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それが全能結晶の無能力者  作者: 待雪 妥当
prologue. -兄妹-
12/82

1-12 全能結晶の無能力者(3)

1-12 全能結晶の無能力者(3)


 到着した。


 敵が待つ場所に、辿り着いた。


 理愛と雪哉が通う学校の裏山。


 どうしてこんなところに、なんてことは思わなかった。滾る。感情が強く、湧き上がる。


 終わりのときだ。


 樹木が密集し、よく目を凝らさなければ月下兄妹を見つけることはできない。二人は樹木の間に立ち、理愛を待っていた。

「待ってたよ、理愛」


 虹子がゆっくりと理愛の元に近づいてくる。


 その後ろには雨弓の姿が見える。まだだ、まだ動くな。殺意を隠し、平静を装い理愛は二人が攻撃が有効な範囲に近づくまで静止を決め込む。


「突然、電話して来たのは驚いたよ。まさかいきなり能力について調べて欲しいなんて、本当に協力してくれるんだね」


 理愛は頷く。


 それは嘘。月下兄妹を誘き寄せる為の嘘。


 研究とやらがどのように行うものかわからないが、ともかく協力はするがその場合は月下兄妹でなければ協力しないと付け足した。確実に月下兄妹を誘う為に。


 ここまでは計画通り、ここからが本番だ――


「さて、理愛」


 まだ遠い。


 理愛は目を細め、眉を深めた。


 虹子は中々理愛の射程圏内に入ってこない。焦らされているようだ……だがこちらから動いてはいけない。相手は完全な能力者だ。少しでもおかしな行為を見せてしまえば、兄のように倒れるだけだ。


 そんな焦燥を必死に包み隠す理愛を前に、虹子は今から始まる遊戯を待ち望んでいた子供のように楽しそうに笑みを浮かべ、腹部に手を当てて理愛を見つめた。


「研究を、始めようか。理愛の異能ちからは世界にとってどう左右するのかを調べよう」


 射程圏内に、入った。


「――!」


 同時、


「ほら、始まったよ。どうする? どうやって切り抜ける?」


 理愛の描いた攻撃有効範囲圏内に入り込んだ途端、影だけが放置され、理愛の鼻に触れる程に近く虹子の顔が見えた。


 銀光。


 横一直線に薙いだそれが、理愛に襲い掛かる。そんな急襲はなんとか屈み込むことで回避することができた。しかし、それと同時に理愛の視界には雨弓の全身が映り込んだ。


 危険。


 動け、跳べ、離れろ。


 ともかく脳が行動しろと駆り立てた。すかさず地面を蹴り上げ跳躍。理愛がいた地面が大きく穿たれる。削れる地面。不可視が理愛を襲い、理愛は動くことを止めない。立ち止まれば、待っているのは確実な死。


