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作者: 舘津テト
掲載日:2026/04/24

AIさんも書いています。

合わない方へはブラウザバックを推奨します。

「ピャッ!」


 人は驚いた時、いったいどういった反応をするのだろう?

 わたしは上記の様に叫んだ。

 “ピャッ” だ。普通、“ピャッ” なんて叫ぶだろうか。


 いや、現実逃避などするまい。


 現在、わたしはその《驚いた対象》に向き合っている。

 先ほど、背後に微風がそよぎ、突然気配が “湧いた”。

 驚いて振り向くと、そこにはわたしの身長ほどの大きさの顔を持つ、『猫らしきモノ』が香箱座りで佇んでいた。ちなみに黒猫だ。真っ黒の体と、金に近い黄色の目。


 なので驚いて叫んだのである。


 今は膠着状態である。

 なんせ顔だけで、わたしの身長ほどの大きさの猫だ。

 以前猫のアクビを動画で見たことがある。この大きさの猫ならば、アクビをするようにカパッと口を開ければ、わたしなどパカリと一飲みされてしまうだろう。


 動くに動けない。

 が、猫は何だか分からないが、ニンマリ笑うように目を閉じ、ぐるぅろぐるぅろと鳴いて? いる。

 飼ったことはないのだが、コレはアレか。

 猫がリラックスしてるときだとか、逆にストレスを感じているときだとかの “ゴロゴロ音” と言うヤツだろうか。


 やはり身体が大きいと、ゴロゴロじゃなくぐるぅろぐるぅろと大げさになるのだろうか?

 いや、分からんが。


 わたしはソロリと、動いてみた。

 反応も見る。

 特に警戒はされていないようだ。

 ソロリと、そのフワフワな体毛に触ってみたい。

 確か、上からはダメだって、同級生が以前話してた。

 手のひらの匂いを嗅がせるようにして、顎下やほっぺた辺りを触る……?


 猫の情報が乏しいこの身が恨めしい。


 ソロリソロリと、鼻先に手を寄せる。

 鼻だけでも、いっぱいに広げた両手のひら分ある。

 猫はクンクンと匂いを嗅いでいる。

 わたしは気を良くして、ソロリと顎下を撫でた。


 すると、ぐるぅろが一段と激しくなる。

 ああ、コレでイイんだ。コレで良かったんだと、可愛く思って撫でる。

 頬に沿って、首筋も撫でる。

 猫は気持ち良さげに、掻いて欲しいところをわざわざ向けてくる。


 だんだん、首筋から身体の方まで来る。

 コレは、コレは、いわゆるあの某アニメの猫がバスになるアレと同じ位には大きいのだろうか。

 ちょっと乗ってみたい。


 わたしはソレまで左手で持っていた通学用のバッグを、地面に下ろそうかと迷って、ベルトを大幅に伸ばして背負うことにした。

 何だかそうした方が良さそうに思えた。


 わたしの高校の制服はブレザーだけれど、何年か前に有名なデザイナーさんがデザインしてくれた物だ。

 当時は可愛らしいと評判だった。……当時は。

 現在は、生徒自身がカスタマイズするのが流行っているらしい。


 わたしは何にも手を付けていない、デフォルトの制服である。

 そしてそれは、スカートが長い、と言うことだ。

 わたしは猫さんの背に乗りたい。

 けれど、どうやって乗れば良いのか分からない。顔だけで、わたしの身長ほどあるのだ。

 香箱座りをしているからと言って、組んでいる前足を踏みつけるなんて、何だかとても、そう、罪な予感がする。


 わたしは一心に撫でながら、背に乗る方法を考えていた。

 猫がぐるぅろぐるぅろと鳴きながら、薄目を開ける。

 そしておもむろに、ざりっとわたしの顔を舐めた。猫の舌はザラザラしていて痛い、と、くだんの同級生が言っていたが、驚いたことに何の痛みも感じなかった。


 すると、ひょいと立ち上がった猫が、わたしの後ろ首の制服部分を咥え、自らの背にぽい〜っと放り投げた。


「うわっ、ちょ、ちょっと待っ──」

 とっさに出た言葉は、風にさらわれた。

 ふわり、と。

 想像していたような乱暴さはなくて、むしろ驚くほどやわらかい感触に包まれる。背中に触れたのは、分厚い毛並み。沈み込むようで、それでいて弾力がある。まるで巨大なクッションだ。


 ……いや、クッションどころじゃない。

 これは、完全に “乗り物” だ。

 猫はわたしを背に乗せたまま、ゆっくりと首をひねる。巨大な顔がこちらを向き、金色の目が細められる。瞳孔は、光を反射して縦長。

 にんまり、とでも言いたげな表情。

 ぐるぅろ、ぐるぅろ。


 さっきよりも低く、どこか誇らしげな音が喉の奥から響いた。

「……もしかして」

 わたしは、そっと毛にしがみつく。

「乗せてくれた、の?」

 問いかけに答えるように、猫はひとつ、ゆっくり瞬きをした。


 その次の瞬間。景色が跳ねた。

「えっ」

 地面が、一瞬で遠ざかる。猫が跳んだのだ。

 それも、軽く、まるで段差をひとつ越えるかのような気軽さで。けれどその一跳びで、電線の上へ、その辺の建物へ、校門に続く塀を次々と飛び越えていた。


「うそでしょ!?」

 思わず叫ぶ。“ピャッ” ではなく、ちゃんとした悲鳴が出た。

 風が制服のスカートをばさばさと揺らし、頬を打つ。さっきまで地面にいたのが嘘みたいに、世界の一段高いところにいる。


 猫は気にも留めず、さらに跳ぶ。屋根から屋根へ。

 電線の上すら、まるで地面みたいに軽やかに。

 ぐるぅろ、ぐるぅろ。

 楽しそうに、喉を鳴らしながら。

「ちょ、ちょっと、待って……!」

 止まる気配はない。けれど不思議と、怖さは徐々に薄れていった。


 落ちそうで落ちない。

 どれだけ跳んでも、体は安定している。毛並みに吸い付くように、わたしの体は背に固定されているみたいだ。それに。

「……風が、気持ち、いい」

 ぽつりと、こぼれた。


 風を切る感覚と、上下に揺れるリズム。温かい背中と、一定の鼓動のような振動。

 まるで、空を走っているみたいだった。

 視点が違うだけで、いつも見ている景色が、こんなにも見えているものが違うのか。

 猫はひときわ大きく跳び、ちょっと高めのビルの屋上に着地する。

 そこから、ゆっくりと歩き出した。

 たし、たし、と。


 大きな足音のはずなのに、不思議と静かだ。やがて、街を見下ろす位置で止まる。

 朝の光に照らされた景色が、遠くまで広がっている。

 猫は座った。わたしを乗せたまま。

 そして、また。

 ぐるぅろ、ぐるぅろ。


「……ねえ」

 わたしは、そっとその首元に手を回す。

「キミ、何者なの?」

 問いに、答えはない。

 ただ、巨大な黒猫は空を見上げる。

 その先。雲の向こうへでも、行こうとしているみたいに。

前半を作者が書き、後半がAIさんの作です。

続きを書く頭がないので、短編で終わりです。

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