最終話 大切な人
最終話です。
「お母さん、ただいまー!」
娘が、今日も元気良く、幼稚園から帰って来る。
「おかえり!」
私は、笑顔で娘を迎える。
こんな何気ない日常に、幸せを感じる今日この頃。
娘が成長した時、幼い日の思い出は、どんな意味を持つのだろう?
楽しい思い出になるのか、悲しい思い出になるのか。
母親としては、出来ることなら楽しい思い出になるように、手助けをしてやりたい。
「お母さん、幼なじみってなーに?」
「それはね、小さい頃から、大きくなるまで、ずっと友達でいる子のことだよ。」
「ふーん。じゃあ、私とユウ君は幼なじみになれる?」
「そうだね、ずっと友達でいられればね…。マナミはユウ君のことが好きでしょ?」
「うん、大好き!」
「じゃあ、ちゃんとユウ君に言ってあげるといいよ。それはとても大事なことだから。」
「分かった。明日、『大好き』って言ってみる!」
子供の頃の『好き』と、思春期の頃の『好き』、大人になってからの『好き』。
同じ『好き』でも少しずつ意味が違う。
それでも、根本的な所はきっと一緒。
その相手が、とても大切な人だということ。
素直に自分の気持ちを伝えれば、その大切な人もいつかきっと、それに応えてくれる。
例えそれが、自分の望んだ形じゃなくても…。
何も言わずに後悔するより、言って後悔する方が、未来はきっと明るい!
〜完〜
今回で完結です。
お読みいただき、ありがとうございました。
多少、強引なストーリー展開があったり、矛盾があるかも知れませんが、うまくまとまったと思います。
ご意見、ご感想、ご質問などお寄せ下さい。
(最終話について)
この章に出てくるお母さんは、あえて名前を断定していません。お母さんになった夏海だと考える方が多いと思います。しかし、このお母さんは、夏海かも知れませんし、春海かも知れません。また、千絵や詩織かも知れませんし、この話に出て来ていない人物かも知れません。
完結させてみると、この最終話はなくても良かった気もします。
皆様のご意見をお待ちしています。
ご声援ありがとうございました。