「ひょぉ! すっげぇ、かわしたぞ! 虹子ぉ、こいつすげぇな!」

「言ったでしょ。理愛は私と「同じ」なんだから、舐めてかかったら痛い目見るよ」

「そうか、そうか、OKわかった。あんな忍者みてぇに動かれちゃさすがにノーコンのまんまじゃ上手く当てれねぇな、仕方ねぇな、アレ使うか!」


 嘲るように身体を大きく震わせたまま笑い続ける雨弓が、上着を捲り、そこから何かを取り出した。理愛は逃げ続け、樹の裏に身を隠す。


「明らか殺そうとしてきた……」


 何が研究に協力しろ、だ。


 理愛が「殺す」よりも早く虹子が「殺し」に来た。


 理愛はもたれる樹を小さく小突き、包丁を取り出す。


 前回はカッターナイフだった。威力を向上する為に家にあったものを流用した。


 魚を解体する為の出刃包丁をまさか人間を解体する為に使用するなんて雪哉に知られたら何と言われるか、なんてそんなこと兄に知られるわけにはいかないから。


 轟音が響いた。


 暴風が通り過ぎ、土に根を張る樹木が吹き飛んだ。そして理愛が隠れていた大木までも、まるで砲弾でも直撃したように木っ端微塵に砕け散る。


「何が……?」


 明らかな危機が理愛に襲い掛かっている。


 停滞は死だ。逃げなければいけない。でも、どうして? どうやってこんな破壊を――


「避けろよ、時任妹ぉ! 当たると痛いじゃ済まねぇぜぇ!」


 銀と黒の色に染まる銃器を持った雨弓が、舌を出して笑いながら引鉄を引く。


 その銃口は理愛に向けられていた。理愛はすぐに照準から逃れるように草むらに逃げ込む。通り過ぎた不可視が、生え並ぶ樹木を再び抉り飛ばしていく。


「原型はよぉ、『S&W M500』って言うんだけどよぉ!」


 引鉄を引く度に周囲がその火力の前に吹き飛ばされていく。


 しかし銃口からは硝煙は上がらず、ましてや爆発音すら出さず、無音のまま。だが撃鉄が落ちる音は聞こえる。そして雨弓の腕は射撃する度にその反動で腕が揺れている。


「見てくれよ、これ。こんな口径の銃なんてよ、漫画みてぇに片手で水平に構えちゃってよ! そんなカッコつけて撃ってみろよ! 肩外れて使いもんにならなくなっちまうんだよなぁ! だからこれはよ、人類が手を出すにはまだ早い代物だよなぁ!」


 理愛には銃の知識は無い。


 だから、それがどれだけの代物なのかはわからない。やけに長く伸びた銃身も、装弾数も何も理愛が知ることはない。


 それでも自分と変わらない高校生がまるで大砲のような歪な形をした銃を片腕で撃ち出すという光景だけは異景であるということはわかった。


「なんなの、アレ……」


 忌々しく暴力的なフォルムを見せ付ける兵器を見つめる。


 引鉄が引かれれば破壊は繰り返される。


 おかしい――と、さすがの理愛でもそれはわかった。


 銃というのは弾があって初めて武器として使用できる。しかしどうだろうか雨弓は数発撃ち出した後、シリンダーを見せるだけで、そこには薬莢も何も無い。


 その中身は空っぽだけが見えた。そんな筒を回すだけの行為。それだけで再び暴力が開始される。


「あれが兄貴の能力だよ」


 身を隠す理愛の背中に立つ虹子。


 気がつき、振り向けば瞳には虹子の持つナイフの刃が見えた。間一髪、避けるが左頬を刃が掠め血が迸る。


「すごぉい、今のも躱す?」

「能力、なの?」

「兄貴の? そうねぇ、そうだよ」

「虹子ぉ! ネタ晴らしすんじゃねぇよ!」


 耳を劈く破砕音が理愛と虹子の距離を離す。雨弓は虹子がいたにも関わらず、射撃したのだ。


 だが虹子は恐れることなく理愛から離れていく。それどころか虹子は雨弓の向ける銃口を背に理愛だけを見詰めている。


 当たれば間違いなく死ぬ。怖くないのか。そんなこと聞く気もないけれども。


「時任妹、お前も虹子と同じなら……そろそろ本気出さねぇと死ぬぞ?」

「わたしは、そんな――」


 戦う為の能力が無い。あったとしても使い方がわからないままでは、どうしようもない。


 使えないのならば、無いのと同じだ。それでも本当に、能力とやらを使わなければ間違いなくこの二人に殺される。殺してやると誓ったはずだ。


 それなのに何も出来ぬままに無惨に殺されるなんて、それこそ嫌だ。理愛は二人を睨みつけ、隠し持った包丁を取り出す。逆手に持たれたそれで、敵こそ無惨な肉片に変えてやるのだと。


