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第四話 暴徒

 一応落としたスマホは拾ったものの、例の財団の関係者らしい一人の男子高校生に目をつけられる。

 緑色の髪をしていて前髪が稲妻のような形をしている。ジーパンに右手を半端に突っ込んでは左手で後ろ頭を押さえて、ちょっとめんどくさそうにカナイの方を見た。


「な、何よ」

「それフルアクセル・リングだよな? お前に恨みは一切ないがよ、|風音⦅かざね⦆の姐さんに持ってるやつを殲滅しろと言われてる。だから消えろ」

「はい?」


 一瞬にして男の姿が消えた。移動した痕跡で緑色の静電気がジリジリ鳴る。

 静電気で魔力がある相手だと判断し魔力の索敵に集中、そして自分の魔力をフルアクセル・リングに集め本来解放されていない機能をとりあえず解放させた。

 その中で今回便利そうな機能⑤、視力の上昇を使用。稲妻のように駆け回る男の姿を確認し光の魔法で背筋に打撃を与えた。

 カナイの前に突っ伏す形で男の高速移動は終わった。

 あの頃戦いに明け暮れていたのをふと体で思い出し力強い眼光で睨みつけつつ右足で男の背中を全力で何度も踏み続ける。


「どこの誰か知らないけどとりあえず○ね!」

「ぐあ! あ!」


 小説では書けないような罵詈雑言を浴びせ、蹴飛ばして仰向けにさせては人差し指を向ける。指先に魔力を集め今度はレーザー光線を撃つ姿勢へ。


「やるならやれ! 俺の負けだ……!」

「そうさせてもらおうか!」


 光線は真っ直ぐに男の左胸へ向かう刹那、またしても姿が消えた。勿論能力を使って移動する余力もない。他の瞬間移動系能力を持っていれば別だが、さしづめその様子はない。

 後ろを振り返るとテレビに映っていた風音の姿が。雷太を肩に抱えかなり消耗している様子でもある。


「強い魔力を感じた。貴方だったのね! とりあえず帰る!」

「オイオイ命を狙っておいて、ただで帰れると思うなよ!」


 再び指先に魔力を集め光線を撃つ準備、そして発射。

 最後の力を振り絞って瞬間移動を行うも風音の頬をかすった。


「逃げたか……ってあれ? わたしすごい悪い事してた。何でなんだろう」


 腕に巻かれたフルアクセル・リングを見つめる。

 少し距離のある位置、建物の影でひっそり戦いの様子を見たアクセルは怯えていた。

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