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怪盗団フォックスの暗躍  作者: くろの那由多
第3章 医療都市コピスにて
110/123

第110話 リージョの驚愕

 リージョ’s ビューポイント――――


 タッタッタッ


「さてと、オークロード2体を相手か。どうするかな」

 リージョは、オークロードに向かいながら、作戦を考えていた。

「複数だから、囲まれないようにしないとだな。立ち回りとスピードが大事か」

 いつもは、出たとこ勝負が多いリージョだが、今回はいろいろと考えているようだ。

 そして、そう思った頃には、オークロードが眼前に迫っていた。


「「グオォォ!!」」

 オークロードは横に並んで、走ってくるリージョ目掛けて、同時に斧を振り下ろした。


 ブォン ブォン!


 リージョは、2体のオークロードの攻撃を右にかわした。

「よし、一直線になった。こうして1体ずつ相手にしていけば」

 リージョは刀を抜き、近くにいる方のオークロードへと向かっていった。

 しかし、リージョがオークロードに斬りかかる前に、2体はまた横並びになっていた。

「あれ?思ってたのと違う……」

 戸惑っているリージョに、オークロードの斬撃が襲いかかる。

「ヤバッ!『サラマンダー』」


 リージョはサラマンダーを用いて、オークロードたちからの連続攻撃をかわしたり受け流したりしてしのいだ。

 何度もオークロードたちを一直線にしようと、何度もトライしてみるが上手くいかなかった。

 そして、いつの間にか、オークロード2体に挟まれる形になる事が多くなり、手傷も負い始めていた。

「くっ、このままやられるわけにはいかない!」

 リージョはそう言うと、刀を構えた。


『来い!ワイバーン!』


 そう叫ぶと、リージョは空中に飛び上がった。

 すると、リージョの背中から翼が生えてきた。


 バサッ バサッ


「これなら、挟まれることはないぜ!」

 そう言うと、リージョは下降してきてオークロードに斬りかかった。



 ニー’s ビューポイント――――


「アイツめ。奥の手を隠してやがったな。まっ、俺も人の事は言えないがな」

 空を飛び回るリージョを横目で見ながら、ニーは呟いた。

 オーカスは、ニーの一瞬の余所見を見逃さず、ニーに向かって大斧を振るった。


 ギィィーン!


 ギリギリの所で、ニーは黒狼剣で受け止めたが、オーカスの攻撃は止まらず、左ボディが入った。

「ぐぅ」

 ニーは、二、三歩よろけたが、すぐに黒狼剣を振って叫んだ。


『翔べ!ヤタガラス!!』


 黒い閃光が至近距離でオーカスに発射された。

 それは、オーカスの素早さを持ってしても回避できず、オーカスはニーの発したヤタガラスをまともに喰らった。

「ゴアァァッ!」

 その瞬間、オーカスを中心に漆黒の闇が広がった。


「おおおおーっ!」

 その闇の中で、ニーが雄叫びを上げながら、オーカスの気配を感じ取り、黒狼剣を振り回した。


 ジャッ!


 振り回したうちの一振りの剣先がオーカスをかすめた。

「むっ!そこか!!」

 ニーは確信を得て、すぐさま感触のあった方へ向かって、斬撃を繰り出した。


 ズバババッ!


 ニーは息が続く限り、剣を振り続けた。



 リージョ’s ビューポイント――――


「これでトドメだ!『燃やせ、サラマンダー!』」


 ザシュッ! ボワッ!


「ゴ、ゴフッ」

 リージョが2体目のオークロードにトドメを刺した。


「ハァハァ。技を使いすぎたな……。そだっ!ニーの方は!?」

 刀と片膝をついて体勢を保っていたリージョは、ニーが戦っている方を向いた。

「何だ!あの黒い球状のモヤは?」

 少しずつ薄くなってきてはいたが、ヤタガラスの効果がまだ続いているようだ。

「オーカスの術か、ニーが隠してた新技か分からないけど、あの中に2人がいる!」

 リージョはそう確信して、疲れた身体に鞭打って、黒い球体へと向かって走り出していった。



「ハァハァ」

 リージョが到着した頃には、モヤもほとんど晴れていた。

 そこには、両膝をついているオーカスと、その前に立ちふさがっているニーの姿があった。

「ハァハァ。ん?フォックスか?そっちはもう片付いたのか?こっちも今から首を落とす所だ」

 ニーはそう言って、リージョの方へと視線を一瞬外した。

(ホントに1人でオーカスを倒しちまったのか!?)

 リージョは、ただただ驚愕するしかなかった。


「ゴアッ!!」

 ニーが一瞬、リージョを見た隙にオーカスがニーへと突進していき、体当たりをした。


 ドンッ!


「助けが必要か?」

 よろめいたニーに、リージョが刀を抜きながら聞いた。

「いや、ホントにもう終わる所だ」


『宿れ。アヌビス!』


 リージョに返事をすると、ニーは異界の力を使った。

 そして、突進後、また両膝をついているオーカスに向っていった。


「師よ。ちょっと手こずったが、昔のあんたに追いついたぜ」

 ニーはそう言うと、オーカスの首へとアヌビスを纏った黒狼剣を振り下ろした。


 ザンッ!


 ニーがオーカスの首を取ると、瞬く間にオークやハイオークどもの士気が下がっていった。

「お前ら!反撃の時は今だ!!」

 ニーが討伐者たちを鼓舞した。

「おぉぉっ!」

「押し返せ!!」

 疲れているであろう討伐者たちも最後の力を振り絞った。


 こうして、北門での戦いはオークたちを退けて終結した。


【読者の方々へ】


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