「あの出来損ないのお兄ちゃんと一緒にしてやるからよ、そこ動くなよ」

「ふざけたことを」


 気持ち悪いことを言うな、吐き気がする。だから疾駆する。その口で二度とふざけたことを言えぬように舌を斬り裂いてやる為に。


「私を無視して、兄貴の相手? 余裕だね、理愛」

「どいてください」


 逆手のまま振り払った刃が虹子の刃で受け止められる。


 二体一。しかも相手は能力を自由に操れる。


 その時点で十分、差があるがそれを理由に逃げるわけにはいかない。それに、これだけ隣接していれば雨弓も理愛だけを狙い撃つことは難しいだろう。


「へぇ、鍔競り合って私を盾代わりにするわけだ。エラいね」

「アナタの兄の凶弾はこれで届かない」


 しかしそんな理愛の言葉を嘲笑うように、虹子の持つ刃に力が篭められていく。離れようとはせず凶刃が理愛の刃と重なっている。


「兄貴、撃って」

「わかってる」


 躊躇無く、虹子の言葉が撃鉄を落とす。大口径から放たれる不可視が虹子と理愛を襲った。


 妹諸共に平然と撃ち出すなんてどうかしている。だが、鳩尾に虹子の蹴りを受け転ぶことでそれは回避された。


「びっくりした?」


 巨大な大木さえも木っ端微塵にする威力だ。その見えぬ力が直撃すれば理愛の身体など粉微塵になることなんて目に見えてる。


 しかしそんなことよりも今は転がり、そのまま鳩尾に受けた衝撃と痛覚の前に意識が消えてしまいそうだった。何度も咳き込み、呼吸を整える。それでも、そんな余裕があるわけもなく。


 地面の上を転がる理愛が空を見上げれば、見下ろす虹子が刃を墜落させて来たのだ。


「この……!」


 反射した神経が無意識のままに首を振り、それは理愛の額に刃が刺さることはなく地面を突き刺していた。そしてそのまますかさず立ち上がり、朦朧としながらも真横に刃を薙ぐ。


「へぇ、その状態でここまで出来るのにね……どうして上を目指せないの?」


 限界というものが、理愛にわからなかった。


 人より早くは動ける。人より高く飛べる。人より強く戦える。


 それでも、常人を相手にした場合でしかない。


 目の前にいるのは何だ? 有能力者コーダーだ。目に見えぬ何かを頭の中で作り、まるでプログラムでも構築し、その開発が完了すれば、能力として扱うことができる。


 それをどうすれば、どのように考えれば組み立てることが出来るのか? 出来る出来ないが才能の分かれ道だ。

 

