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秋 〜予感〜

呼称についての補足


夏海は、春海や友人からは『夏海』、秋代からは『夏ちゃん』と呼ばれてます。

春海は、冬樹からは『春姉ちゃん』、秋代からは『春ちゃん』です。

秋代は、春海からは『秋ちゃん』、夏海からは『秋姉ちゃん』です。

冬樹は、みんなが『冬樹』と呼んでいます。


会話のシーンを少し分かりやすくするための補足です。


「冬樹は夏ちゃんが好きだから」







三年生になると、冬樹と同じクラスになった。


変なモヤモヤや、わだかまりもなく、小さい頃みたいに、…とはいかないけれど、挨拶もすれば、話もする。


くだらないことで、笑い合うことが出来るようになっていた。


お互いの友人を交えて、毎日、それなりに楽しかった。




普通に接することが出来るようになると、少し欲が出てくる。




二人でいることが出来たら…。




こうなると、冬樹への恋心を否定することは出来ない。







「夏海と立花君って、付き合ってるの?」


「付き合ってないよ!幼なじみなだけ…。」


「じゃあ、私もちょっと頑張ってみようかな。」


中学生になり、冬樹は急激に身長が伸びた。


女子にしては身長の高い私も、追い越した。


元々、整った顔立ちなので、冬樹を好きな子は多かった。


この頃、小さい頃から一緒にいる私は、他の子に冬樹を取られるわけがないという、妙な自信があった。


なんの確証もないのに…。







残暑も終わり、少し肌寒くなった頃、家に帰ると秋姉ちゃんがいた。


「夏ちゃん、久しぶり!」


高校生になった秋姉ちゃんは、ますます可愛らしい女性になっていた。


高校生になっても秋姉ちゃんは、『弟が最優先』だったが、それは母親代わり的な感じに変わっていた。


「夏ちゃんは高校どこ行くの?うちの高校に来るの?」


お姉ちゃん達は、T大付属高校に行っていた。


「まだ、S女子大付属と迷ってて…。」


「共学のほうが、絶対楽しいって言ってるのに、夏海は頑固だから。」


お姉ちゃんは、女子のグループ付き合いが苦手なので、共学を選んだと言っていた。


秋姉ちゃんは、「春ちゃんと同じ高校に」という理由。


「冬樹は、うちの高校って言ってたよ!空手部があるのは、この辺じゃ、うちの高校だけだからね。」


お姉ちゃんは、中学を卒業すると空手道場を辞めた。


『強過ぎる女の子は、モテないから』という理由で…。


高校生になってからも、道場へは、ちょこちょこ遊びに行っているみたいだったが…。




「冬樹と同じ高校のほうが、夏ちゃんも楽しいんじゃない?」


ドキッとした。


「私の進学と、冬樹は関係ないから…。」


「えー、でも冬樹は嬉しいと思うよ。たぶん、冬樹は夏ちゃんが好きだから。」


「「えっ!」」


秋姉ちゃんの衝撃発言に、私達姉妹は絶句する。


この時の私は、秋姉ちゃんの言葉より、お姉ちゃんの悲しそうな表情が、気になって仕方がなかった…。


なんとも言えない、嫌な予感がした…。




お姉ちゃんも、もしかしたら…?








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