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嘆きの通話、第五期

深夜2:00。カフェ「月影」のカウンターで、ツバキはスマホをいじる。黒髪ショート、鋭い目が青白い光に照らされる。机に親友の写真と、リボン型のチャーム。「はぁ…通話かよ。ペンのインク切れた、マジだるい。」ストロベリーフラペをすすり、「うわ、甘すぎ! 舌ビリビリ!」と顔をしかめる17歳の素顔。ネオンの青が頬を染める。ガタン。クッキーの皿が揺れる。振り返るが、誰もいない。鏡に映る自分の顔。背後で影が揺れる。「…またか。」親友の笑顔が脳裏に浮かぶ。スマホが震え、通知音。「嘆きの通話」。ツバキの目が凍る。「はい。」声は静かで冷たい。

依頼者はリカ、16歳。画面越しの目は震える。「…名前を。」「中村サナ、16歳。」声が掠れる。「理由。」「親友…アイツの匿名アカで、壊された。」リカの親友はサナのSNS中傷で登校拒否に。リカは親友の手紙を握る。走り書きの「リカ、いつもありがとう」。リカの傷:両親の離婚で祖母に育てられ、親友が家族だった。祖母の「リカは強い子」の言葉が支えだったが、親友の笑顔が消え、心が折れる。「代償は。地獄か、崩壊か。」「地獄…アイツを。」リカの声は固い。「お前も選べ。」「…地獄。」通話が切れる。ツバキのスマホに通知。「地獄は響く。」鏡に揺れる影。

翌朝、ツバキはサナのSNSを解析。表アカは明るい。「友達大好き!」フォロワー3千。匿名アカ「ghost_sana」で親友を攻撃。「ウザい投稿やめて。」リカの学校。彼女は孤立。親友の手紙をSNSに上げたが、「痛い」と叩かれ、止まる。リカの傷:祖母が病床、親友の喪失で希望が消える。ケイ、17歳。リカのクラスメイト。ジャケットにバンドのピンバッジ。ケイの傷:父の失踪で母と二人暮らし、親友をいじめから守れず後悔。「リカの手紙、めっちゃ深い!」と励ます。サナに抗議するが、取り巻きに笑われる。「正義感キモいね。」ケイの目が燃える。

カフェにユウ、19歳。ロングコート、鋭い目。元依頼者で、過去に「通話」で復讐。「ツバキ、通話は呪いだ。」ツバキが睨む。「依頼を裁く。それだけ。」ユウが笑う。「地獄、楽しくないだろ?」ユウの傷:姉を裏切った友を裁いたが、姉の「ユウ、笑って」の声が夢に響き、孤独。通知。「お前も地獄を呼ぶ。」照明がチカチカ。鏡に赤い雫。

ツバキはサナの匿名アカを学校のSNSに公開。「ghost_sana=中村サナ。親友を傷つけた。」コメントが溢れる。「最低!」「裏切られた!」サナは孤立。校庭でツバキが迫る。「あんたはそうやって何人追い詰めた?」サナが叫ぶ。「知らない! ただのストレス発散!」ツバキが親友の手紙を見せる。「これが?」サナが崩れる。「ごめん…」涙が落ちる。サナの傷:親の期待に縛られ、成績でしか認められず、SNSで「完璧」を演じ、裏で毒を吐いた。

リカが揺れる。サナをSNSで叩き始める。ケイが止める。「親友が望むこと?!」リカが叫ぶ。「私の痛み、誰も知らない!」親友の「リカ、ありがとう」が刺さる。ケイの傷:父の失踪後、母の疲れた顔に無力感。リカの笑顔に自分を重ねる。ツバキに頼む。「サナを止めて。」ツバキは冷たく。「通話だけ。」

ユウが迫る。「通話」は選ばれた者を縛る。「ツバキ、操ってる奴がいる。」ユウの傷:復讐後、姉の笑顔を夢に見るが、目覚めると空虚。リカがカフェに来る。ユウがリカに言う。「復讐しても、親友は戻らない。」リカが叫ぶ。「黙れ! 関係ない!」ツバキがリカを見つめる。「地獄は…重いぞ。」

リカの復讐心は止まらず、サナはSNSの糾弾で追い詰められ、教室で動けなくなる。救いがない。ツバキがサナに冷たく言う。「そうやってあんたのような人間のせいで悩み苦しむ人がいるんだよ。あんたのような地獄は生きながら…」ユウが割り込む。「通話」をハッキング、停止を試みる。「ツバキ、抜け出せ!」だが、システムが反撃。ツバキのスマホに通知。「お前も地獄だ。」リカはケサに支えられ、親友の手紙を手に。「親友の笑顔…私が壊した。」カフェでツバキに。「地獄…もういい。」ツバキが手を握る。「私も…地獄だ。」ユウが呟く。「誰も救われない。」

深夜4:00。カフェ「月影」。ツバキは親友の写真とリボン型チャームを握る。「マジで目しょぼしょぼだな。」スマホが鳴る。「はい。」冷たい声。「…名前を。」闇で目が光る。頬に涙。

END

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