば同時に消える。

 逃げることはできない。ならそれは保身か? それも違う。

 虹子の存在を認めた理愛を、もう裏切れそうにないのだ――

『ワタシを道具のように使ったお前とは違う……理愛を返しやがれ! あれはワタシんのだぁ!!』

 怒号が爆ぜた。

 より一層大きく、強く輝く虹色の光。

 凰真の攻撃は届かない。それは拒まれている……雪哉に届くことのない刀身が少しずつ異音を立てる。

「こ、いつ……」

 凰真の表情が苦しいモノに変わっていく。

『お前の願望だけで結晶全部を巻き込んで、もう終わりにしようぜ……アタシはお前が大嫌いだ!』

「ちっぽけな人間の感情一つに臆して食い潰されたキミがやけにエラくなったじゃないか――せっかく檻から出してやったというのに、恩を仇で返すのかい?」

 最初の覚醒(めざ)めを果たしたのは凰真だったのだろう。

 結晶として意識を持った、そんな最高位――花晶。

 外へ出る方法は簡単だ。

 檻となっている結晶を砕けばいい。

「花晶同士なら……どこに花晶があるかは解るからねぇ……ボクがキミを解放してやったというのに……」

『うるさい……』

 感謝は、していた。

 永久に永遠に時間だけを過ごすという苦痛。眠ってられればよかった。永劫眠りにつけば。虹子は檻の中で目を覚ましてしまっていたのだ。

 だからそれはとても苦しくて――

 そんなとき手を差し伸べたのは確かに凰真だった。

 虹子もまた檻の中から数えられる程度ではあるが何処に自分と同じような意識を有した結晶がいるのかはわかっていた。

 それでも何もできなかった。

 そのときやってきたのが凰真だった。

「自由になりたかったんだろう? してやったじゃないか……そして人間のように生きたいと、家族(、、)もくれてやったじゃないか。簡単だったろう? みんな僕たちのように強い力を手に入れられるならなんだってしてくれる。みんな優しくて、愚かだよ。でもキミも同罪さ。ボクと同じようにこの世界に手を加えた一人なのだから」

『うるさい!』

 凰真は虹子を知っている。

 虹子も凰真を知っている。

 Ark――それを設立したのは凰真だったが、そのとき凰真に力を貸したのは虹子だった。

 人は力を欲する。

 種晶を集め、花晶を集め、それをバラまき……世界を改変させ、

「夢を叶えたいんだ……ボクの邪魔を、しないでくれないか?」

 それはたった一つの結晶の夢想によって創造された狂信たる世界。

「……黙れ」

 その時、蚊帳の外にいた雪哉の唇が動いた。

「お前の夢など彼方に消えろ。俺の大事なモノを奪っておいて好き勝手言うな……消えろ、消えてしまえ。お前が消えろ。この世界から、不純物全てを取り除いて消えてしまえ」

「力が手に入ったら強気になるのがキミたち人間のだぁい嫌いなところなんだよね。消えるのはお前ら人間。この星はボクのだ。一番になったボクのものなんだぁ」

 我が侭を言う子供のようだ。

 それでもそんな少年の口にする言葉の意味はただの侵略だ。世界征服にも惑星侵略にも雪哉にとっては瑣末でしかない。

 この星の王であろうとも、超越した異能者であろうとも、それが如何なる存在であろうとも雪哉が戦うには十分な理由がある。

「再三しつこく、何度でも言ってやる……理愛を、返せ――」

 凰真の刀身は雪哉には届かない。そして雪哉は拳を強く振り抜いた。

 衝撃音。

 凰真の身体が後退し、大きくバランスを崩した。

「なにぃっ!?」

 それは好機。

 雪哉はそのまま凰真の目先まで接近し、拳が――凰真に――


 防御は間に合わなかった。

 雪哉の強く振り抜いた拳が凰真の額に直撃した。凰真はグルンと一回転して地面を滑っていく。壁にぶつかりようやく停止し、凰真はそのまま動かなくなった。

「……あんまり調子に乗るなよ、餓鬼め」

 これではどちらが悪役かわからない。

 悪態をついたのは雪哉で、動かないのは凰真。

『終わった、の?』

「まだだろ……あれがヒトなら俺の勝ちだった、でもあれは……違うだろう?」

 一撃を与えたのは確かだった。

 でもそれで勝利したとは思えない。案の定、雪哉の目の前で崩れた凰真は立ち上がる。額を抑えながらこちらを睨んでいる。

「思わぬイレギュラーってやつ、かな? まさか同じ(、、)タイプだったなんてね。そりゃ虹子の力も使えるわけだ。戦いに関してまだ浅いからこそ弱いんだろうけど、まぁ、ボクならもっと上手く使えるんだけどな……」

「なにを、言っている?」

「まぁ、舐めてかかったボクも悪いんだし一発喰らったってのは潔く認める。ニンゲンの分際でーってわかり易いボスキャラの立ち位置もイヤだしね。我慢するよ……だから余裕があるっぽいとこ見せたいから、キミにいいことを教えてあげよう」

「ふざけるな」

「訊いてくれよ、そしたらすぐキミの腕引っこ抜いてそれ以外全部殺してやるから。黙って訊いてくれよ」

 凰真の只ならぬ様子に雪哉は一歩身を引いた。

 そして凰真は語り始める。そしてその言葉を訊いた雪哉の表情が変わった。

「キミの家族について語ろう……かな?」

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