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八話 彼は褒めてくれました
八話 彼は褒めてくれました
沈黙と注目の中、都は咳払いをして画面から顔を背けた。
「何がかわいいの?」
要が代表して尋ねる。頭の中では都がエスパーダをかわいいと言う姿を思い描いていた。
「パジャマよ、そうパジャマ」
「え?」
「パジャマがかわいかったのよ」
要は都に非難の視線を向ける。画面越しだが伝わったようで、カメラ目線で睨み付けてくる。
「逆ギレは良くない。エスパーダは綺麗でかわいいんだ」
当然の主張なので要に照れはない。が、横でエスパーダが照れていた。
「あんたはそれを自慢したくてリモートにしたの?」
「違うけど……」
「じゃあ本題に入りなさい」
想に目線を移すと、首をすくめて両手を上に向ける動作をした。なす術なしということだろう。
要は本題に入ることにした。