 理愛にはそれが出来ない。しかしわかっていることがある。何を持って難しいというのかはわからない。頭の中で能力を構築し、発動させるなどといわれてもわかるわけがない。


 だけど、理愛が常人を超える瞬間はいつだって殺意や覚悟、信念。感情一つでスイッチを入れ替えることが出来るのだけははっきりしている。


「おかしいなぁ、第一界層かいそうは確実に踏んでる。だけどそれ以上を目指せない。何がいけないのかなぁ、わからないなぁ……」


 虹子の言葉の意味は理愛にわかるはずがない。


 雪哉のような変な言葉を使うなと理愛は苛立たしく虹子を憎む。


「なぁ、虹子ぉ……もうつまんねぇわ」


 倒れたままの理愛を見下ろすのは虹子だけではない。


 そう、敵はもう一人いる。雨弓が銃口を理愛の眉間に押し当てる。


「これがお前の言ってた「同じ」なら、どうしてお前みてぇにデタラメ見せてくれねぇんだ? こんなんならまだ普通の有能力者と殺り合ってる方がよっぽどいいだろ」

「ダメだよ、兄貴。もうちょっとだけ待って」

「もういいだろって――」

「待って」


 虹子の瞳はいつまでも変色を遂げる。そんな色の中でもっとも冷たい氷のような色で雨弓を見据える。


 兄妹に向ける視線ではなかった。そんな視線を向けられた雨弓はゆっくり銃口を上げ、理愛から離れていく。


 そして虹子はいつものようなふざけたような顔をして、瞳の色が今度は灰色になっていた。


「理愛が選ばれた理由、わかる?」


 わからない。


 もうずっと、わからないままだ。


 何一つわかったことなんてない。


 能力を持つ人間なんて溢れる程に存在する世界で、厳選された理由などわかるはずもない。


 そもそも自分自身が如何なる能力を所持しているのかさえわからないというのに。だから理愛は無言のまま、首を横に振ることしか出来なかった。


「理愛のその結晶が欲しいの。異能を超えた異能。種晶シードを超越した、紛い物ではない本当の結晶」

「そんなの……」

「知らないだけ。理愛が、人々が、世界が、知らないだけ。無知は罪だよ。とてつもない力を秘めた結晶を保有しているのに、何も知らないなんて、何もしようとしないなんて」


 そんなの勝手じゃないか。理愛は不満げな眼差しを虹子に向ける。たとえ自分の中に秘めた結晶が種晶よりずっと強大な力を持っていたとしても、力を手に入れたとしても、その力を振り翳さなければいけないと誰が決めた。


 能力があれば、その能力を使わなければいけないのだろうか。否定しろ、しなければいけない。そうしなければ虹子の価値観に呑まれるだけだ。


「っと、まだ抵抗するの?」


 地面に手を置き、身を屈め、逆手に刃。


 戦わなければ。


 本物であろうが、贋物であろうが、そんなものに興味はない。


 今はただそれだけの理由で自分の世界を壊そうとしている敵を倒さなければ。


「いいよ、わかった。わかったよ。来なよ……戦おう。攻撃しなよ。そうしないと、私はずっと理愛を追い続けるから」


 その言葉が起爆剤だった。


 そうだ、この追跡者を排除しなければ理愛の世界は守れない。


 だから、全速で駆け抜ける。全力で突き破る。


 虹子を殺さなければ、日常は帰って来ない。


「あああああああああああっ!」


 躊躇いも、恐怖も誤魔化すように理愛は咆哮し、全ての力を刃に内包した。


 その刃は確かに虹子の心臓を狙っていた。


 だけど、


「言ったでしょう、上を目指さない限り……理愛の世界は変えられないよ?」


 刃の先端は、虹子の心臓に届かない。


 刃先が見えない膜に刺さっているようだった。そんな障壁が虹子を守護している。そして、やはり理愛の武器は粉々に砕け散る。


 まただ――


 あの初めての敗北の日。あの時だって、理愛の刃は無常にも微塵になった。


 そして無防備となった理愛に虹子の裏拳が左肩に直撃した。それと同時、理愛の身体はまるで車にでも轢かれたみたいに大きく浮いた。


 錐揉み回転しながら素っ飛び、樹に背中を強く叩き付けられる。同じだ。既視感デジャヴュを見た。何もできず、抵抗は意味を成さず、ただ圧倒的な力の前に瞬殺という結末だけを押し付けられる。

 

 そして物理的にも押し付けられた圧迫の力。吹き飛ばされ、踏み潰され、樹木に理愛の身体が埋もれている。


 頭から血を流し、左肩は上がらない。折れたか、それとも砕けたか。満身創痍もいいところだ。明らかに力の前に支配されている。何もできない。何もやり遂げられない。


「おいおい……虹子ぉ、さすがに死んだだろ、それ」


 瞳には光が抜け、ピクピクと血を流し痙攣する理愛を見てさすがの雨弓も同情しているよう銃口を下ろし、理愛の頭を銃のグリップで小突いている。理愛は、もう動けない。


「はぁ……こんなんで終わりなの? そうなの?」


 だが雨弓の声を聞くことなく、虹子は失望したように、さっきまで楽しんでいたはずの玩具で遊ぶのに飽きた子供のように興味を示すことを止めて理愛の骸と変わり果てた身体を見下した。


