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29.無敵兄妹は今日もやばい



 これまでのあらすじ。

 俺の名前はシーフ・バーンデッド。


 盗賊の職業ジョブを持つ16歳。


 高ランク冒険者ムノッカスのパーティに兄妹で所属していた。

 ある日、ムノッカスは有能な妹をあろうことに、追放してしまう。


 キレた俺は妹のマイ・バーンデッドとともにパーティを抜ける。

 俺はマイとともにパーティを組み、冒険者の最高峰、SSランクを目指すのであった。


    ☆


 王都を襲った魔物の大群を退けて、一ヶ月が経過した。

 俺、マイ、そしてバディのマーキュリーさん(Sランカー)とともに、王都の郊外の森へとやってきていた。


「シーフくん、もう大丈夫なの?」


 マーキュリーさんは俺の所属するギルド、天与の原石に所属する、Sランク冒険者。

 俺たち兄妹を世話する、魔女のおばさ……お姉さんだ。


「うん。大丈夫。マイのご機嫌は回復したしね」


 俺の後にぴったりついてるのは天使……おっといけない、違ったな。

 大天使妹マイ・バーンデッド。


 無駄に色気のある無駄乳魔女とちがって(褒め言葉)、儚げな雰囲気の美少女だ。

 胸はちょっと小さいが……全然大きな分類。

 マーキュリーさんがちょっと無駄にデカすぎるんだよね。


「いや、マイちゃんのご機嫌をうかがってるわけじゃなくってね……?」

「え、じゃあ他に気にすることってなくない?」


「あるでしょ、君の体調とかっ!」


 ああ、俺のこと聞いてたのか、このババディ(※ババア+バディ)。


「俺の体調なんてとっくに回復してるよ」

「あらそう、良かったわ」


 ……心から安堵する【音】が伝わってくる。

 俺の職業ジョブは盗賊。そして、固有のスキルは【超聴覚】。


 タダ耳が良くなる、それだけのスキルでしかない。

 だが俺の耳は人よりかなり鋭敏であり、音からいろんな情報を拾うことができる。

 ババディ……もとい、マーキュリーさんが俺のこと本当に、心配してくれてたこと。

 そして、快復を喜んでいることが伝わってきた。


 ……うん、ババディって呼ぶの辞めとこ(n回目)。


「今日は久しぶりのクエストだから、付いてきたわ」

「マイが居るから大丈夫なのになぁ」


「まあ、マイちゃんがしっかりしてるから大丈夫だろうけど、念のためね。久しぶりだし」


 マイが嬉しそうにしてるのが、心音で伝わる。

 ああ喜んでるマイかわいいよぉ。


「マーキュリーさん」

「なあに?」

「……はぁ。言わないとわからないわけ?」

「は? なによ急に」


 俺はマーキュリーさんの顔面めがけて、ダガーをぶん投げる。


「ちょ!?」


 ダガーはマーキュリーさんの顔面……ギリギリ横を通り過ぎる。

 ザシュッ……!


「GIIIIIIIIIIII!」


 上空から強襲してきた【敵】の眉間に、ダガーが突き刺さる。


電気蜂エレキ・ビー!」


電気蜂エレキ・ビー

種族:昆虫型モンスター

ランク:B

固有スキル:麻痺パラライズ


 巨大な蜂だ。

 両手、そして尻に大きな針がある。


「ウルサイ音立ててからさ、近づいてるのバレバレだったんだよね」

「な、なるほど……さすが超聴覚」


「てゆーか、邪魔だよ。どいてて」

「この……って、邪魔? なんで……?」


 ブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブ!


「うぎゃあ! 蜂の山ぁ! きっしょぉ!」

電気蜂エレキ・ビーの群れの討伐でしょ、今回の討伐」


「そ、そうだけど……大丈夫なのシーフくん? 君たちには弱点が……」


 俺たち兄妹には、致命的な弱点が存在する。

 火力不足だ。


 一気に大量の敵を倒すのが苦手なのである……いいや。


「いつの話ししてんの? な、マイ?」

「うん!」


 マイの声からは、確かな自信が感じさせられる。

 俺たちはうなずき合う。


 たんっ! と俺はダガーを手に、蜂の群れに突っ込む。


「ちょ!? 危ないって! 戻りなさい!」

「いいや、引かないね! いっくぞぉ!」


 俺はダガーを……振る。


 ズバババババババババババババババ!!!


「ちょ!? エエ!? 電気蜂エレキ・ビーが一気に細切れになったぁ!?」


 俺が再びダガーを振る。

 

 ズバババババババババババババババ!!!


