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49.紙の文字を解読する



 マイの大活躍によって、セーフゾーンに閉じ込められていた人たちを、救助することに成功。


「助かったよ、本当にたすかった……!」


 救助者たちが涙を流しながら頭を下げる。

 ここにいたのは4人。


 救助者は12人いるっていうから、残り8人は別のところにいるのだろう。


「ケガの治療を行います」


 たしかに救助者達は負傷していた。

 魔物から逃げたさいにできたのだろう。

 ルイスさんは魔法銃を取り出し、銃口を彼らに向ける。

 ぎょっ、と驚く面々。


 だがルイスさんの心音からは、悪意をまったく感じさせなかった。

 銃で治療を、本当に行うんだろう。


「落ち着けって。おっちゃんら。ルイスさんの魔法弾はすげえんだ」


 俺の言葉で、彼らの緊張がほぐれた。

 まあ彼らを助けた人間の言葉だからな。信用に足りるのだろう。


 だん! とルイスさんが彼らに魔法弾を撃ち込む。


「すげええ!」「傷がなおってく!」「回復魔法……?」


 たしかに一瞬で、彼らのケガが消えたでは無いか。

 

「魔法弾のひとつ。治癒の弾(ヒール・ショット)です」


 魔法弾には、相手を治癒させるものもあるのか。

 いろんなことができるんだな。


 さて。


「ケガも治したし、外に出るか。おっちゃんたち転移結晶は?」

「あ、ああ……持ってるよ……ってあれ!? ない!」


 救助者が慌てて、自分たちの持ち物を漁る。


「転移結晶がない!」

「他にもここで発掘されたレアアイテムもないぞぉ!」


 音から察するに、どうやら彼らは、嘘をついていないようだ。

 誰かに取られたってことだろうか……?


 時間が止められてる間にさ。


「転移結晶がないとなると、厄介だね」

「……ええ。我々も転移結晶を持ってますが、数に限りが有りますし」


 彼らをいちいち出口まで連れて行くのもダルいしな。

 さて、どうするか……。


「そ、それに脱出は待ってくれ! 古代の石碑を見つけたんだ!」

「石碑……?」


 彼らに連れられ、部屋の隅へと移動する。

 そこには、見上げるほどの巨大な石碑があった。


 ミミズがのたくったような、変な文字が並んでいる……。

 六大陸共用語(俺たちが普段使う言葉)じゃないな。


「見たこともない、言語体系ですね……」


 物知りなルイスさんでも、この石碑に書かれてる文字は、読めないらしい。

 発掘隊でもある、彼らも同様、読めないみたいだが……。


「こんな見たことない文字が見付かったんだ! 世界的大発見だ! ぜひ解読を……」

 

 なるほど……。

 もうちょっとここに残りたいわけか。


「無理。他の連中も助けないといけないから」


 おれがそう言うと、彼らは凄く残念そうな顔になる。


「石碑を持って帰るのも難しい」

「そうなん? ぶっ壊して、魔法袋にでも入れればいいじゃん」


「石碑をバラバラにしたら文字が読めなくなるだろう!?」


 そりゃそうか……。

 しかし変な文字だな、改めてみると。


 なんて書いてある……。


【部屋の隅に、脱出装置がある】


 ……そのとき、俺の耳元で、【神】がささやいた。


【おまえ、読めるのかこれ?】


 あんま神と話したくないが、ちょっと気になったので聞いてみる。

 神のやろうは、嬉々として言う。


【読めるよ。わたしたちの言葉だもん】

【神の言葉?】


【そう】


 ふーん……そうなんだ……。

 にしても、脱出装置があるなら、好都合。


「ねえ。ここ脱出装置があるみたいだぜ?」

「「「「は……?」」」」


 ポカンとする連中。

 あ、読めないんだったっけ。


「だ、脱出装置……? そんなものがあるのか? てゆーか、なんでそんなことを……」

「あー……」


 どうしよう。

 この文字が読めるから、って答えると、絶対に面倒なことになる。


 他のもよめとか、なんで読めるんだとか?

 それをいちいち説明するのは面倒だな……どうするかな。


「ルイスさん……?」


 彼女がすっ、と部屋の隅まで移動。

 すると近くには、光る床があった。


「脱出ポータルの光です」


 脱出ポータルとは、ダンジョンのボス部屋に存在する、外に出る装置のことだ。

 たしかに、彼女が言うとおりの場所に、ポータルがある。


「ほ、本当にあった……」

「なんで今まで気づかなかったんだ……?」


 するとルイスさんが言う。


「人間が近づくと、ポータルが起動する仕組みのようですね。さ、早く脱出を」


 救助隊の連中は不満そうだ。

 俺に色々聞きたげである。


 じろり、とルイスさんが彼らをにらみつける。


「他の救助活動も控えてます。お早く」

「「「はい……」」」


 結局、ルイスさんに気圧され、彼らは脱出した。

 全員がいなくなったのをみて、ルイスさんが言う。


「すごいです、シーフさん。この文字が読めるなんて」


 と、褒めてくれる……が。


「うかつでしたね」

「そーね……ごめん……」

「ちゃんと反省できるなら、よし」


 ルイスさんが微笑む。

 彼女は余計なことを言わなかった。追求もしてこなかった。ほんと、いい人だなって思った。

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[良い点] 更新ありがとうございます [気になる点] タイトルは誤字報告できないのでこちらで失礼します 紙の文字を解読する →神の文字を解読する
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