「理愛、そんなに力が要らないなら頂戴よ。私に頂戴。それでいいの」


 理愛はもう声を出すことすら出来なかった。


 動くことも、喋ることも出来ない程に衰弱していた。それでも、虹子の言葉は止まらない。


「欲しいの、私達はね。その理愛の内に秘めた「花晶レムリア」をさ」

「……れ、花晶レムリア?」

「そう、その結晶が選ばれた者の証。でもそれは理愛が選ばれたんじゃない、理愛が、選んだんだけれどね」


 そこでやっと瞳に光が灯り出し、理愛は再起動する。


 ここでこのまま落ちてはいけない。


 自分のことがわからない。それなのに他人が知っているなんてふざけてる。新しい言葉を聞き、その意味を知るまではまだ終われない。


 そう、終われない。


 理愛は立ち上がる。まだ何も知っていない。まだ何も果たせていない。


 だから、理愛は、


「おいおい、ゾンビかこいつは?」


 ダラリと腕を垂らし、口元からは涎と血を滴り落とし、弱い銀の光を灯した瞳で月下兄妹を一瞥する。


「お前にわたしの何がワカル」

「おっ? なになに?」


 原理なんてわからない。どうすればいいのかなんて知っているわけもない。


 それでも、戦うのだけは止めてはいけない。


 胸が痛い。心臓に棘が刺さっているように、胸が苦しい。


 肩が痛い。砕けた肩はもう使えない。だから、どうした。まだ右腕がある。腕一本あれば、いや、生きていれば何度だって、幾度となく、終わりなく戦い続けることが出来る。


「わたしの中の結晶、そんなの知らない。知りたくない」


 血を流しながら。猛禽類のような獰猛な瞳で虹子を一見し、胸を押さえる。頭の中で何かが浮かび上がる。輪郭は浮かび上がっているのに形が不確定で、それが何かはわからない。


 でも、はっきりと理愛の頭の中で構成されている。これが能力なのか、と理愛は笑う。


 銀の瞳が発光し、銀の髪もまた光を放ち、大気が揺れたような気がした。異常を孕み続ける理愛を前に虹子は高揚し、はしゃぎ出す。この時を待ち侘びていたように、大きく手を広げて笑っている。


「やっとかぁ、やっとなのぉ、理愛! はやく、はやくはやくはやく、はやくぅ! その異能ちからを見せてよぉ!」


 銀の光を纏う理愛に狂喜する虹子。


 そして理愛はただ手を翳し、力を放出する。


「……え、?」


 だが、力が顕現することはなかった。光が具現することはなかった。


 情けない声を上げて、理愛は棒立ちのまま手を下ろした。力強く溢れていた光は電池切れを起こした懐中電灯のように、もう二度と光り輝くことはなかった。


「ははっ、虹子よ、やっぱこいつも無能力者ヌーブなんだってよ、あの出来損ないで土下座しかできねぇ口だけ時任の妹だぜ? 所詮、力を使う権利を得られても、肝心の力は使いきれない。わかりやすくていいじゃねぇか、こういうのはクズって言うんだぜ」


 能力が、発動しない。


 理愛の手が震える。どうして? もうあと一歩だったのに、きっとその銀の光が外出すれば目先の敵を屠ることなど容易なはずだったのに、それなの光を出すことしかできなかった。


 これではどんな能力なのか把握することもできない。辺りを照らす光でも、闇が大きければ呑み込まれる。理愛の光は闇に喰い潰された。


「理愛、つまんないよ。やっぱり理愛の持つそれ、私が貰うよ」


 理愛に向けられていた関心は皆無となり、虹子はつまらなさそうに失望し、そんな能力を発動できない理愛に絶望し、手に持つ小さな刃を輝かせ、振り下ろした。

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