16.
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
俺はリリア院長に、修業を付けて貰っている。
この人素手で岩を割れとか言ってきた……。
むちゃくちゃが過ぎる。けれど、俺は修業を投げ出す気はなかった。
俺の目標……マイに並び立つという、高い場所にたどり着くまでは。
「すぅ……はぁ……」
俺の手には武器がない。が、俺には武器がある。
この……耳だ。
俺の持つ力、超聴覚。
これが俺の持つ唯一の個性。
さっきの修業では、この耳を使って、普段聞こえていないものを聞いて、修業をクリアできた。
なら……これももしかして、耳を使ってどうにかできるのではないだろうか。
ぴたり……と俺は岩に耳を当てる。
「…………」
何の音もしない。そりゃそうか。
岩は動かずその場にいるだけなんだから。音が出るわけもない。
「うーん……」
岩から耳を離す。
蹴飛ばしても、殴っても駄目だ。ただいたずらに自分を傷つけるだけだ。
ナイフも取り上げられてる。
武器も無くどうやって壊せって言うんだ……?
もう一度岩に耳をあてる。やっぱり何の音も聞こえない。
……うーん。
【ねえ】
……また、天の女神からの声が聞こえてきた。
【あたしが力貸そうか?】
……女神。俺は、耳が良い。だから、天に住まう女神の声を聞くことができた。
そして、神の力を借りることが、できた。
雷神の力。それを使えば、多分この岩は壊せるだろう。
「おまえの手は借りない」
【どうして?】
「それじゃ……今までと変わらないから」
今までの俺は、こいつの力を借りて、なんとか敵と戦えてきた。
裏を返すと、俺自身が強くなった訳じゃあない。
雷神の力は俺の身に余る力なんだ。だから……俺の体は深く傷ついてしまった。
こいつの力で一時的パワーアップしても、力の本質は変わらないんじゃ、意味が無い。
俺は、強くなりたいんだ。
【ふぅん……めんどくさいのね。でも……あたし君のそういうところも好きよ】
【★☆読者の皆様へ 大切なお知らせです☆★】
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