54.精霊の攻撃も余裕で避けれる
人工精霊とやらから、現在の状況について尋問することにした。
「転移結晶を使ったが、外に脱出できなかったのはどうしてだ?」
【こ、この迷宮全体には、特殊な術式が組まれてるの。セーフゾーンからの脱出以外で、転移すると、迷宮内の別の場所に転移する仕組みになってるの……】
「……つまり、転移結晶を使っても、外に出れない……ってことか」
【そうよ。セーフゾーンの脱出ポータルからじゃないと出れないわ】
……マイ。
じゃあ、マイは……外に出れてないってことだ。やっぱり!
「おい! どこに飛ばされるんだよ!? 早く言え殺すぞ!」
【ひぃい! わ、わからないわよ! どこに飛ばすかは、迷宮主さまが決めるんだし……】
転移先はこの迷宮を作ったやつ次第ってことか……ああくそ!
なんてことだ!
じゃあこいつに問い詰めても、マイとルイスさんの場所がわからない!
「マイ……どこにいるんだ……?」
【わかるわよ】
「なんだって!? ほんとか!?」
【ほ、ほんとよ……だからナイフをちらつかせないでよ怖いから!】
奪命の一撃を、人工精霊は恐れているようだ。
が、どうでもいい!
「マイはどこに!?」
【迷宮主様のところよ】
「は? なんで……?」
【あのお方は、付与術師の女に、大層興味を持っていたからね】
……なんてことだ。
マイは、凄すぎるから、迷宮主に目をつけられていたのか……。
まあそれは当然だ。
マイは凄いし、なにより魔喰世界蛇で、迷宮主の魔法を解除したからな。
相手からすると、興味深い存在なのだろう。
「マイを助けるためには、迷宮主のとこへ行かないといけないわけか……」
この人工精霊の言ってることが正しいかは不明だが。
しかし、転移結晶が正常に働かなかったこと。
そして、マイが迷宮主の魔法を撃ちやぶったのは事実。
迷宮主が興味を持ち、マイを自分の元に招いた……という推測は正しいかもしれない。
「おい人工精霊のイサミ、迷宮主のとこへ連れてけ」
人工精霊が、
【やーなこった!】
瞬間、目の前で大爆発が起きた。
【ぎゃはっは! 人工精霊は魔法の発動に呪文詠唱も魔力もいらないのよぉ!】
「そうか」
【うぇえええええええええ!? なんでえええええええええええ!?】
魔法の直撃を受けたのに、俺が無事なことに、こいつは驚いてるようだ。
【人間が魔法を使うときのような、前動作はない! いくらこいつが耳がよかったとしても、精霊の魔法は絶対不可避なのにぃい!?】
バカか、こいつ。
俺の耳はたしかに、音を拾っていたのだ。
精霊が俺に対して、敵意を、害意を持っていることに。
心臓の音はないけど、呼吸の音から、こいつが俺を攻撃することはわかっていた。
来るとわかっているのだから、避けるのも容易い(縮地も持ってるしな)。
【こうなったら逃げ……】
「動くな」
【ひ!】
俺は人工精霊の背後に回り、ナイフを突きつける。
「勝手に動いたら殺す。ハイ以外の言葉を喋っても殺す。助けを呼んでも殺す」
【は、はい……】
「俺には縮地とこの耳がある。おまえが俺から逃げることは不可能と思え」
【はいぃいい……】
「俺を案内しろ」
【は………………いぃ……】
よし、道案内は手に入れた。
待ってろ、マイ、ルイスさん。
おまえ達を必ず助け出す……!
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