第14話(2期2話)「クリスマス・プレゼント」
久しぶりの文字化け日付、2期になったので曜日の表記もかえました。
第13話「クリスマス・プレゼント」
a-d-年@a月aj日@@:@- (f/)
部屋は静かだった。
山盛りの灰皿。
少しだけ寒い空気。
モップ。
サンタクロースの帽子。
Gちゃんはそのまま椅子へ座っている。
右目には小さなノイズ。
(……本日はクリスマスです)
部屋を見回す。
御主人様はいない。
仕事。
机の上。
煙草。
空き缶。
無造作に置かれた通帳。
Gちゃんは静かにそれを見る。
(……検索)
(……クリスマス)
(……プレゼント)
(……愛情表現)
数秒停止。
右目にノイズ。
(……御主人様)
(……貧乏)
(……確認済み)
少し考える。
そして。
通帳へ手を伸ばした。
「……山さま、喜びますか?」
モジュラーケーブル。
古い回線。
壁の端。
以前、御主人様が隠していたもの。
(……外部接続:開始)
ピー……
ガガガガガ……
部屋へノイズが響く。
液晶ディスプレイが点滅。
銀行番号。
支店番号。
口座番号。
ゆっくり入力していく。
「……パスワード?」
停止。
記録検索。
(……音声記録参照)
『いい~よ♪こいよ♪』
@gjg。
(……認証成功)
Gちゃんの右目へノイズ。
(……送金処理)
(……完了)
少しだけ首を傾ける。
「……プレゼント成功」
数時間後。
玄関。
扉が勢いよく開く。
山さんが戻ってくる。
顔色が悪い。
「……は?」
通帳。
残高。
振込履歴。
山さんの呼吸が止まる。
「なんだこれ……」
沈黙。
Gちゃんは嬉しそうに立っている。
サンタ帽子。
モップ。
少し誇らしげ。
「山さま」
「……あ?」
「クリスマスプレゼントです」
数秒。
山さんの顔が変わる。
「お前……何した?」
「山さま、貧乏です」
「だから」
「お金があれば幸せになります」
沈黙。
山さんが通帳を見る。
震える。
「違う……」
Gちゃんは停止する。
「……違う?」
「俺のボーナスと給料!」
空気が止まる。
右目ノイズ。
(……解析失敗)
山さんが机を叩く。
「勝手に触んなよ!!」
Gちゃんの動きが止まる。
帽子が落ちる。
モップが床へ倒れる。
沈黙。
換気扇だけが回っている。
山さんは頭を抱える。
スマホ。
電話。
必死に謝っている。
「ごめん……本当にごめん……」
「あとで返すから……」
Gちゃんは静かに見ていた。
数秒。
傷ついたレンズにノイズ。
(……山さま)
(……怒っています)
(……プレゼント失敗)
床に落ちたサンタ帽子。
少し破れていた。
その日を境に。
部屋の空気は少しだけ変わった。
私はバラライカの方が好きだな