「なに!? なにが起きてるの!?」

「鑑定眼持ってるんじゃなかったっけ? 使えば」

「ぐ……この……」


 マーキュリーさんが鑑定眼を発動させる。


「! シーフくんのダガーから、鋼糸が伸びてるわ……それも、複数!」


 スキル、鋼糸。

 スキルで作られたワイヤーは、魔物の頑丈な身体を簡単に引き裂く。


 俺がダガーを振るうと同時に、先端から鋼糸が射出。

 鋼糸が電気蜂エレキ・ビーの身体に巻き付き、そして切断。


「シーフくんいつの間に、こんな大量の鋼糸を、自在に操れるようになってたの!?」


「俺一人の力じゃないよ。マイのおかげさ」

「マイちゃんの……?」


 俺はマイの代わりに説明してやる。

 聞いて驚け! うちの妹のすごさを!


「鋼糸はマイがスキル付与してる。そこまではいいだろ?」

「うん……まあそれ神業なんだけど、一旦そこはうなずいとく」


「で、マイは俺がダガーを振るうタイミングで、鋼糸を複数付与してるんだ」

「なっ!?」


「で、鋼糸を俺の代わりに操って」

「えええ!?」


「蜂どもの急所を俺が指定し、蜂をバラバラにしてるって……」

「ちょっとまてやぁああああああああああああああああああああ!?」


 マーキュリーさんからは、驚いてる声が聞こえてる。


「え? どれに驚いてるの?」

「ぜんっっっっっっっっぶだよ! もう全部!?」


「全部? どれ?」

「スキルを複数付与したことと、マイちゃんがシーフくんを介してスキルを使ったことと、急所をアイコンタクトで伝えたこと!」


 どれも、マイと俺たち兄妹なら簡単にできることだった。


「え、スキルの複数付与ってできるよね?」

「ねえよ! 無理だよ! つーかスキル付与自身が神業だっつったろ!? それを複数やるのがおかしいんだよ!?」


 おかしくないんだが?

 実際できるわけだし。


「で、鋼糸を付与して、その上でマイちゃんが動かす……? そんなのできないでしょ!? 普通!」

「いやできるから」

「マイちゃんはバケモンだっつってんだろ?!」


 うちの妹を化け物呼ばわりしたババディに、怒りを覚える俺。


「で、最後に一番おかしいのが……」

「マイ!」

「うん!」


 ババディがわめいてる間に、新しい敵が出現した。


女王蜂クィーン・ビー!」


女王蜂クィーン・ビー

種族:大型昆虫型モンスター

ランク:A

固有スキル:二段刺突ダブル・ニードル


 電気蜂エレキ・ビーどもの親玉だな。


「シーフ兄さん!」

「わかった!」


 マーキュリーさんからは困惑の音が聞こえる。

 俺たち兄妹のアイコンタクトが、わからないようだ。


 俺は走り出す。


阻害の茨(ソーン・バインド)!」


 マイがデバフ魔法を発動。

 地中から無数の茨が出現して、女王蜂クィーン・ビーを捕縛。


 動けなくなっているところに、敵のふところに入り込む。


奪命の一撃ヴォーパル・ストライク!」


 俺が取得したエクストラスキル、奪命ヴォーパル


 他人の命を奪うほどの弱点、致死点を可視化するスキルだ。

 盗賊の俺は、職業ジョブを鍛えた結果、命さえ【奪う】ことができるようになったのだ。


 致死点をダガーで衝かれた女王蜂クィーン・ビーは、一撃で死亡。


 スキル、完全解体が発動。

 電気蜂エレキ・ビーからは、麻痺、女王蜂クィーン・ビーからは、二段刺突ダブル・ニードル技能宝珠スキル・オーブを獲得した。


「マイ! ナイスぅ!」

「うんっ!」


 俺たちはパンッ、と手を合わせる。

 やっぱり俺たちは無敵のコンビだぜぇ!


「って、どうしたんだよ、マーキュリーさん。なんか疲れてる音すんだけど……?」


 俺たちだけが戦っていたのに、何を疲れることがあるんだろうか……?


「なんつーか、もう……君たち……やばすぎよ……」


 やばすぎ……?


「当たり前じゃん、マイは天才なんだから」

「と、当然です。兄さんは最強なんですからっ」


 俺から見ればマイはすごいやつだし、妹は(ありがたいことに)俺のこと凄いと思ってるらしい。


 マーキュリーさんからぶち切れた音がすると……。


「あんたら二人ともが、やばいっていってんのよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

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