九話 想は打開策を打ってくれました
九話 想は打開策を打ってくれました
「実はエスパーダのことを他の人に知られた。対策を打ちたいんだ」
「それはどのレベルで?」
想は肘をついて、カメラ目線。都も想の隣に仕事が出来る風を装って座っていた。
「命は取らない程度で」
「OK。とりあえず敵のデータを送ってくれ」
「課長もか?」
「課長もだ。課長が興味なくても、子供や孫が興味あるかもしれない。用心に越したことはない」
「分かった」
会議に参加した人物の知りうる限り全ての情報をスマホで送る。
「よし、まずは関係者のパソコンとスマホを調べて、画像や動画がないかの確認だ。都、後のことは頼む」
想は立ち上がり、画面から消えた。
「どこに行ったの?」
エスパーダが要に聞く。
「想は仕事部屋に行った。要を守るために」
要ではなく都が答えた。
「エスパーダをだ」
要が訂正する。
だが都は首を横に振った。
「だったら私は止めたわよ。浮気だもの」
要は釈然としなかった。
会話が途切れて沈黙していると、エスパーダが要とパソコンの間に進み出てくる。
「都、ありがとう。止めないでくれて。おかげで要と暮らせる時間が長くなる」
カメラに向けて頭を下げた。都が苦手だと言っていたのにだ。
要はエスパーダの勇気に感動し、都の反応をうかがう。
都は大きく息を吐いた。
「あなたを知るには飲んだほうが良いかもね」
「え?」
「リモート飲み会。イヤ?」
「イヤじゃないけど……、今日要が出掛けてないから物資がないの」
「要! 行ってきなさい」
要は追っ払われ、エスパーダと都が二人きりになってしまった。